トレーナーに訊く筋肉メシ! 飲み過ぎても太らない翌日の食べ方・過ごし方

2019年7月26日(金)12時0分 食楽web


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美味しいものが食べたい。でも体型のことも気になる。そんな人のために、トレーナーの宮本健太郎先生がレクチャーする「筋肉メシ」。今回のテーマは「飲み過ぎた後のリセット食事法」です。

 いよいよ、ビールが美味しい季節がやってきます。暑気払いにかこつけて飲み会が増える頃。楽しいけれど、気になるのはやっぱり飲み過ぎ&食べ過ぎで太ること。

 さらに、たくさん飲めば二日酔いもやってきます。頭痛、胃もたれ、胸やけ、吐き気といったさまざまな不快症状、皆さんも経験があると思います。朝ごはんは食べられず、人によっては昼食も抜き、夕方、夜になってようやく何かを口にする……。「これで昨日の暴飲暴食もチャラ」なんて都合の良いことを考える人もいるかもしれません。

 残念ながら、チャラどころか、そんな食べ方をしていたら、確実に太り、おまけに老けこみます。そこで、飲み過ぎた翌日の正しい食事法を知って、きっちりチャラにする。そんな方法をご紹介しましょう。

 まずは、飲み過ぎて帰ったその日の晩、そして翌朝。水やスポーツドリンクをできるだけたくさん飲みましょう。アルコールの利尿作用で軽い脱水症状を起こしていると、二日酔いの症状が長く続いてしまうからです。

 しかし、水だけでは二日酔いのリセットは不完全です。大量飲酒後の体は、“老化と肥満”が加速するサイクルに陥っているので、このサイクルをしっかりストップさせることが大事なのです。

大量飲酒は筋肉を減少させる

 まず、頭に入れておいて欲しいことは、お酒=アルコールを大量に飲むと「筋肉が減少し、内臓脂肪は増加する」という2点です。つまり、筋肉減少=老化、脂肪増加=肥満です。

 アルコールによって筋肉が減少する理由には諸説あります。

(1)肝臓で分解しきれないアルコールが筋肉合成を阻害するから
(2)体がアルコール代謝を優先するがゆえに糖質やたんぱく質の代謝が阻害されるから
(3)大量飲酒によって“ストレスホルモン”のコルチゾールが分泌され、筋合成を阻害するから
(4)筋肉生成作用のテストステロンの分泌量が減少するから

 などです。いずれにせよ、アルコールの大量摂取によって筋合成率が30%減少することは証明されています。

 つまり、二日酔いで気持ち悪いとき=筋肉がどんどん減少している。そう思ってください。「でも、つまみに肉とか豆腐(筋肉の材料であるたんぱく質)をたくさん食べたから大丈夫」と思っている人も大間違い。いくらたんぱく質を食べても、アルコール代謝に忙しい体は、筋肉を合成する力が弱いのです。

 ではどうすればいいのか。たんぱく質を摂るべきタイミングは、“二日酔いの朝”が正解です。なるべく早い段階で摂った方が良いので、朝イチにプロテインパウダーを使ったドリンクを飲めば「カタボリック」(血中の血糖値とアミノ酸濃度が下がり筋肉が分解されること)をストップできます。

暴飲暴食後の内臓脂肪をさっさと減らす

 翌朝、プロテインドリンクを飲むことに加え、ぜひやってほしいことは「ウォーキング」です。

 暴飲暴食によって摂った余分なカロリーは中性脂肪に変換され、最初に内臓脂肪に蓄えられます。つまり二日酔いのときは、内臓脂肪が一時的に増加している状態です。

 この内臓脂肪の脂肪がエネルギーとして使われないと、次に皮下脂肪に蓄えられます。皮下脂肪は内臓脂肪より燃焼しにくいので、溜まっていく一方。これが肥満の原因です。だから内臓脂肪のうちに使ってしまうのがベストなのです。

 その燃焼方法として手っ取り早いのが有酸素運動のウォーキング。内臓脂肪をエネルギーとしてたくさん消費するには有酸素運動が適しています。筋トレやランニングは無酸素運動の比率が高く、エネルギー源として糖質を主に使います。そこで、脂肪をエネルギーにしやすいウォーキングをするわけです。ちなみに、できれば45分〜1時間は歩きたいところです。

 まとめると、二日酔いの朝の正しい過ごし方としては、まずプロテインドリンクを飲み、通勤でしっかり歩くこと。「二日酔いなのに、そんなことできないよ…」という悲鳴が聞こえてきそうですが、そのくらいのことはしないと、どんどん太り、老けてしまいます。飲みすぎの代償と割り切って、通勤先の駅の2駅前で降りるなど、距離を測っていつもより歩きましょう。

 ちなみに、その後の食事も大事です。NGフードはうどん、ラーメン、丼飯といった糖質・脂質に偏った食事です。食べるべきは、低脂肪高たんぱくの肉や魚などのおかず。玄米やオートミールなどの低GIの主食。野菜などのビタミン類。ちなみに低GIフードは、糖質の吸収が穏やかなので太りにくいのはご存知だと思います。

 このように大量飲酒の後は、筋肉の減少、内臓脂肪の増加をしっかりとチャラにすることが大事なのです。

(取材・文◎土原亜子)

●プロフィール

宮本健太郎

『エベレストフィットネス』代表。全米ストレングス&コンディショニングスペシャリスト。NSCA認定パーソナルトレーナー。大学時代よりプロボクシングでの競技生活をスタート。競技引退後は某有名ボクシングジムのチーフトレーナーとして後進の育成に従事。現在、ボクシング&フィットネスのジム『エベレストフィットネス東高円寺』を経営。
https://everest-fitness.jp

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