なぜウクライナのコメディアン大統領は“演説も討論も”せず大統領になれたのか!? 世も末… ポピュリズムの悪夢!
2019年6月10日(月)12時0分 tocana
「人気」がすべての世の中になった。たとえ政治のシロウトであろうと、フォロワーさえいれば一国の元首になることも可能なのだ——。
■人気コメディアンが演説も討論もなく大統領に当選
今年4月20日、ウクライナに新しい大統領が誕生した。弱冠41歳のウォロディミル・ゼレンスキー氏は、お茶の間で人気の現役コメディー俳優だ。彼は勝利演説で具体的な政策に触れなかった代わりに「私は絶対、あなたたちを失望させない」と力強く“公約”した。
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ゼレンスキー氏はインターネット時代にふさわしくSNSでの拡散を当て込み、狙い通り勝ち進んでいったといえる。しかも、何も特別なことはしていない。TVのレギュラー番組に出演して、コメディーショーやバラエティで笑いを巻き起こすという今まで通りの生活に、YouTubeやインスタグラムの投稿を加えただけだ。
わずか4カ月の選挙運動中に、街頭演説はおろかマスコミからの執拗なインタビューも回避してきた。さらに、他の候補者とは投票日前日まで討議したこともなかったというのだから驚きだ。
つまり、有権者はメディアを通じたゼレンスキー氏の姿しか知らず、生身の大統領選候補者としての彼を目撃することは一度もなかったことになる。
ゼレンスキー氏は、政治の世界では完全にアマチュアで、2014年に就任した前大統領のペトロ・ポロシェンコ氏のような国家安全保障・国防会議メンバー、外相、貿易相などを歴任した人物に比べれば、その力量は未知数だ。
■ドラマで大統領役を熱演
しかし、政治家としてのキャリアはゼロでも、実はゼレンスキー氏、テレビ番組で大統領を演じた経験を持つ。
人気ドラマ『Servant of the People(国民の公僕)』では、大統領に上りつめた教師役を熱演していたのだ。腐敗した政界を激しい口調で糾弾するシーンが有名だという。
どうやら、有権者たちは現実と虚構があいまいになってしまい、ドラマのキャラクターに自分を重ね合わせたゼレンスキー氏の戦術にまんまと落ちてしまったらしい。まさにマルチメディアを駆使した劇場型というか、何だかリアリティー番組の様相を呈している。ちなみに、このドラマのタイトルをそのまま政党名に使い、立候補したというから実にあざとい。
カタカナ語で定着したポピュリズムは「大衆迎合主義」と訳されるそうだ。選挙戦になると、無知な大衆の感情に迎合して無責任な政策を打ち出す政治家は多く、過激発言が売りのトランプ大統領は、さしずめ筋金入りのポピュリストと呼べるだろう。
今回のウクライナの選挙結果は、紛争と経済的困窮に苦しむ同国で、ポロシェンコ政権に幻滅した有権者たちが、ゼレンスキー氏の型破りなパフォーマンスに抗し難い魅力を見いだしたということのようだ。
話題性ばかり取り沙汰される新大統領だが、現在も自身の「ウクライナ大統領」公式サイトで各国の要人たちと固く握手を交わす姿をアップし続けている。まるで望まれた役柄を粛々と演じているかのようで、シュールだ。大統領もコメディアンも人気稼業。節操のない口約束で市井の人々を煽るような“パペット”でないことだけは祈りたい。
(佐藤Kay)
※画像は、「Wikipedia」より引用
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