専門店で初めて知った「オイルランプの正しい使い方」多くの人が “アレ” を出し過ぎているらしい…!?
2024年8月4日(日)12時0分 ロケットニュース24
オレンジ色にゆらめく淡い光、ちょっと手間がかかる操作、キャンプを愛する人であれば「オイルランタンはロマン」という点について 深くうなずいてくれるだろう。
ところが、である。オイルランプ専門店『江戸川屋ランプ』で話を聞いたところ、筆者は長年オイルランプの使用方法を間違えていたことを知ってしまった。
おそらく同様の誤解をしている人は多いため、正しい使い方を記録しておこう。
・オイルランプ専門店『江戸川屋ランプ』
こちらが『江戸川屋ランプ』。
他のアウトドア用品は置かずオイル(灯油)ランプだけを取り扱う専門店で、愛知県春日井市に店を構えている。
ちなみにオイルランプとは、灯油やパラフィンオイルを使用するタイプのランプのこと。ロウソクのように布製の芯に火をつけて使用する。
この日の筆者は「卓上ランプを買うぞ!」と心に決めて来店。一見すると店っていうより倉庫のような外観だったため、ドキドキしながら入店したところ……
店内には夢のような空間が広がっていた。
とにかく種類が豊富で、スタンドランプ・吊りランプ・ハリケーンランタン・カンテラ・壁掛けランプと、ありとあらゆる製品が店内に所狭しと並べられているではないか!
初めて見る光景に興奮が抑えきれず、店内をぐるぐる……何度も回っているうちにスタッフの方が声をかけてくれた。
「初めてのご来店ですか?」
見本のランプに火をともしてもらい、その中のひとつにガッツリと一目惚れ。
無事に購入することとなったのであった。
・ランプの芯は1mmしか出さない!?
記事の本題はここからである。筆者は既にハリケーンランタンという種類のオイルランプを所持しており、これまで使ってきた中でいくつか悩みを持っていた。
せっかく専門家がいるのだから、その内容をぶつけてみようじゃないか。まずは「オイルランタンを使っている時、特有の臭いがしてしまう」ということ。
これに対するスタッフさんの回答はこちら。
「おそらくお客さま(筆者)は、芯を出し過ぎているのではないでしょうか。というのも、多く方がオイルランプは芯を燃やすものだと誤解されていますが、実際には芯にしみ込んだオイルが気化したものを燃やしているんです。
そのため、芯を出す長さは1〜2mmほどで十分です。出し過ぎてしまうと芯が燃え、ススや臭いの原因となってしまいます」
1mmというと、卓上ランプ・ハリケーンランタンでは上の画像の通り。想像よりもずっと短いのがおわかりいただけるだろうか。
ついでに言うと、ハリケーンランタンの場合はホヤを降ろすとこんな感じだ。
芯がドーム(中央の半球状のパーツ)の中にすっぽり収まっている。
「芯を頻繁に取り換えるという方は、間違いなく出し過ぎです。正しく使用すれば、芯は数年に1回しか交換する必要がないんですよ」
思い返してみると、筆者はハリケーンランタンの購入からわずか半年ほどで芯を交換している。アレって出し過ぎだったんだな……。
さらに、スタッフさんはこう続けた。
「芯を出さなきゃ暗いと感じるかもしれませんが、あれこそが正しいオイルランプの明るさなんです。
ひとつ変えるとすれば、パラフィンオイルではなく灯油を使用するのがおすすめです。灯油はパラフィンオイルよりも引火点(火を近付けた時に燃焼が始まる最低温度)が低いので、炎が大きく、より明るくなりますよ」
後日、実際にパラフィンオイルを使用してランタンを点けてみた。
なるほど。卓上ランプもハリケーンランタンも想像以上に暗い。物足りないような気もするが、この儚さを楽しむのが乙ってもんなのだろう。
もちろん、以前まで感じていた臭いはしなくなったぞ!
・火は吹き消すのがベスト
続いて質問したのが「火を消す時って、芯を引っ込めたらいいんですか?」
スタッフさんの回答は、
「芯を引っ込めるのも悪くはないのですが、誤って引っ込め過ぎた場合に芯が燃料タンクの中へ落ちてしまい、戻すのに手間がかかります。
私のおすすめは、ロウソクのように火を吹き消すこと。卓上ランプの場合は下部の空気穴から息を吹き込んでください」
「ハリケーンランタンの場合は、ホヤを上げて横から吹き消してください」
おぉっ、すごい! 実際に試してみるとどちらも1発で火を消すことができたぞ!!
・奥深いランタンの世界
──以上がランタン専門店『江戸川屋ランプ』にて知ったオイルランプに関する正しい知識である。特に芯の長さに関してはweb上のハウツー記事に間違って書かれていることがあり、誤解している方も多いはず。
ぜひ筆者とともに知識をアップデートして、ゆらめくロマンに身をゆだねようじゃないか!
オイルランプのさらに詳しい使い方に関しては、江戸川屋ランプの公式YouTubeチャンネルにアップされている。
初めて使う方はもちろん、ずっと使ってきた方でもきっと新しい発見があるハズ。是非一度チェックをしてみてほしい!
参考リンク:江戸川屋ランプ
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.
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