手足口病、過去10年で最多

2019年8月7日(水)12時45分 リセマム

手足口病の定点あたり報告数の推移(2009年~2019年)

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乳幼児を中心に夏季に流行する「手足口病」の患者数が、2019年7月22日から28日までの1週間で、1つの医療機関あたり13.42人と過去10年で最多となったことが、国立感染症研究所が2019年8月6日に発表した調査結果より明らかになった。

 全国約3,000か所の小児科定点医療機関からの感染症発生動向調査によると、手足口病の定点あたり報告数は、第19週(5月6日〜12日)以降、第28週(7月8日〜14日)にかけて継続して増加。第29週(7月15日〜21日)は微減したが、第30週(7月22日〜28日)は13.42人と過去10年間でもっとも多い。

 都道府県別にみると、第19〜24週までは、定点あたり報告数上位3位の都道府県はすべて九州地方だった。しかし、第30週は「宮城県」が31.31人ともっとも多く、「山形県」29.28人、「群馬県」26.41人、「埼玉県」25.39人、「新潟県」22.51人などが続いた。

 年齢群別にみると、第20〜29週(累積報告数18万2,851例)では、男女共に「1歳」39.2%、「2歳」21.4%が大半を占めた。2018年同時期と比較すると1歳の割合が増加した。性別は男児が55%とやや多かった

 手足口病は、手や足、口の中などに水疱性の発疹が出る、ウイルスの感染によって起こる感染症。感染してから3〜5日後に、口の中、手のひら、足底や足背などに2〜3mmの水疱性発疹が出る。基本的には数日のうちに治癒するが、まれに髄膜炎や小脳失調症、脳炎などの中枢神経系の合併症などを引き起こすことがある。手足口病は特効薬や特別な治療法はなく、対症療法が行われる。予防策としては、手洗いと排泄物の適正な処理、タオルの共用を避けることがあげられる。

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