自殺を予言する血液 — 自殺防止に光明か?(最新研究)

8月22日(金)19時0分 tocana

画像は「YouTube」より

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 最近、日本で13種のがんが早期発見出来る血液検査が開発中と報道されたが、米国でも血液検査に関する興味深い研究が発表された。なんと血液検査で自殺のリスクが分かるというのだ。


■自殺者に共通の遺伝子変化を発見

 この研究では、研究者は自殺で亡くなった人間の脳組織からサンプルを取り遺伝子をスキャンし、その他の死因で亡くなった人のものと比較した。研究者は自殺で亡くなった人間のサンプルに「SKA2」と呼ばれる遺伝子の変化を見つけ、SKA2は自殺に関わる遺伝子であると考えている。その遺伝子変化は自殺した人の脳にしばしば見つけられるそうだ。そしてSKA2遺伝子の変化を調べる事により、血液検査で自殺のリスクを予知できるという。

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 研究者はまた、エピジェネティクス(epigenetics)変化と呼ばれる化学的な変化を同遺伝子上に見つけた。「エピジェネティクス」とは、「DNAの配列変化によらない遺伝子発現を制御、伝達するシステム」(脳科学辞典より)を指し、その変化は他の死因で亡くなった人よりも自殺した人により多く見られるという。

 この研究の研究者である米国ジョンズ・ホプキンス医科大学の精神医学と行動科学の准教授であるザッカリー・カミンスキー氏は、「人物の行動範囲を特定するのにとても重要だと思われる遺伝子を見つけました」と話す。そして彼らは、これらの遺伝子の変化によって自殺、もしくは自殺しようとする人のリスクを予測できるかどうかを検討した。

 研究者達はまず、325人の被験者から血液サンプルを集め、その人々がSKA2遺伝子の突然変異とエピジェネティックな変化を起こしているかだけではなく、年齢・性別・ ストレスや不安のレベルも考慮したモデルを作成した。次に、研究者達は15歳から24歳の22人と50人の妊娠中の女性から血液サンプルを集め、この人たちが自殺を考えたり、試みようとした事があるかを調べた。その結果、その遺伝子モデルは80%〜96%という高い確率で自殺を考えたか、もしくは試みた人々を識別できたという。そして、自殺衝動の激しい人々に対しては、更に的確に見分ける事が出来たという。


■自殺防止に繋げられるか

 この研究はまだ小規模なので、結果はまだ予備的な段階でこの発見を確固としたものにするためには更なる研究が必要であるとカミンスキー氏は言うが、もし、この研究結果が確認され、自殺の危険性を見るための血液検査が実施されれば、精神学の緊急治療室での血液検査、もしくは患者の自殺リスクの確定のために、このテストは用いられるだろうとも話している。

 私たちは「悲しい」「つらい」といったの気持ちに関して、単純に「心の動き」であると捉えがちだが、実際は脳の中の物質変化によって単にそう「思って」いるのかもしれない。この研究がもっと深まれば、自殺衝動を持った人々をより多く救う事ができるであろう。
(文=美加リッター)

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