「風しん」患者急増、国立感染症研究所が緊急情報

2018年8月22日(水)15時15分 リセマム

風しん累積報告数の推移 2014~2018年(第1~32週)

写真を拡大

首都圏で風しん患者が急増しているとして、国立感染症研究所は2018年8月21日、注意を呼び掛ける緊急情報を発表した。先天性風しん症候群の発生リスクがある妊婦をはじめ、風しんの感染拡大を防ぐため、ワクチン接種などの注意や対策を求めている。

 国立感染症研究所によると、第1週〜第32週(2018年1月1日〜8月12日)の風しん患者の累積報告数は139人。2015〜2017年の同時期の報告数を超え、さらに2016年と2017年の年間累積報告数も超えている。

 地域別では、千葉県(41人)と東京都(39人)からの報告が多く、2都県の報告が全体の58%を占めている。また、報告患者の91%(127人)が成人で、女性32人に対し、男性107人と、男性が女性の約3倍多い。特に30〜40代の男性が多く、女性は20代が多い状況にある。

 2013年に流行した際は、1万4,344人の患者が報告され、この流行に関連した先天性風しん症候群45人が確認されている。先天性風しん症候群は、免疫のない女性が妊娠初期に風しんにかかることで、風しんウイルスが胎児に感染し、出生児に難聴、心疾患、白内障、精神や身体の発達の遅れなどの障害を引き起こすもの。

 国立感染研究所の緊急情報では、「先天性風しん症候群の発生を防ぐためには、妊婦への感染を防止することが重要であり、妊娠出産年齢の女性および妊婦の周囲の者のうち感受性者を減少させる必要がある」と指摘。風しんは、ワクチンによって予防可能な疾患であることから、感染拡大防止として特に抗体保有率が低い30〜50代の男性に対する対策の必要性を訴えている。

 また、妊娠中は風しん含有ワクチンの接種は受けられず、受けたあとは2か月間妊娠を避ける必要があるため、女性は妊娠前に2回の風しん含有ワクチンを受けておくこと、妊娠出産年齢の女性や妊婦の周囲の人のワクチン接種が重要だという。

リセマム

「国立感染症研究所」をもっと詳しく

「国立感染症研究所」のニュース

「国立感染症研究所」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ