コスパ最強の鰻屋『うな正』(神田)で、一番人気の「うな丼ダブル」を食べてきた
2020年7月29日(水)10時50分 食楽web
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先日、東京・神田駅前にある『うな正』という鰻屋さんの前を通りかかりました。その日は、まさに梅雨の晴れ間で、太陽がカンカン照り。男性会社員たちは暑い暑いと汗を拭きつつ、その店にどんどん吸い込まれていきます。
それもそのはず。店先には涼しげなすだれの上にサンプルが並べてあり、「うな丼」がなんと990円。「うな重」だって1370円〜。さらに、「うな丼ダブル」(1880円)は、「ごはんの中に、もう1枚」という殺し文句が。鰻専門店にもかかわらず、とにかく破格値なのです。
しかもお店は、まるで牛丼チェーン店のように気軽な雰囲気。これは間違いなく近隣の会社員に愛されている店に違いない、と確信しました。
さて、筆者が注目したのは「うな丼ダブル」です。通常のうな丼は、ご飯の上に蒲焼がのっていますが、その蒲焼の下のご飯の中に、さらにもう1枚蒲焼が潜んでいる、というのがこの“ダブル”の意味です。もう一度言いますが、ご飯の中にうなぎが隠れているんです。これは、ガッキーの中にもう1人ガッキーがいたとか、石原さとみの後ろにもう1人石原さとみがいたとか、そんなレベルの興奮度合いではないでしょうか。ともあれ、実際に「うな丼ダブル」を食べてみることにします。
魅惑の「うな丼ダブル」の旨さにノックアウト!
「うな丼ダブル」1880円
入店し、「うな丼ダブル」を注文してみると、すぐさま肝吸いとお新香が供され、さらに数分で丼も到着しました。早い、早すぎる……! これまたチェーン系牛丼屋さん並みのスピード感です。とはいえ、手抜きしているわけではありません。毎日、ご主人が静岡から直送された国産うなぎをさばき、背開きにして白焼きにし、さらに蒸してから再び焼くと言う、いわゆる“関東風”の職人技をしっかりほどこした蒲焼なんです。
「うな重」(梅)1370円
「うな丼ダブル」の上から、まず蒲焼きを食べてみると、プリッと肉厚でふんわり柔らかく、タレは甘さ控えめ。うなぎの脂もくどさは皆無。ご飯も粒感がしっかりしていて、キリッとしたタレがほどよく馴染みます。このように普通にうな丼として食べているうちに、下からもう1枚の蒲焼が顔を出しました。
食べ進むと下から登場するもう1枚の蒲焼
このもう1枚の蒲焼に到達する頃には、当初は整地されていたご飯が、けっこう乱れて荒れ地状態になっています。どう食べようかと考えて、いいことを思いつきました。2枚目の蒲焼は箸でほぐし、ご飯と混ぜ合わせて食べてみたらどうかと。そう、名古屋名物・ひつまぶし状態にするわけです。うまい具合に卓上には “うなぎのタレ”が置いてあります。そこで、うなぎとご飯を混ぜ合わせた後、丼全体にこのタレをかけて食べてみました。予想通り、これ、最高に旨いです!
通常、うな重やうな丼は、蒲焼とご飯の量の塩梅を見つつ食べ進むのが常道。試合の組み立てをおろそかにして無闇に突っ走ると、最後にご飯だけが残ってしまったりする悲劇に見舞われがちです。しかし、この「うな丼ダブル」は、最初はうな丼として、最後はひつまぶしとして食べることができます。つまり、蒲焼が2枚入っているだけでなく、食べ方・楽しみ方も2倍なのです。
さて、今年は土用丑の日も2日あり、こちらもダブル。ぜひ、『うな正』の「うな丼ダブル」で鰻を満喫してみてください。
(撮影・文◎土原亜子)
●SHOP INFO
店名:うな正
住:東京都千代田区内神田3-11-1
TEL:03-3256-9288
営:10:30〜14:00、15:00〜21:00 土10:30〜14:00
休:日・祝
http://unasho.jp