51歳子ども2人は独立。貯金320万円で年金対策もしていますが、このままで大丈夫?

8月16日(金)22時20分 All About

シングルマザーとして2人の子どもを育て上げ、自分の老後のお金について悩む会社員女性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

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個人年金やつみたてNISAなど、自分なりに年金対策もしています

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。今回の相談者は、シングルマザーとして2人の子どもを育て上げ、自分の老後のお金について悩む会社員女性。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

相談者

白いことりさん(仮名)
女性/会社員/51歳
九州/借家

家族構成

子ども2人は独立(最近、次男も独立したばかり)

相談内容

老後資金の貯め方について、このままで大丈夫でしょうか? 息子2人が幼少期に離婚し、シングルで育ててきましたが、それぞれ社会人になって子育てが終わりました。

私の仕事は事務で勤続17年、社長と2人の小さな会社なので、高齢の社長次第で、いつ廃業になるかもわかりませんし、給料もボーナスも少なく退職金もありません。しかし、ここに決まるまでの就職活動に大変苦労し、年齢を考えると正社員というだけでありがたいのでクビになるまでは居座るつもりです。

現在の住居は市営住宅。私は長女なので、近い将来、実家に戻って親と同居し、家も継げる予定です。

ご相談したいのは、今の貯蓄ペースでいいのか。子育て中は全く老後に向けての貯金ができなかったので、息子たちの学資貯蓄にめどが立った頃から、ハイペースで貯めるように努めてきました。毎月の貯蓄金額4万円のうち、2万5000円が通常貯金、1万5000円はつみたてNISAです。

貯金総額297万円のうち、221万円が銀行への預金、残りは3年前から始めた個人年金の積み立て額です。個人年金の掛け金は、ボーナスと、毎月の光熱費や通信料などをやりくりして捻出した金額を合わせて年払いにしています。

投資19万円は、昨年夏から始めたつみたてNISAの評価額です。給料が入ると、食費と雑費だけ下ろし予算内でやりくりをし、余った分は貯めておいて、年に数回の趣味の一人旅を楽しんでいます。

今の生活にはとても満足していますが、世間でいわれる年金支給額があてにならないことや、副業推進の風潮に不安になってしまいます。

私は元来、心配性なのと子どもたちに迷惑をかけたくない一心で、医療保険やガン保険にも2つずつ入り、子どもたちが社会人になった今でも、自分の万が一のときに、少しでもたくさん遺してやれればと生命保険にも死亡保障1000万円分を2口入っています(それらの保険料の合計が月約1万8000円です)。

本来なら、そこがムダで削りどころなのでしょうが、健康で払えるうちは続けて、年齢とともに保険料も上がって払うのが困難になったりしそうです。

個人年金やつみたてNISAなど、自分なりに年金対策もしているつもりです。こういう考え方や今のやり方は間違っていますか? このままでも大丈夫ですか?


家計収支データ

相談者「白いことり」さんの家計収支データ

家計収支データ補足

(1)住宅コストの内訳
住宅コスト:1万3100円内訳
家賃:1万2000円
町費:500円
駐車場:600円(家族が来た時のため)

(2)通信費の内訳
Wi-Fiと固定電話:4900円
スマホ代:3890円
NHK:1260円

(3)雑費の内訳
食費以外の日用品、衣料、美容、医療費など、必要に応じての支出用

(4)ボーナスの使い道
ボーナスはすべて年払いの個人年金

(5)もらえる年金額について
ねんきん定期便によると、65歳からの受け取り見込み額は年間104万6821円とのこと。

(6)60歳以降の働き方
60歳以降はできればフルタイムでなく、パートで、体が動くうちは働き続けたい。

(7)加入保険について
・生命保険/10年定期:死亡時1000万円=毎月の保険料2375円
・生命共済/10年定期:死亡時1000万円=毎月の保険料2700円
・医療保険/10年定期:入院日額5000円=毎月の保険料1050円
・医療共済(県民共済)年齢に応じて変わる/病気死亡410万円、事故入院日額1万5000円、病気入院日額1万4500円=毎月の保険料5000円
・がん保険/終身、診断給付金100万円、通院1万円、入院0円、手術その他保障あり=毎月の保険料4800円
・がん共済(県民共済)年齢に応じて変わる/診断給付金100万円、入院1万円、通院5000円、手術その他保障あり=毎月の保険料2000円

※定期保険については、保険料が上がるタイミングで、続けるかどうか見直したいと思っている

・個人年金保険/60歳まで払い込み。65歳から10年間、年26万3300円受け取り。48歳から12年間払い、現在4年分払い込み済み=年払保険料19万2000円

(8)趣味の旅行の費用について
相談者コメント「趣味の一人旅は年に2回ほど国内旅行へ。子どもの会社の福利厚生で、一親等の私も飛行機が社員割引で大変安く乗せてもらえるので助かっています。宿やアクティビティは、アンケートサイトやクレジットカードでのポイントを貯めて活用し、できるだけ現金を使わなくて済むように工夫しています。旅費の現金は、月の食費、雑費を節約して毎月コツコツへそくりし、足りない分だけは貯金から下ろしています」

相談者から

シングルマザーで長いこと経済的に苦しい状況を乗り越えてきたので、節約生活にも慣れていますし、今の生活にはとても満足していますが、お聞きしたいことはズバリ「このような生活のままで、将来大丈夫か?」です。体力に自信がなく、副業のアルバイトなどは極力したくありません。老後も引き続き質素に暮らしたいと思っております。大変長くなり、申し訳ありません。どうぞよろしくお願いいたします。

FP深野康彦の3つのアドバイス

アドバイス1:家計管理はカンペキです。将来もこのままで大丈夫
アドバイス2:60歳まで貯蓄ペースを維持し、資産の取り崩しを遅らせること
アドバイス3:生命保険は全部解約か、または最低限の保障だけ残す

アドバイス1:家計管理はカンペキです。将来もこのままで大丈夫

2人のお子さまが小さいときから、シングルマザーで、よくここまで頑張ってこられました。家計管理も完璧で、アドバイスすることがないぐらいです。節約、倹約も楽しみながら、やりくりされている様子が窺え、本当に立派だと感心しました。

さらに、年に数回、旅行も楽しまれているとのこと。息子さんの勤務先の福利厚生が使えるというのも、言うことなしです。お子さま2人とも独立されたとのことですから、これからは、もっと自分の生活を楽しんでください。

現在の貯蓄額は、少し心もとないですが、次にご説明することで、解決できると思います。

アドバイス2:60歳まで貯蓄ペースを維持し、資産の取り崩しを遅らせること

白いことりさんの現在の貯蓄額は297万円ということですが、お子さまが独立されてから、ハイペースで毎月の貯蓄額を増やしているとのこと。

現在の収支を前提に試算すると、年間の収入が154万円。支出は約86万円。年間で約68万円の貯蓄が可能です(個人年金保険の保険料も貯蓄としてカウントします)。60歳までの9年間、今の会社で働いている間に、約910万円まで増やすことができます。

60歳以降、この910万円を取り崩すペースを少しでも遅くするようにしてください。

一つには、60歳以降は、パートでとご自身も書かれていますが、それでいいと思います。毎月8万円ぐらいの収入を得られれば、収支はトントンです。おそらく白いことりさんは、今の支出をキープできる力がありますから、毎月8万円を目安に働いてみてはいかがでしょうか。

もう一つは、60歳でご実家に帰られるようであれば、住宅関連費が浮きます。食費や水道光熱費の負担をどうされるかですが、浮いた住宅関連費程度は、実家に入れてもいいでしょう。親御さんと案分するとしても、今よりも、さらに支出を減らすことができるかもしれませんね。

いずれにして、白いことりさんの家計管理、生活スタイルであれば、60歳まで、もうひと頑張りして、1000万円弱の貯蓄があれば、老後の心配もないと思いますよ。

アドバイス3:生命保険は全部解約か、または最低限の保障だけ残す

生命保険、医療保険の入り方も、本当にお子さまのことを心配し、よく考えられた入り方だと思います。健康で払えるうちは払い、保険料が上がるタイミングで続けるか考えるとのことですね。

でも、もうお子さまは2人とも独立されているわけですから、少なくとも死亡保障の生命保険2つは、解約してもいいのではありませんか? 万一のときに、少しでも遺してあげたい、という愛情はわかりますが、ここまで一人で育ててこられた姿を、お子さまはずっと見てきているのです。もう十分だよ、とお子さまもおっしゃるのでは?

医療保険、ガン保険は、白いことりさんの気持ち次第ですが、病気死亡で410万円の保障がある、医療共済だけ残して、あとは解約してもいいと思います。そうすると、毎月1万3000円削れることになります。

ご本人も、「保険が削りどころ」とわかっていらっしゃいます。保険の解約は、なかなか踏ん切りがつかないかもしれませんが、お子さまが独立したのを機に、ぜひ見直しをしてください。節約ということではなく、もう不要になったということです。

最後に、最近の年金問題で、いろいろと不安を抱える方が増えていますが、白いことりさんは、このままで大丈夫です。現在、積み立てている個人年金、つみたてNISAで十分で、あえて副業したり、他の投資をする必要はありません。

65歳からは、公的年金と個人年金を合わせて130万円。今の支出額をキープしていけば、年金から貯蓄ができてしまうのですから。趣味の旅行も、もっと行けるようになるでしょうね。どうぞ、楽しんでください。

相談者「白いことり」さんから寄せられた感想

的確なアドバイスに、漠然とした不安がスッキリと払拭された気持ちです。アドバイス2については、今後、さらなる貯蓄増を含めて、しっかり意識しながら取り組んでいきます。

アドバイス3の「生命保険の解約」、これがまさに心配性の私にとっては、まるで命綱を断ち切るかのような難題なのですが、「やはりここだったか」という部分でもあります。「解約」を悲観的に捉えずに、前向きに一つ一つ整理していきたいと思います。

これまで将来に不安ばかり抱きながら、ただやみくもに、できる限りの貯金や投資で備えてはきましたが、収入の少ない私でさえ、もうひと頑張りすれば自分の老後までに1000万円達成も可能だとは今まで考えてもみませんでしたので、深野先生の試算によって現実的な目標や希望ができたのがとてもよかったです。

また、深野先生の「このままで大丈夫」をはじめ、温かなお言葉の数々に、涙が出るほど嬉しく、安堵しました。心から感謝いたします。

いつも「世の中のシングルマザーは、老後資金はどうやって備えているんだろう」と考えながら、手探りのままやってきました。母子家庭で頑張っている、似たような収入の方々にとっても、この相談がご参考になると幸いです。

教えてくれたのは……深野 康彦さん

マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。

取材・文:伊藤加奈子
(文:あるじゃん 編集部)

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