氷川きよし、堂本剛、人気アーティストの新たな表現領域

8月7日(金)6時0分 婦人公論.jp


《Papillon(パピヨン)−ボヘミアン・ラプソディ−》氷川きよし

氷川きよしが演歌の枠を超えて「ありのまま」を表現


キャリアを重ねてきた人気アーティストが、自らの新たな表現領域を開拓している。今回はそんな意欲的な挑戦が形になった2作を紹介したい。

デビュー20周年を迎えた氷川きよしは、自身初のポップス・アルバム《Papillon(パピヨン)−ボヘミアン・ラプソディ−》をリリースした。本作は“演歌の貴公子”として長年親しまれてきた氷川が、初めてその殻を打ち破ったアルバム。

収録曲には2019年末の『NHK紅白歌合戦』でも披露していた、アニメ『ドラゴンボール超』主題歌の〈限界突破×サバイバー〉を筆頭に、GReeeeNによる書き下ろしの〈碧あおし〉、いきものがかり水野良樹が提供したバラード〈おもひぞら〉、湯川れい子が訳詞を提供したクイーンの名曲のカバー〈ボヘミアン・ラプソディ〉など、自由な発想の楽曲が並ぶ。

曲調も、ミュージカル調のタイトル曲〈Papillon〉、激しいギターサウンドを配したドラマティックなハードロックの〈不思議の国〉、躍動感あふれるダンスミュージックの〈キニシナイ〉、朗らかなカントリー調の〈笑っていこうぜ!〉などさまざまだ。

昨年、デビュー20周年を機に「新生・氷川きよし」を宣言し、「kii」名義でのインスタグラムなどでもジェンダーレスな発信を進めてきた氷川。演歌歌手としての様式美にとらわれることなく、メイクやファッションも含めて「自分のありのままを表現する」ことを追求してきた。新作はこうした意識の変化と深く結びついたアルバムと言えるだろう。一方で、アルバム発売後の7月にリリースされた新曲〈母〉は再び演歌の王道を行く一曲。単なる“脱・演歌”ではなく、この先はさまざまな音楽性を束縛なく自然体で体現する歌手の道を歩むことになりそうだ。

Papillon(パピヨン)−ボヘミアン・ラプソディ−
氷川きよし
コロムビア 2909円

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《LOVE FADERS》ENDRECHERI

KinKiKidsの堂本剛によるソロプロジェクトENDRECHERI(エンドリケリー)は、ニューアルバム《LOVE FADERS》をリリースした。

これまでさまざまな名義で作品を発表してきた彼だが、ENDRECHERIは2017年、シンガーソングライター活動15周年の節目に立ちあげたプロジェクト。その音楽性は彼が愛するファンク・ミュージックだ。

なかでも大きな影響を受けているのはジョージ・クリントン率いるPファンク。グルーヴ感たっぷりのリズム、うねるベースライン、シンプルなフレーズを繰り返すなかでどんどん興奮の熱量を上げていくタイプの楽曲が並ぶ。

ほかにも、プリンスやスライ&ザ・ファミリー・ストーンなど数々のファンクの大物を彷彿とさせるような音楽性を追求している。歌のあり方も独特だ。メロディを歌い上げるというよりも、リズムに乗せてフレーズを反復していくタイプの歌が中心。〈CREPE〉や〈Butter〉のように食べ物をモチーフにした楽曲など、ユーモラスな描写も繰り広げられる。

一方、KinKiKidsは、故ジャニー喜多川氏に名付けられた幻のユニット名をタイトルにした新曲〈KANZAIBOYA(カンサイボーヤ)〉をリリース。

こちらも堂本剛作詞作曲による本格ファンクナンバーで、彼のソングライターとしての才能が、ソロワークの枠組みを超えKinKiKidsでも存分に発揮されていることがうかがえる。

近年ではENDRECHERIはサマーソニックなどのフェスにも出演し、そのパワフルな演奏と堂に入ったパフォーマンスで同業のミュージシャンや若いロックファンの間にも支持を広げている。この先もさらに幅広い音楽表現が広がっていきそうだ。

LOVE FADERS
ENDRECHERI
ジャニーズエンターテイメント 3200円

婦人公論.jp

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