殺人的な暑さの今夏、エアコンが壊れた時に作家のとった行動

8月3日(金)16時0分 NEWSポストセブン

クーラーから水が出てきたらどうする?

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 散歩ばかりしているという作家で劇団「鉄割アルバトロスケット」主宰の作家・戌井昭人氏による週刊ポスト連載「なにか落ちてる」より、記録的猛暑の中、クーラーが壊れたときに得た知見についてお届けする。


 * * *

 クーラーつけてますか?


「わたしはクーラーが苦手だよ」などと言ってられない世の中になってしまいました。クーラーがないと生死に関わる問題にもなります。自分は汗っかきなうえ、汗をかくのが好きなので、以前、昼間は、部屋のクーラーをつけないで、汗まみれになったら水を浴びるということを繰り返し、夕方になったらクーラーで部屋をキンキンに冷やして「ああ極楽!」といったことを楽しんでいました。


 しかし今年の夏は、そんなことをやっている場合ではありません。クーラーをつけないと身体がだるくなり、頭もポカーンとしてきます。とにかく家でこんなことやらず、とっととサウナ風呂に行けばいいのですが。


 先日、この殺人的な夏の中、クーラーが壊れました。本体から水がジャバジャバ出てきたのです。そのクーラーがあるのは二階の寝室で、朝起きると、壁と床が水浸しになっていました。


 原因は汚れかと思い、掃除をしてみたものの、直りません。それでも部屋は冷えるし、クーラーをつけないと眠れないので、吸水性が良い、ペットのトイレシートを買ってきて、床に敷いたり壁に貼ったりして、その場をしのぎ、電気屋さんに連絡をしたのですが、この時期、忙しくて来てもらえるのは数日後。その後も、ペットシートで吸水していたものの、壁紙がフニャフニャになり、ヤバくなってきたので、二階を使うのをやめて、居間に布団を持ち込んで寝ていたのです。



 そんなこんなで、いつものように朝、ボクシングジムに行くと、会長の実家が空調設備屋さんだったというのを思い出し、相談してみると、「外の排水パイプにゴミか何か詰まっているんじゃないかな、それで水が逆流しているのかも、パイプを口で吸ったら直るかもしれないよ」と言われ、家に戻り、早速、屋根にのぼって、排水パイプに口をつけて吸ってみたら、やはり何か詰まってる模様、思いっきり吸い込んだら、スポンと何かが抜けて口の中に入ってきた。


 ゴミかと思って、「ペッ」と吐き出したら、緑色のコガネムシでした。知り合いに、この話をしたら、その人の家も同じようなことがあって、電気屋さんを呼んだら、ゴキブリが詰まっていたそうです。


 今回は自分で解決できたものの、もし電気屋さんが来ていたら、結構な散財になっていただろうから、みなさまもクーラーの水漏れがはじまったら、とりあえずパイプを吸い込んでみると良いです。吉と出るか凶と出るか、吸い込んでみないとわかりませんが、わたしはコガネムシだったので吉だったのでしょう。


●いぬい・あきと/1971年東京都生まれ。作家。「鉄割アルバトロスケット」主宰。2008年小説家デビュー。『ひっ』『ぴんぞろ』『まずいスープ』『どろにやいと』が芥川賞候補に。『すっぽん心中』で川端賞受賞。著作『俳優・亀岡拓次』が映画化。現在DVDが発売中。『のろい男 俳優・亀岡拓次』で野間文芸新人賞受賞。近刊に『ゼンマイ』(集英社)。散歩ばかりしている。


※週刊ポスト2018年8月10日号

NEWSポストセブン

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