「旅先の小学校で遊んでたら、地元ヤンキーが『なにしてんの?』。ロングセーラーのお姉さんに目線を合わせられ...」(神奈川県・40代女性)
2022年8月10日(水)11時0分 Jタウンネット
シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:Mさん(神奈川県・40代女性)
Mさんは小学校低学年の頃、休日になると家族で親戚のいる山梨に行くことが多かった。
そんなある日、従姉妹と一緒に小学校のグラウンドでバドミントンをしていると、地元のヤンキーがやってきて......。
<Mさんの体験談>
私が小学校1〜2年生の頃、土日を利用して母方の親戚がいる山梨県に家族で泊まりに行くことがよくありました。山梨には同い年の従姉妹がいて、その子と一緒に絵を描いたり、畑に行ったり、遊んだ思い出がたくさんあります。
あれは冬も近くなった頃のこと。いつものように泊まりにいった時、親戚の家は「あんぽ柿」作りで、両親も含めて大人たちはみんな忙しそうでした。
そこで、私と従姉妹はお昼ご飯を食べた後、2人でバドミントンセットとクッキーの箱を持って、従姉妹が通う小学校へ。初めて行く場所で、「遠いなあ」と思ったのを覚えています。
長めのスカート、立ち上がった前髪...
しばらく2人でバドミントンをしてると、高校生らしきセーラー服を着たお姉さんたちが近づいてきました。
お姉さんたちは、いわゆるヤンキー。かつての工藤静香さんのような、立ち上がった前髪に長めのスカートという出で立ちで、私は「怒られるのかな?」と一瞬思いました。
でも、お姉さんたちは目線を合わせて、「何してんの?」と優しく声をかけてくれたのです。
私も従姉妹も安心して「バドミントンしてる!」と元気に答えると、流れで一緒に遊ぶことに。強引に「クッキーあげる!」と言ったら笑いながら「ありがと〜」と食べてくれたり、下手くそな私たちに合わせてくれたり、お姉さんたちは楽しそうに笑いながら遊んでくれました。
気がつけばすっかり日が暮れていて、もう夕陽も沈みそうな時間。急いで帰らなきゃと焦る私たちに1人のお姉さんが「ちょっと待ってな」言って、と走ってどこへ行ってしまいました。
「すぐ帰らないと怒られるかもしれないのに......」と考えてシュンとしていると、走って消えたお姉さんは2台のバイクと2人のお兄さんと戻ってきたのです。
いきなりのことでポカンとしていると「このお兄ちゃんたちが送ってくれるよ!」とヘルメットを被せられ、私も従姉妹もお兄さんたちのバイクの後ろに乗せてもらい、暗い果樹園だらけの中を家まで送ってもらいました。
「じゃ、あいつについていけばわかるか!」と笑って...
途中、お兄さんに「家どこなの?」と聞かれたけど、遊びに来ていた私は道を知らず「わかんない!」と答えました。
するとお兄さんが「じゃ、あいつについていけばわかるか!」と笑って、従姉妹を乗せたバイクの後をしっかりついていったのをすごく覚えてます。
笑顔で「バイバーイ」と手を振ってくれたお姉さんたち、初めて被ったヘルメットの重さや顔に当たる冷たい風、颯爽と私たちを送り届けて帰してくれたお兄さんたち......。ずっと忘れられない思い出です。
今はきっと50代くらいでしょうか。粋でかっこいいヤンキーだったお姉さんとお兄さんたち、たくさん遊んでくれて親切にしてくれて本当にありがとうございました。
「忘れられない旅先での思い出」教えて!
Jタウンネットでは読者の皆さんが経験した「旅先いい話」を募集している
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、旅行した時期・場所、具体的な内容(旅行でどんなことがあったか、500文字程度〜)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)