【中国】邪教「全能神」の実態! 入信を断った女性がマクドナルドで撲殺される

8月22日(金)19時30分 tocana

画像は「YouTube」より

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 8月20日、宗教を口実に詐欺や違法な資金集めなどの犯罪を繰り返したとして「全能神教会」のメンバーら1,000人近くが中国警察によって拘束された。「全能神協会」とは、一体どのような団体なのだろうか——?

 基本的には宗教を否定する共産主義国家・中国。この国では、国家による宗教団体への弾圧、あるいは逆に過激なカルト教団による体制への反逆が繰り返されている。そんななか、「全能神教会」メンバーが引き起こした事件を取材した記事が先頃、「BBC」のサイトに掲載された。

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■ファストフード店殺人事件 入会しない女性をリンチ

 それは今年5月末、中国・山東省の招遠市(チャオユェン市)のマクドナルド店内で起こった。新たな信者をリクルートにやってきたカルト教団のメンバー男女6人は、店内をまわって食事中の客から電話番号を聞き出していたという。そのとき、1人の女性客が電話番号を教えることを拒んだ。するとメンバーたちは彼女を容赦なく殴りつけ死に至らしめたのだ。下手に抵抗すれば同じ運命を辿ると知った周囲の客は悲鳴をあげるしかなかったという。

 この惨劇の模様は店内の監視カメラとその場に居合わせた客のスマホで撮影されていたこともあり、犯行集団はすぐに特定された。問題のカルト教団は数百万人の信者がいると自称する「全能神教会(Church of the Almighty God)」と呼ばれる宗教団体である。ちなみに、同集団は95年以降、中国当局が指定する「邪教組織」14団体のリストに入っている。

 このニュースは瞬く間に広まり、人々に衝撃を与えた。逮捕された6人の殺人集団の1人、チャン・リートン(Zhang Lidong)は後に刑務所でインタビューを受け今回の事件に対して「後悔も怖れもない」と話した。「私は全力で彼女を叩きのめして「封印」した。なぜなら彼女は我々を滅ぼそうする悪霊だったからだ」と彼は語ったのだ。


■宗教弾圧とカルトの先鋭化

 高揚をもたらす賛美歌と、教説に満ちた教団のウェブサイトがこの「全能神教会」の表向きの顔である。しかし、そこから一歩踏み込めば同教団の教義の中核には終末思想があり、神がヨハネの黙示録を成し遂げるために中国人女性として近々この世に戻ってくるという信念が存在していると、記事では伝えられている。

 神と直に接触しているこの世で唯一の人間であると主張する人物こそが、25年前に中国国内で「全能神教会」を設立し現在アメリカに逃がれている元物理学教師、チョウ・ウェイザン(Zhao Weishan)である。ちなみに、彼の正確な正体は誰も知らない。しかし、教団ウェブサイトには中国政府にむき出しの敵意を表す彼のメッセージの数々が英語と中国語で配信されている。

 確かに、1949年の中華人民共和国の建国以来、中国共産党は数多くの宗教団体を厳しく規制して今日に至っている。特に1970年代後半までは国内のほぼ全ての宗教的な信仰を迫害していた。また、現在でも宗教団体の活動は厳格なガイドラインに縛られていることも事実だ。実際、中国のクリスチャンの信仰は政府の干渉を逃れるために伝統的に地下活動化し個人の家を教会にして継承されてきたという。まさに日本の江戸時代の「隠れキリシタン」さながらである。

 しかし、この宗教規制がカルトによる殺人事件の言い訳にはならないだろう。

 サイト内にあるチョウ・ウェイザン氏が記したとされる文の1つは「たとえ彼ら共産党の手が私を死に至らしめても、私の魂はまだ神の手の中にある。私は決して悪魔には屈しない」と述べている。どうやら同教団の周囲には抹殺すべき「悪魔」や「悪霊」が多くいるようだ。


■家族を崩壊に追い込むカルトの活動

 この記事を執筆したBBCのカリー・グレイシー氏は、カルト信者となった家族(妻とその父)を救出すべく自ら教団に「偽装入信」している人物に接触して話を訊いている。

「カルトは反社会的で反家族的、さらには反人間的な存在です。信者たちは夫や妻への嘘のつきかたを常にトレーニングされ、家族への裏切り行為をメンバー同士で褒めあっている」とその人物は語り、また「家族を裏切り、いかに多大なダメージを与えたかで教団内の高いランクを与えられるシステムが、それまでは親切な人物だった信者を狂気に駆り立てています」と記者に答えている。

 また教団に妻や夫、子供を奪われた家族のための数々のサポート組織には実は裏があるという。カルトからの救出を申し出るウェブサイトは教団の陰の組織によって運営されていて、信者の名前も身元情報も偽りであるため、追跡調査ははじめから不可能であるということだ。カルト被害にあう家族に支援を申し出て接触してくる親切な人物は、次第に脅しをかけて信者の救出と引き換えに金銭を要求し、時には新たなメンバーに加えるべく誘惑や誘拐の手段に出ることもあるそうだ。

 一般の宗教団体とカルト教団を分ける一線はどこにあるのか? それは教団が一般大衆の生活に危害を及ぼすかどうかがひとつの判断材料になり得ると筆者は考える。ある宗教団体が場合によって反体制的であることは理解できるものの、攻撃の矛先が国家から一般大衆、そして自らの信者に向けられたとき、それは狂気の「カルト集団」になる。信者本人だけでなく、家族など周囲の人間の生活をも台無しにしてしまうカルトの恐怖に対抗できるのはやはり情報であろう。危険なカルト教団の情報をいち早く共有することが今後ますます重要になると思う次第である。
(文=仲田しんじ)

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