【検証】ハッピーターンの魔法の粉「ハッピーパウダー」は料理の調味料として使えるのか? 試してみた!

2022年8月20日(土)10時47分 食楽web


ハッピーターンの「ハッピーパウダー」は料理の調味料として使えるのだろうか? | 食楽web

「ハッピーターン」といえば、1976年に誕生したロングセラー洋風せんべい。ご存知のように、楕円形のせんべいに「ハッピーパウダー」という独特のオリジナル調味粉をまぶしてあるのが特徴で、この甘じょっぱくて旨みのある粉の味わいが人気のお菓子です。熱狂的なファンは、このパウダーのことを“魔法の粉”と呼ぶほど。

 ハッピーターンを製造販売するのはあの亀田製菓。これまで、ハッピーパウダーを通常より増加した「ハッピーターン250%パウダアアア!!」を出したり、ローソンとコラボした「からあげクン ハッピーターン味」、「Lチキ ハッピーターン味」のほか、「飲むハッピーターンオ・レ」や「マルちゃん ハッピーターン味焼そば」などの派生商品を続々と生み出しています。


ハッピーターンのパウダー増量バージョンやハッピーターン味の焼きそばなどが登場しています

 ちなみに、亀田製菓の社員食堂では、このハッピーパウダーを使った「スペイン風オムレツ」や「サケの衣焼き」などを出していたこともあったという話も。どうやらハッピーパウダーは万能調味料のようにも使えるようなのです。でも、本当に使えるんでしょうか。というわけで、実際にこの魔法の粉で料理を作ってみることにしました。

 ただし、残念なことに「ハッピーパウダー」だけを入手することは不可能。手に入れるとしたら、ハッピーターンから採取するしかありません。そんなわけで、まずはそこからスタートします。

地道な作業に心が折れかかる「ハッピーパウダー」の採取


ハケを使ってハッピーターンのパウダーを採取。地味にツラい作業です

 まずは近所のコンビニで「ハッピーターン250%パウダアアア!!」を購入。通常の2.5倍のパウダーをまとっているハッピーターンなら、粉の採取も効率的なハズ。自宅にあったハケを使用して、ハッピーターンのパウダーを払い落としていきます。


2袋からわずか大さじ2の貴重なハッピーパウダーが採取できました!

 しかし、1個から採取できる量はわずか。途中、「いったい自分は何をしているんだろう?」という虚無的な気持ちになりかけたりもしましたが、どうにかこうにか、40分ほどかけて2袋のハッピーターンから約大さじ1の貴重なハッピーパウダーを採取することに成功しました。もはや砂金です。ちょっと舐めてみると、ハッピーターンの味がぎゅぎゅっと濃縮された非常に濃い味がします。これは使えそうだ!

 さて、採取した貴重な粉を使ってまず作るのは、シンプルに「卵焼き」です。


パルメザンチーズのようにも見えますが違います。これは人を幸せにするハッピーパウダー

 ボウルに2個の卵を溶いて、ハッピーパウダーを小さじ1/2入れ、この段階で味見をしてみます。しかし、卵に対してパウダーが少量すぎたのか、まったくハッピー味がわかりません。そこでもう小さじ1/2を追加投入。すると、そこはかとなく甘じょっぱい味がしてきたので、いざ焼いてみます。


厚焼き卵ハッピーパウダー味。粉の量が少なかったので追いがけしてみたらグッと美味しくなりました

 “厚焼き卵ハッピーパウダー味”の完成です。食べてみると、ハッピーターン味というよりは、普通の甘いだし巻き卵のような味。ただ、出汁も砂糖も醤油も塩も入れていないのに、けっこう旨みを感じます。ただし、いかんせんハッピー味が弱い。そこで、卵焼きの上からハッピーパウダーをかけてみると、あの独特の甘じょっぱい味がガツンと来ました。これはかなりイケます。

 実は筆者は甘い卵焼きはあまり好みではありません。しかしハッピーパウダーの味は、甘味と塩味が共存しているので、最初は甘く感じてもしょっぱさが後追いしてきて、旨みもしっかり感じられるので、かなり美味しいです!

 続いては、ご飯にハッピーパウダーを混ぜておにぎりを作ってみます。ドン引きするなかれ。今回のハッピーパウダーはあくまで調味料。塩やごま塩のように、シンプルにハッピーパウダーが調味料としてご飯に合うかを試そうというわけです。まさに“塩むすび”ならぬ“ハッピーパウダーむすび”ですね。

ハッピーパウダーむすびは美味しいのか?


パウダーの量が足りなくなってしまった…

 しかし、ここで問題が起きました。賢明な方はお気づきだと思いますが、先ほどの卵焼きにハッピーパウダー追いがけしたせいで、40分もかけて振り落としたパウダーがほぼなくなってしまったのです。またイチから採取しなくてはいけません。しかし、ハッピーターンから粉を振り落として粉を採取する作業は、何度も言うようにかなり手間がかかり、なおかつ入手できるのはほんのわずか。

 すでに手が腱鞘炎になりそうなほど痛かったので、少し方向性を変えて、ハッピーターンごとすり鉢で砕いて粉にして使うことにします。名付けて「ハッピーターンふりかけ」です。


すり鉢でハッピーターンを粉々にして「ハッピーターンふりかけ」を作成

 この “ハッピーターンふりかけ”をご飯に混ぜて握ります。できあがったハッピーターンむすび。食べてみると…なるほど、まぁまぁ美味しい。しかし先ほどの卵焼きと同様、またまたハッピー味が弱い気がします。しばし考えた後、“ハッピーターンふりかけ””に醤油を1滴たらして握り直すと、これが大正解!


ハッピーターンおにぎりのポイントはほんの少し醤油をたらすことでした

 ハッピーパウダーの甘じょっぱさと、ハッピーターンの油脂分、そして醤油の旨みが三位一体となって、めちゃくちゃバランスが取れています。ちなみに、おにぎりにしなくても、ご飯にふりかけただけでも十分に美味しいです。変な言い方かもしれませんが、から揚げのサクサクとした衣だけを食べているようなジャンクな味なんですが、ものすごく後を引きます。


「ハッピーターンふりかけ」をご飯にかけて、少々醤油をたらしてもかなり美味。冷奴にも試しましたが、控えめに言って最高でした

 卵焼き、おにぎりといったシンプルな料理にもハッピーターンの味が合うことがわかったので、最後は、料理そのものにこのハッピーターンを使ってみることにしました。

「銀鮭のハッピーターン焼き」に挑戦


柿ピーを揚げ物の衣に使うプロの料理人もいるのできっと美味しいはず…

 最後に試してみる食材は銀鮭。そう、冒頭にも書いた通り、亀田製菓社員食堂で出されているという噂があった「サケの衣焼き」をイメージしています。もちろん、筆者は亀田製菓の社員ではなく、当然ながら社食で食べた経験もないので、勝手に想像して作ります。


ジッパー付きの保存袋にハッピーターンを入れ、棒で叩き潰します

 何度も言うように、ハッピーパウダーのみを採取するのは尋常ではない手間がかかるため、先ほどのおむすび同様、今度もハッピーターンを粉々に砕いたハッピーターン粉を使うことにしました。銀鮭にはあえて下味をつけず、溶き卵にくぐらせてから、ハッピーふりかけにつけます。そう、パン粉の代わりに「ハッピーターンふりかけ」を使うわけです。


ハッピーターンの大きさは、細かいものから粗いものまでを用意し、どのあたりが最適かを試してみました

 後は、オリーブオイルを多めに敷いたフライパンで揚げ焼きにします。焼き始めると、ハッピーターン特有の甘い匂いが立ちのぼります。そして、加熱するにつれ、それが香ばしさに変わっていきます。これがまた、かなり食欲をソソる、何ともいい香りなんですよ。そして完成したのがこちら!


両面がこんがり焼けたら、フライパンにフタをして弱火で蒸し焼きにしました

 なかなか美味しそうにできました。ただ、肝心なのは味です。食べてみると、サクサクッとしたハッピーターンの衣の食感がイイ! しかもお菓子のときの強めの甘じょっぱさがいい感じに抜けていて、銀鮭本来の味をさらに押し上げています。

 しかも、鮭には下味をつけていないのに臭みもなく、優しい甘味と塩味が感じられ、これはなかなかの美味! 筆者はこれで十分に満足できましたが、「こんな程度じゃハッピーが足りねえ!」というハッピーターン信者は、サケの上から“ハッピーターンふりかけ”を追いがけすると吉です。

 追いがけしても、ハッピーターンは決して主張しすぎることがなく、ちゃんとサケの味の裏方に回ってくれます(試し済み)。つまり衣として、調味料としてハッピーターンは超優秀なのです。拍手したいくらい!


醤油や七味などを足せばパンチのある味になります

 というわけで、結論から言うと、ハッピーパウダーが料理全般にかなり便利に使えるのはもちろん、ハッピーターンを砕いたふりかけも超優秀な食材&調味料になることがわかりました。何より意外だったのが、熱を入れると、ハッピーターン独特の強い甘じょっぱさが全面に出すぎないこと。料理を台無しにするどころか、料理全体の旨さを引き上げてくれるのです。

 さすが魔法の粉。美味しいです。今回は3つの料理しか試していませんが、もっといろいろ工夫できると思うので、みなさんもぜひ試してみてください。そして、できれば亀田製菓さんには、ハッピーパウダーを単体で売って欲しいと切に願います。

(撮影・文◎土原亜子)

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