【シリア】 生首を誇らしげに持つ白人少年 — ISILに所属する父親の危険な教育 〜テロリストの誕生〜

8月20日(水)7時30分 tocana

画像は「YouTube」より

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 6月末にイスラム過激派がイスラム国家の樹立を一方的に宣言し、インターネットを通じて拡散された過激派テロリストの残虐行為の数々を目にした方も多いだろう。また、最近では日本人が拘束されたことでも話題になっている。

 そんな中、8月10日の「Daily Mail」には実にショッキングな写真がウェブ上で掲載されている。

【画像はこちらから→http://tocana.jp/2014/08/post_4673.html】


■敵兵の生首を誇らしげに掲げる少年

 両手で何かを持ち上げて得意気にポーズをとる少年。この写真を一見しただけでは、まるで魚釣りに出かけた子供が釣れた獲物を見せているようだ。しかし、この少年の持っているのは本物の人間の生首なのだ。

 この7歳になる少年はハレド・シャルーフ氏の息子である。父親のシャルーフ氏はオーストラリア生まれで、アルカイダ分派の「イラク・レバントのイスラム国(Islamic State of Iraq and the Levant、略称ISIL)」に属しているテロリストである。彼は8月8日のツイッターにこの写真を投稿して「これがオレの息子だ!」と自慢し、世界中の非難の対象となった。

 オーストラリアの全国紙である「The Australian」によれば、この世界中を驚愕させた写真は北シリアの都市ラッカで撮影された物だという。写真では敵の生首が並んでいるフェンスの前で、少年は切断された首を持ちにくそうに掲げている。青いTシャツ、チェックの半ズボン、サンダルに野球帽をかぶり、少年は戦闘地域に居るというよりも、休暇旅行中のようにも見える。「Daily Mail」 の記事は、イスラム教テロリストが撮った恐ろしい写真は多いが、この写真は間違いなくその中で最悪であると断じている。

 メディアは少年の家族のコメントを掲載した。この少年の叔父ムスタファ・シャルーフ氏は、「オーストラリア人はこの写真の事を忘れるべきだ」と述べ、「この子は既に居ない。忘れてくれ。これよりもっとひどいものが他にもあるじゃないか」と世間の関心を反らすかのように「Sydney Morning Herald」のインタビューに答えた。
 
 ちなみに、シャルーフ氏は、自分自身が兵士の生首を持つ写真も「何て首だ!」というタイトルを付けてアップロードており、別の写真ではシャルーフ氏は彼の3人の幼い息子達と同じ軍服を着て、マシンガンを持っている。

 少年の祖父、ピーター・ネトルトン氏のコメントはもっと正直だ。彼はこの悲惨な画像を見て「完璧に打ちのめされました」と「The Australian」紙に語った。またネトルトン氏は息子の妻でこの少年の母親である英国系オーストラリア人のタラ・ネトルトンさんを気の毒に思うと述べている。


■オーストラリア国内のイスラム教徒へ参戦を呼びかける

 オーストラリアのアボット首相は、この写真は「テロリスト国家」を建国しようとしているISILの「野蛮」な性質を実によく示していると話す。アボット首相は、オーストラリア政府はイラクのISILによって閉じ込められている何千人ものヤズィーディー教とキリスト教の人々を助ける人道的努力に加わる考えが有るとも述べた。またオーストラリアのデビッド・ジョンストン国防相は「ABCラジオ」に、彼はこの写真を「憎み」、政府が先週発表したより強固な反テロリズムの法律の必要性がより明らかになったと述べた。

 オーストラリアの野党リーダーであるビル・ショーテン氏は、この少年の写真を「衝撃的で邪悪なイメージ」として厳しく非難した。しかし、この写真を政治的目的のために使用する事には慎重で、労働党はテロ防止法の提案変更を検討しているという。またショーテン氏は「答えが必要な最も重要な質問は、『どうやってこの男が彼の兄弟のパスポートを使い、オーストラリアを出国したか』であり、彼がオーストラリアの出入国管理システムをすり抜けた事に驚愕している」と話した。

 シャルーフ氏はまたオーストラリアのジャーナリスト達に、この戦いは「神の意思かアッラーの意志」であると主張し、彼がオーストラリアに戻ってジハード(聖戦)をはじめようと画策していることも明らかであるという。さらに彼はオーストラリアいるイスラム教徒に、イスラム国家独立のためのこの血なまぐさい戦争に参加するよう呼びかけているのだ。

 この残虐な写真を撮影、投稿したシャルーフ氏を賞賛するウマル・アル・シシャニ氏は、イラクとシリアを通じて多くのを引き起こしたISILテロリストグループを代表する人物と見なされ、組織の全体的な軍事司令官と理解されている。彼はハレド・シャルーフ氏を「彼は愛すべき良い子供であり、誠実だ」と「Radio 3AW」のインタビュアーに語っている。


■否応なくテロに協力させられる子供たち

 元オーストラリア陸軍本部長ピーター・リーヒ氏は、イスラムのテロリズムは100年は続く可能性があると語る。そして彼は、「こういう写真を見れば誰もが、『かわいそうな子供たち』と思うけれど、この子供たちが次世代のテロリストになるのです。一体、何人の子供たちがテロ行為に協力させられているのでしょうか?」と「Today」紙に語った。

「我々はイスラム教過激派を注視する必要があり、自身の子供たちにこの様な残虐行為をさせるテロリストを問題にしています...中略...私は一体この少年が何を考えているか想像できません。正確に言えば、この少年の父親が何を考えているのかは全く理解できないのです」(ピーター・リーヒ氏)

 シドニーのイスラム教徒コミュニティのリーダーであるキーサー・トラッド氏は、「ISIL、そして彼らと行動を共にするグループは残忍な凶悪犯や殺人者の集まりである」と非難し「彼らはイスラム教とは何の関連もない」と述べた。

 トラッド氏は、TV番組の「Today」にオーストラリアのイスラム教リーダー達は、シャルーフ氏と彼の子供たちの写真を非難していると語った。また彼らは、若いイスラム教徒達をISILの様な過激派グループに送る事を止めさせようと、大きな努力を払ってきた経緯も話している。

 シャルーフ氏の友人であり、元オーストラリアのボクサーであるモハメド・エロマー氏も、2つの切断された頭部を持って笑う写真を最近、投稿している。

 エロマー氏は中東での彼の活動のため、オーストラリア警察からお尋ね者となっている。彼らはツイッター等のソーシャルメディアの使い方にも長けていて、様々なメッセージをジハード(聖戦)に憧れる若者たちに送ってくる。彼のツイッターアカウントは一旦シャットダウンされたが、その後すぐに新しいアカウントで元の故郷に対しソーシャルメディアへの攻撃を再開している。

 政治特派員のグラハム・リチャードソン氏は、「7歳の少年が切断された頭部を誇らしげに振り回している写真を見て、我々は世界が変わった事に気づく必要がある。今までとは全く違う世界が来てしまったのです」と「Today」で語っている。さらに「我々はプロパガンダ戦争に負けている。特にメルボルンで何千人もの若者が過激派に取り込まれる可能性があり非常に危険である」とも加えている。

 子どもに憎しみを植え付け、人を殺す事に罪悪感の全くない子どもたちを生み出したテロリストの罪は重い。この写真の少年は今後どのような人生を歩むのであろうか。
(文=美加リッター)

tocana

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