安定を求める彼氏、変化を楽しむ私...男女のすれ違いはなぜ起こるのか?【りょかち×林伸次】

8月13日(月)11時0分 Rettyグルメニュース

「美しい別れ方を教えてください」


渋谷にあるワインバー「bar bossa」の店主、林伸次さんは男性客からそんな質問をされることがよくあります。








別れ方に美しいか、そうじゃないか、なんてあるのでしょうか。そもそも、美しい別れなんてできるのでしょうか。


7月に『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』(幻冬舎)を上梓した林さんと、IT企業に勤めながら数々の媒体へ寄稿しているコラムニスト、りょかちさんが「恋の終わり」について対談します。








(恋の始まりについて対談した前編はこちら)


終わった恋愛も私のどこかに残ってる


りょかちさん(以下、りょかち):さっきから言おう言おうと思ってたんですけど、『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』って、すごいタイトルですよね。


林伸次さん(以下、林):これ、僕じゃなくて、編集担当の加藤貞顕さんが付けてくれたんですよ(笑)。僕も加藤さんも、もうひとりの担当・竹村優子さんも、3人とも40代なんです。


「恋って絶対消えていくよね」「続く恋なんてないよね」「恋っていつか消えるよね」って3人でいろいろ話してて、このタイトルになりました。








りょかち:私の世代というか、私個人としてはそれを信じたくないところがあって(笑)。「なにげなく終わる」って言っちゃうと、積み重ねてきた恋がすっと消えてなくなる感じがします。私の場合、恋が終わったとしても消えないというか、私のどこかに残ってるんです。


林:過去の恋が自分の一部になっている、ということですかね。


りょかち:私、好きな人の好きなものを知るのが楽しいんです。たとえば、彼に好きな音楽を教えてもらったら、それを勉強するタイプ(笑)。別れたあとは、その人のことを好きな気持ちは薄れるけど、「その音楽を好きな自分」のことはずっと好きなんです。


林:それもまた美しいですね。


りょかち:今すごくサッカーが好きなんですけど、それは昔の彼がサッカー好きだったから。バーに行くようになったのも、就職で上京して好きになった人が教えてくれたから。


好きな人から教わったことで、自分自身が構成されている感覚なんです。だから『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』って、大人だなぁと思ったんですよね(笑)。


林:りょかちモテるぞ〜(笑)。ここまで話してきて、素がモテる人だなと感じました。


りょかち:モテないですよ(笑)。


林:別れるときは、どちらから切り出すんですか?


りょかち:私からですね。別れの瞬間が、あまり特別な思い出にならないようにエリアやお店も普段行かないところを選んで、対面で伝えるのが自分のルールです。


本にも書かれている「恋愛の春夏秋冬」でいくと、恋が燃え上がる「夏」のあとにやってくる、恋愛感情が落ち着く「秋」が一番好きで楽しんでるんですけど、「冬」が来そうだなと思うと急に怖くなる。それなら秋の間に恋愛を終わらせたい、って思うんです。


林:男性にとっては青天の霹靂じゃないですか。


りょかち:毎回、「え、今?なんで?」って言われます(笑)。ただ、誠意を持って説明します。今こういう状況で、3カ月後にはこうなりそうだから……みたいに伝えます。


友達なら許せるけど、彼氏だと許せないこと


林:「秋」の間に別れるということですけど、「この恋、終わらせよう」と決める具体的な瞬間はあるんですか?


りょかち:ニーズが合わない、と思ったときですね。


林:ニーズ?


りょかち:恋人に求める役割ですね。恋人に満たして欲しいと思うニーズ。例えば、友達なら全然許せるけど、彼氏だと許せないこともあるんです。たとえば、食事デートでいうと、予約するまでが大事だと思ってて。








りょかち:予約前に連絡の行き来があまりにも多いと、あまりスマートじゃないですよね。そもそもお店を予約していなくて、会ってから入れるお店を探すために長時間歩き回るとか、そういうのを彼氏にされると、「気楽に付き合える友達としては良いけど、デートへの熱量が違う人なのかなあ」と感じるかも。


どれだけ相手に任せて、どれだけ自分が決めるか、みたいな相性が合わないと、恋愛を続けていくのは難しい気がします。


林:そのあたり、学生時代からアップデートされてない男性っていますよね。


編集:高いヒールを履いている女性を歩き回らせたり、初デートなのにファミレスに入ったり……ファミレスも普通に美味しくて居心地いいですけど、まだ出会ったばかりのデートでどうしてここを選んじゃった? もっと他に選択肢なかった? みたいな事例を聞くことはあります。


りょかち:私、8月で26歳になったんですけど、恋人になる男性にはいろんなことを教えてほしいっていう欲求が大きい気がします。知的好奇心が強いほうなので、知らないことを教わりたいというか。


林:そうなると、恋愛対象は年上になりやすいかもしれないですね。僕の妻は8歳年上で、だいぶ教育されてきました。飲食店を選ぶセンスもなかったので、すごく教えられましたし、鍛えられました。


「刺身を食べるとき、醤油のなかにわさび溶かすんじゃないっ!」とか、叱られたことも数しれずです(笑)。弟キャラだから、素直に吸収することばかりでした。


りょかち:女性は年上の男性にいろいろなところへ連れて行ってもらえる機会が多いですけど、男性は林さんみたいに年上女性 × 年下男性のカップルで、しかも女性がいろいろ教えたいというタイプじゃない限り、なかなかそんな機会はないですよね。


だからほとんどの場合は、自分で勉強したり、何度か失敗を経ないといけないっていう。大変だ……。


人生のフェーズが合わないとき、恋はすれ違う


林:そう考えると、出会うタイミングってかなり大事なんでしょうね。今は年上の男性に教えてもらいたいときだけど、いつかりょかちさんがもっと大人になったら、年下の男性に教えてあげたいときがくるかも。


りょかち:そうですね。お互いの人生のフェーズが合ってないな、ってときに恋が終わることが多いです。昔の恋人たちともそうでした。


相手が社会人生活に慣れて、安定を求めていたのに対し、私はまだまだ新米で変化を楽しんでいて、お互いの恋愛の優先順位が合わなくて、次第に生活が合わなくなって、話している内容もどんどん合わなくなっていて…。


学生から社会人になると、どんどん価値観も変わるし、生き方が変わるスピードが合わないと、好意があっても一緒にいるのが窮屈になったりする。








林:学生時代と就職してからの価値観って変わりますよね。僕は最近、学生時代の恋人と就職前に結婚する手もあるよ、と各所で推奨しています(笑)。


そういうカップルって結婚後もうまくいっている傾向が強いんですよね。社会人になると相手のスペックをチェックしがちですが、学生時代だと純粋に恋愛して、素の相手を好きになっているでしょう。


りょかち:それはありますね。だからこそ、林さんの本には夢が詰まってるなって思います。この本にはそういう、スペックとか関係ない、人間と人間同士の恋愛が詰まっているから。


本当はスペックだけじゃないですよね、恋愛として面白い部分や切ない部分って。私たち社会人女子はすぐにスペックの話ばかりしちゃうけど(笑)。ぜひ若い人にこそ読んでほしいです。


私がこの本を勧めた友達と、先日感想を語り合ったんですよ。その子は「私は春はいらない」って言っていましたが(笑)。


林:お友達にまで広めてくれて、ありがとうございます。恋愛の「春」だけが好きな人っているんですよ。デートは楽しむんですけど、いざ相手の男性から好意を示されると、「そんな気はないです」みたいにかわしちゃう(笑)。


りょかち:いわゆる小悪魔系ですね(笑)。私は恋愛の「秋」が好きだし、ほんとに人それぞれ。この本では恋の春から冬までいくつもの物語があるので、きっと各々が共感できますよね。今日はお話ありがとうございました、楽しかったです!


林:こちらこそ。またお店にも立ち寄ってくださいね。


(完)

 








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【内容紹介】

人はなぜバーテンダーに恋の話をするのだろう?cakesスタート以来、常に人気ナンバー1の恋愛エッセイの名手にして、渋谷のバー店主が綴るカウンターの向こうのラブストーリー




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お話を伺った人




林伸次
林伸次


1969年生まれ、徳島県出身。渋谷のワインバー「bar bossa(バールボッサ)」店主。著書多数。最新刊は『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』(幻冬舎)。




お話を伺った人




りょかち
りょかち


1992年、京都府生まれ。「自撮り女子」として有名に。IT企業勤務。著書に『インカメ越しのネット社会』(幻冬舎)がある。



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