56歳会社員、貯金1000万円。一人暮らしをしたことがなく老後が不安に

7月28日(日)22時20分 All About

母親の持ち家で母と同居中の56歳独身女性。結婚の予定もなく、一人暮らしをしたこともなく、自身の老後が見えてきて不安が募っているとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

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これから一人で老後を過ごすのが不安です

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、母親の持ち家で母と同居中の56歳独身女性。一人暮らしをしたこともなく、自身の老後が見えてきて不安が募っているとのこと。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

相談者

世間知らずさん(仮名)
女性/会社員/56歳
関西/親の家で同居

家族構成

母(85歳)

相談内容

現在56歳独身で母親と同居しています。住まいは現在住んでいる家を確保できると思います(修繕費 10万円/年)。結婚の予定はありません。会社員で現在の職場に 定年(60歳)までいたいと考えています。

一人暮らしをしたことがなく 老後が近くなって不安になってきました。退職金は500万円程度を見込んでいます。老後はどれぐらいの月額生活費で生活すれば安全でしょうか? また長く生きたときに備えて、なるべく年金額を増やしたいと思います。よい方法があればアドバイスをください。

家計収支データ

相談者「世間知らず」さんの家計収支データ

家計収支データ補足

(1)家計について
母の年金は 年間180万円程度です。貯蓄はわかりません。恥ずかしながら生活費は母が出しております。光熱費は、水道代5000円、電気代1万円、ガス代6000円。

(2)住宅費について
築年数は20年、固定資産税は年間14万円。今のところ、リフォームやメンテナンスの予定はありません。また、住宅の固定資産税の他、若いころに土地を購入して、固定資産税を年間8万円支払っています。ローンは残っておりません。

(3)加入保険について
・本人/個人年金保険(60歳払込終了 60歳から終身年金 61万円、入院保障日額5000円付)=毎月の保険料1万4970円
・本人/個人年金保険 (60歳払込終了 60歳から15年確定年金 52万円) =毎月の保険料1万円
・本人/個人年金保険(60歳払込終了 60歳から終身年金 44万円) =毎月の保険1万2341円以下……以下(5)の年金の内容

(4)貯金1000万円の内訳
普通預金320万円、定期預金680万円

(5)年金について
<厚生年金>
63歳…… 96万円/年額
64歳……104万円/年額
65歳以降……170万円/年額

年金ネットでみたところ 標準で上記金額ですが、できれば繰り下げ受給の制度を使ってできるだけ終身年金を増やしておきたいと考えています。

<個人年金>
60歳以降の終身年金……44万円/年額
60歳以降の終身年金……61万円/年額
60歳から15年確定年金……52万円/年額

<年金財形貯蓄>
60歳時点550万円見込(現在残高410万円 上記貯蓄総額には含まず)

(6)勤めについて
65歳まで再雇用制度はありますが母が要介護状態になれば、母のことを優先させたいと考えております。状況次第ですが、とりあえず60歳退職で考えております。

(7)家族について
母は現在、通院はしていますが身の回りのことはできております。母から相続する可能性があるのは、自宅の他に1カ所、母の所有の不動産※があり、それを弟と分けることになると思います。相続税はおそらく400万円以内(1/2で計算)に収まるかと思います。弟は結婚して別に住んでおります。

※自宅の他にある不動産ですが、貸すことにより、固定資産税を捻出しています。ただし税金を支払うのがやっとのようです

FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:60歳までに2910万円貯められるので老後は心配なし!
アドバイス2:定年で仕事をやめても貯蓄ができるほどの余裕があります
アドバイス3:楽しんでお金を使う準備を今からしておきましょう

アドバイス1:60歳までに3050万円貯められるので老後は心配なし!

世間知らずさんは、お母さんが年金を180万円ほどもらっているので、現在は生活費の多くをお母さんが負担してくれているのですね。そのおかげもあって、ご自身の将来のために個人年金や貯蓄がしっかりとできています。年間240万円も貯蓄ができるので、今のペースでいけばこれから60歳までの4年間でさらに1000万円近く貯蓄を増やせます。

これまでに貯めたお金が1000万円あって、退職金が500万円もらえる予定で、さらに財形もしっかり貯めているとのことで、60歳の時点で合計3050万円もの資金が準備できる予定です。

さらに、貯蓄とは別に3つ加入している個人年金もあるので、老後の準備は万全といっていいでしょう。支出に関しては、今毎月払っている個人年金の保険料が約3万7000円ありますが、これは60歳で支払いが終わるので、60歳以降の月々の生活費は今のままでいけば10万円ちょっとになります。

アドバイス2:定年で仕事をやめても貯蓄ができるほどの余裕があります

一方収入ですが、仮に60歳で仕事をやめてしまっても、個人年金が年間157万円もらえますので、支出を変えなければ年間37万円余ります。

63歳からは公的年金の部分年金がもらえるようになるので、年金をもらいながら年間100万円ぐらいの貯金ができてしまう計算です。さらに65歳以降は170万円ほどの老齢年金がもらえる予定とのことですので、個人年金とあわせれば年325万円の収入になります。

75歳で個人年金のうち確定年金の分がなくなりますが、それでも以後は終身にわたって273万円もらえますので、十分に余裕があります。

今後お母さんが負担してくれている生活費をアテにできなくなったとしても、貯蓄に回しているお金を使えばいいので足りなくなることはありません。これまで貯めてきた貯蓄に手をつけることなく生活ができるでしょう。万が一何か大きな出費が必要になったとしても、貯蓄とは別に財形年金もあるので、まったく心配いりません。

65歳以降はもらったお金を全部使ってしまったとしても問題がないので、再雇用で働く必要もないし、お母さんの介護が必要になったときには、世間知らずさんが納得するまでお世話をしてあげて大丈夫ですよ。

現在持っている土地は、売れるなら売却してもいいでしょう。不動産を持っているよりも現預金にしておいたほうが今後何かあった時に使いやすいでしょう。

アドバイス3:楽しんでお金を使う準備を今からしておきましょう

また、個人年金の保険料は、貯蓄の余裕があるので残りを前納してしまうという方法もいいですね。そうすれば毎月3万7000円以上も支払いが減るので、この分を自分の楽しみのために使ってみてはいかがでしょうか?

お金は貯めるのも大変ですが、使うのも慣れないとなかなかできないものです。これまであまり自分のために使わずにしっかり貯めてきた人は、老後になってから使おうと思ってもなかなか上手にできないものです。

ですから年金生活に入る前に、今から少しずつ使いかたも考えておくというのが世間知らずさんには必要かもしれません。これまで家計を助けていただいたお母さんがお元気なうちに、2人で旅行に出かけるなど親孝行もいいですね。

いただいたデータには世間知らずさんの趣味など、楽しみについてまったく書かれていませんが、将来の心配ばかりで楽しみを見つけてこなかったのかなとちょっと心配になりました。これまで頑張ってきて、そのおかげで立派な実がたわわに実っているので、それをおいしく食べる方法をぜひ考えてみてください。

繰り返しになりますがお金の心配はまったくいらないので、何か楽しみを見つけて、そのためにお金を使ってください。一人でこれまでよく頑張ったとご自身をほめてあげましょう。

相談者「世間知らず」さんから寄せられた感想

アドバイスありがとうございました。老後について漠然とした不安があったのですが、資金的に問題がないようで安心しました。個人年金は友人の義理で加入したものですが、無計画な私には大きな助けになったかと思います。前納については手続きしたいと思います。

私の趣味ですが旅行に行くのが好きです。幸い会社が毎年社員旅行を実施しているので、国内ですが、結構あちこち行っています。また個人で行く場合も会社の福利厚生で宿泊補助が出ますので18切符を利用して安く行くことができています。母は食べることが好きなので元気なうちに美味しいものを食べに2人で出かけたいと思います。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文:堀内玲子
(文:あるじゃん 編集部)

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