「毎日のように来てくれた母や祖母が面会に来なかった雪の日。入院中の幼い私はナースステーションに呼ばれて...」(東京都・60代男性)

2023年8月11日(金)11時0分 Jタウンネット

シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:Sさん(東京都・60代男性)

50年以上前、幼稚園児だったSさんは検査のため、病院に入院することになった。

ある日、母親が面会に来られないほどの雪が降る中「ナースステーションに来てください」と放送で呼び出されて......。

<Sさんの体験談>

今から50年以上前、幼稚園児だった私は都内の総合病院に入院していました。

入院目的は今となっては分からないのですが、おそらく何かの検査入院だったと思います。

ある朝、外は銀世界に

小児病棟の大部屋の窓際のベッドでした。母や祖母は毎日のように面会に来てくれていましたし、同室の患児と仲良くなり、遊んだりすることもありましたが、夜は寂しくなってベッドの中で涙を流すこともありました。

ある朝、目が覚めると窓の外は銀世界。降り続く雪のためか、その日は誰も面会に来てくれません。

窓から雪を眺めていると、病室のスピーカーから「S君、ナースステーションに来てください」と放送が入りました。

ナースステーションに行ってみると、洗面器を手にした一人の看護師さんがいました。

「おいで」と言われ、一緒にエレベーターへ。着いたのは屋上でした。

雪で遊んで一緒に小さな雪だるまを作り、洗面器に入れて病室の窓際に置いてくれました。

その後、特に異常はなかったのか、私は無事退院しました。

あの時の幼稚園児は成長し、医師となり30年ほどの時を過ごしました。医療に携わる中、時に触れあの時の看護師さんの優しさを思い返しています。

少しでも「患者さんに優しいお医者さん」と思われているとすれば、それはあの時のあなたのおかげです。ありがとうございました。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

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(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)

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