肉屋の執念! 恵比寿『ブラッカウズ』のハンバーガーが完璧に旨い理由

2019年8月17日(土)12時0分 食楽web


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 美味しいハンバーガーが食べたい。しかし、今や東京にはグルメバーガーショップはゴマンとあり、どこに行けばよいのか迷う人も多いのではないでしょうか。

 そういう時は、どんなタイプのバーガーが食べたいのかまずはイメージしてみるのが良い気がします。例えば、

1)分厚くて肉の旨みがあるパティ
2)パティの肉汁を受け止める食感の良いバンズ
3)肉の美味しさを引き立てるソース

 これらの条件が満たされ、口の中で3つの旨みが広がる。想像しただけで喉が鳴る理想的なハンバーガーではないでしょうか? しかしこれらの条件を完全に満たすバーガーはなかなかありません。どれか一つが突出し過ぎていたり、あるいは少し物足りなかったりすることが往々にしてあるからです。

 しかし、恵比寿の『ブラッカウズ』には、この3つの条件を完璧に満たすバーガーがあります。恵比寿といえば、大人が集まる東京屈指のグルメタウンですが、この界隈のハンバーガーではNo.1と評されているすごい店なんです。そのブラッカウズが、この8月16日にさらにパワーアップしたと聞き、取材してきました。


恵比寿駅から徒歩5分

極上のハンバーガーはいかにして生まれたか?

『ブラッカウズ』は、精肉卸「ヤザワミート」の直営店。パティは最高ランクの黒毛和牛100%。注文が入ってから、溶岩石を使ったハースグリラーで焼き上げます。このグリルで焼くことによって、輻射熱で包み込むように黒毛和牛に熱が入るので、外は香ばしく、中はジューシーなパティに仕上がります。そして、バンズは『メゾンカイザー』と共同開発したオリジナル。そして野菜の旨みをぎゅっと凝縮したオリジナルのBBQソースや自家製のタルタルソース…といった具合に文句のつけようがない完璧なハンバーガーなんです。

 最高級の和牛を使ったハンバーガーなら美味しいに決まってるよね、と思うかもしれませんが、実はそれだけではないのが『ブラッカウズ』のスゴさなんです。このバーガーが出来上がるまでの経緯を知ると、それがわかります。


パティはハンバーグより少しだけ粗挽きにしているそう

「ヤザワミート」直営店といえば有名なのが、五反田の『ミート矢澤』。黒毛和牛100%のハンバーグが名物で、日本一長蛇の列ができるハンバーグ&ステーキ専門店として知られています。その『ミート矢澤』の従業員たちが賄いにハンバーグをパンに挟んで食べていたのが、『ブラッカウズ』誕生のきっかけ。

 “美味しいハンバーグをバンズに挟めば美味しいハンバーガーになる”

 そう思って開発を始めたそうです。しかし、その着想から『ブラッカウズ』が誕生するまで、なんと1年以上かかったのだそう。

 その理由を店長の末森祥平さんに聞くと、
「最高級のパティ、そして最高級のバンズ、トッピングなど、積み重ねて試作したのですが、どうもまとまらない。突き詰めていくと、ハンバーガーはバランスが大事。だから、あれもダメ、これもダメと、何度も試作を繰り返すことになってしまったんです」


バンズは、「カイザー・トラディショナル」という特別な粉を使用した希少なもの。毎日、焼きたてが工場から運ばれてくる

 特に難しかったのはバンズ。既存のソフト系バンズは、肉汁やソースでビチョビチョになるし、ハード系だと食感が強すぎる。

 そこで、パンの名店『メゾンカイザー』に依頼し、オリジナルのバンズを開発したのだそう。出来上がったのは、「カイザー・トラディショナル」という特別な小麦粉を使用したバンズで、外側はカリッと香ばしく、中はふわっと柔らかい。そして小麦の風味がきちんとあって、ほどよい甘みもあります。


自家製のタルタルソース

 さらにソース。こちらは全国の他店を食べ歩いて研究した結果の力作。

「肉に野菜は非常に合います。ただ、フレッシュな野菜をバーガーの中に積み重ねると食べづらく、余計な水分が肉の邪魔をする場合もあります。それならば、十数種類のお野菜の旨味を溶け込ませたBBQソースがいいんじゃないか、ということで開発したんです。今回の店舗リニューアルにあたり、飴色にローストしたタマネギを加えて甘みを出し、フォンドボーも加えてより深みを出しました」

 また、黒毛和牛の甘い脂にぴったりと合う、酸味とコクのバランスの良いタルタルソースも開発し、ダブルソース方式を採用することに。こうして1年がかりで、ブラッカウズのバーガーの基本スタイルがようやく完成したのだそう。

絶対食べるべきバーガーはどれ?


「ベーコンチーズアボガドバーガー」2,100円。北海道産のフライドポテト(または国産野菜サラダ)、イタリア産最高級ピクルス付き

 聞けば聞くほど緻密に計算されたハンバーガーということがわかったところで、実際に『ブラッカウズ』を訪れ、メニューを開くと、バーガーにも様々な種類があります。どれにしたらいいのでしょう?

 そこで末森さんにイチオシを聞いてみたところ、即答で「ベーコンチーズアボカドバーガー」(2,100円)をお勧めしてくれました。


「ベーコンチーズアボガドバーガー」の断面

 そのバーガーの構造を下から上に向かって列挙すると、下記のようになります。
1)メゾンカイザーのバンズ
2)自家製タルタルソース
3)黒毛和牛100%のパティ
4)モントレージャックチーズ
5)自家製バーベキューソース
6)千葉県産なでしこポークのスモークベーコン
7)アボカド&アボカドオイル
8)自家製のコブドレッシング
9)メゾンカイザーのバンズ

 なんだか、ちょっとした高級レストランのコース料理のような組み立てのようにも聞こえますが、店は恵比寿らしい気軽でカジュアルな雰囲気。そして、スタッフこだわりのクラフトビールも揃っていて、黒毛和牛のローストビーフを始めとするおつまみも充実しているんです。

 まずは、完璧なバランスを追求した究極の「ベーコンチーズアボカドバーガー」を食べてみてください。感動します。そして、しばらく経つと禁断症状が出てきて、また食べに行きたくなりますよ。

(撮影・文◎土原亜子)

●SHOP INFO

店名:BLACOWS(ブラッカウズ)

住:東京都渋谷区恵比寿西2-11-9 東光ホワイトビル1F
TEL:03-3477-2914
営:11:30~16:00(15:00LO) 、18:00~23:00(22:00LO)
土日祝・11:30~16:00(15:00LO)、16:00~23:00(22:00LO)
休:火曜(12月31日〜1月2日休業)
http://www.kuroge-wagyu.com/bc/

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