【思考力の身に付け方】受験で差がつく…平面図形・空間図形のトレーニング(6)
2019年8月22日(木)10時15分 リセマム
公式の暗記と異なり、受験直前の詰め込みでは対応しきれないのが、図形問題の特徴だ。空間認識力だけでなく、さまざまな条件を考慮し、いくつも筋道を考えて、その中からもっとも良いと思うことを選択する力。そのスキルを測り、鍛えることは思いのほか難しい。
本企画では、そのきっかけとして「算数ラボ図形 空間認識力のトレーニング」から、思考力と空間認識力を養う問題を紹介する。駒込高等学校や郁文館高等学校の推薦入試において、一定の級以上の合格実績で優遇措置が取られる「算数・数学思考力検定」のサポート教材にもなっている問題集だ。東京学芸大学名誉教授の杉山吉茂氏、元早稲田大学教育学部・教授で数学教育を専門とする渡邊公夫氏らが監修。
今後もますます増えると予想される、考えるプロセスや思考力が問われる入試。図形問題で、いざトレーニング開始。
(問題提供:iML国際算数・数学能力検定協会)
「算数ラボ 図形空間認識力のトレーニング6級」より
問題:折り紙
正方形の折り紙を折ったあと広げて、図1の点線のように、合同な正方形が4つできるような折り目をつけました。
その折り目を使って図2、図3、図4の順で3回折ると、正三角形をつくることができます。
次の問いに答えなさい。
(1)図2の角アの大きさは何度ですか。
(2)図4の角イの大きさは何度ですか。また、求めるために使った線や角の大きさも下の図にかき入れなさい。
解答は次のページへ。
解答
(1)下の図のようにA,B,C,Dとします。
三角形ABDと三角形CBDは合同なので、辺ABと辺CBの長さは等しいことがわかります。また、辺ABと辺ACの長さも等しいので、三角形ABCは正三角形です。ですから、角ウの大きさは60度とわかります。
そして、折り返したこいかげのついた三角形とうすいかげのついた三角形は合同なので、角アの大きさは、
(90-60)÷2=15(度)
(2)下の図のようにE,F,G,H,Iとします。
三角形EFGと三角形EHGは折り返しているので合同です。直線AFが正方形の対角線であることと、三角形GHFは二等辺三角形であることより、図のように45度の角の大きさがわかります。
また、点Aのまわりの角について考えると、(1)で求めたことに加え、辺AEと同じことが辺AGでも考えられます。さらに、直線AFは正方形の対角線ですから、以下の図のように、15度の角の大きさがわかります。
ここで、三角形AHIについて考えます。
角AHIは、180-45=135(度)
三角形の3つの角の大きさの和は180度ですから、角イの大きさは、
180-(15+135)=30(度)
答え (1)15度 (2)30度、図は上の例のようになります。