「エコバッグ万引き」が古書店で横行 書籍がごっそりなくなって...経営者がとった「苦肉の策」とは

2020年7月29日(水)16時15分 Jタウンネット


レジ袋有料化に伴い、持ち歩く人が増えたエコバッグ。ゴミを出さないという面では良い取り組みだが、その一方でエコバッグならではの問題も生じている。

茨城県土浦市で古書販売・買取を行う「つちうら古書倶楽部」は、2020年7月28日に「苦肉の策」と題してある貼り紙の写真をツイッターに投稿。店の入り口に貼られた掲示には、こんなことが書かれている。

「お願い
開いたエコバック
口の開いた手提げバックは
必ずレジにお預け下さい
エコバック万引き多発のためご協力をお願いします」

このご時世、店内へのマイバッグの持ち込みを不審に思う人はいない。それをいいことに、自身が持ち込んだ袋に本を入れて持ち去る「エコバッグ万引き」が発生しているというのだ。

「エコバッグの使用は悪いことではないが...」

Jタウンネットは29日、つちうら古書倶楽部の代表・佐々木嘉弘さん(66)に詳しい状況を聞いた。

「空のバッグを持ってきて、袋がふくらんだ状態で帰るという行為が7月に入ってから何件かありました。監視カメラがないので決定づけはできませんが、数が多いのでこれは間違いないだろうと思います」

貼り紙を掲示し始めた経緯について、このように話す佐々木さん。店の奥にある辞典等の書籍がごっそりなくなるなどの被害にあっている。貼り紙は、28日にテレビで「エコバッグ万引き」が取り上げられているのを見て、同日に掲示したそうだ。

「テレビを見て『同じ手口だ』と思いました。一瞬視界から消えるんですよ。それでこちらを監視しているんでしょうね。(様子を)見に行ったりもしていますが、根負けですよね。ずっと見ているわけにもいきませんし」(佐々木さん)

レジ袋が有料化する前から万引きは多少あったが、7月からは目に見えて数が増えたという。

つちうら古書倶楽部はJR土浦駅近くのビル1階に店を構える関東最大級の古書店。1つの時間帯に入るスタッフは3人ほどだ。売り場面積は約200〜250坪と広く、場所によっては店員の死角になってしまう。防犯カメラは3年ほど前から見られなくなっているが、今後新しいものに取り換える予定だという。

エコバッグをカウンターに預けるという対策は佐々木さんが考案。「お客さんもエコバッグを持ち歩いて疑われるのは嫌だろう」と考え、このような方法にした。掲示を始めてから間もないが、多くのお客さんが「しょうがないよね」といった感じでエコバッグを預けてくれているそうだ。

「エコバッグを持って歩くのは全く悪いことはないですし、持っていくのはその人の判断です。万引き(する人)になるならないは個人によると思います。ただ、エコバッグをぶら下げて(万引きに)来やすい状況になってしまったのは残念だと思います」(佐々木さん)

佐々木さんが見たと思われる情報番組・モーニングショー(テレビ朝日系、28日放送)では、商品を直接エコバックに入れて持ち帰る、レジを通さずサッカー台で袋詰めするといった手口を紹介。対策として「エコバッグはレジ後に広げる」「レジ前後でカゴの色を変える」といった方法をあげていた。

佐々木さんは、防犯カメラをつけたとしても万引きは「現行犯」でないと捕まえるのは厳しいと話す。また、万引きの発生については書店側の管理ミスでもあるとしているが、より高度な防犯対策をするには費用もかかるだろう。

エコバッグ万引きの対策は今後の課題だ。


Jタウンネット

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