中国一辛い料理! 三軒茶屋の湖南料理『香辣里』に行ってきた

2019年8月27日(火)12時0分 食楽web


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 北京料理、四川料理などは知っていても、「湖南料理」を食べたことがある人はまだ少ないのでは? 湖南料理はその名の通り、中国湖南省の郷土料理。日本では中国4大料理、なんて言いますが、中国では「中国8大料理」、その一つが「湖南菜」、湖南料理だったりします。

 代表的な料理はサンラータンや毛沢東の豚角煮。知らないうちに日本でもよく食べられている料理だったりするんですよ。

 そして、この湖南料理の特徴が、スモーク(燻製)や、香菜など中国ハーブ、そして砕いた唐辛子を塩や塩水で発酵させた「発酵唐辛子」。普通の唐辛子とどう違うの? 油で炒めた唐辛子料理より、もしかしたら辛くない? など様々な期待を抱きつつ、向かったのは三軒茶屋にある『香辣里(シャンラーリー)』。湖南料理の専門店です。


「鯛の頭の発酵唐辛子蒸し」1620円。モチモチのビーフンがセットに

 待つこと数分、出てきたのは、大皿に赤いスープ、その上にネギや発酵唐辛子などが色鮮やかに乗っている鯛のお頭。ぱかっと2つに割れて、箸で食べやすいようになっています。

 深みのある辛さの発酵唐辛子を、鯛の頭やシソの葉と一緒に蒸したものが、今回紹介する「トゥジャオユィトウ」(鯛の頭の発酵唐辛子蒸し)。湖南料理を代表する料理の一つで、食べ方を聞くと、「ビーフンを最初から入れる人もいれば、鯛を食べた後に入れる人もいますね。ご自由にどうぞ」とのことなので、まずは鯛を一口!

 蒸された頬肉や目の周りの身はふわふわ。旨みを感じた次の瞬間、ビリッとした辛味が襲ってきます。身自体は白くても、上に乗っている具や下のスープからやってくる辛さが舌を刺激します。うまい、が、辛い!


蒸しあがったばかりの鯛のお頭に香味野菜を振りかけて完成。できたては熱々!

 しかしただの唐辛子と発酵唐辛子の差でしょうか、辛味が強いのに旨みしっかり。ビリビリきているのに、もっと食べたい、口に入れたくなる。辛さの向こうにある奥深い旨さというか、ただ辛いだけではなく、鯛の淡白な旨みをグッと引き出しています。尖っているけれど丸みがある味わいです。

 個人的には、鯛のアラの味噌汁とか炊き込みご飯など、あっさりした味付けが鯛の旨みを最大限に出すのかと思っていたけれど、まさかの発酵唐辛子。痺れるくらいの辛味が、鯛の旨みをぎゅっと感じます。淡白だと思っていたのに、実は刺激が合うなんて。鯛のポテンシャル、わかってなかったよ〜。


蒸して旨みがしみ出たスープに鯛の身をつけて味わうと、頭から汗がブワッと吹き出る!

 今度は、ほぐした鯛の身を、下のスープにしっかり浸して一口。辛い! 旨みも感じるけれど、口の中は辛さで一気にカーッと熱くなり、頭の中から汗がブワッと吹き出します。もちろん額とか首とかからも汗がツーっと流れ出る感覚も。

「唐辛子の辛さは体温を下げるので夏にはオススメですよ〜」と代表社員の小林さん。確かに、そんなに食べていないのにこれだけ汗が出れば、気化熱で体温下がるかもしれません。辛い、旨い、でも辛い、やっぱり旨い。悶絶しながらも食べ進めていきます。


ツルッツル食感のビーフンにスープをたっぷりつけて。すすったら危険!

 中盤になって、いよいよビーフン投入。多少時間が経ったので、すぐにしみこむということはなく、麺にうっすらスープが乗ったぐらいの見た目です。これならさほど辛くないかも。と思い、思いっきり啜ったところ、むせた。思いっきりむせました。色はさほど変わっていなくても、スープに溶け込んだ発酵唐辛子のパワーはすごい! 鼻、喉、口の中で一気に暴れてくれます。

 さらに、スープの中に潜んでいた、スープをしっかり吸ったエノキダケも麺と一緒に一口! うぉぉぉぉお〜っ! ツルツル喉越しは変わらないのに、刺激が格段にパワーアップ。口の中、火を吹けそう。でも美味しいからもっと食べたい。なにこのヤミツキになる感じ。さすが湖南料理の代表格。おそるべし魅力です。


「月奄好(イェンハオ/月奄は本来1つの漢字。月偏に奄)ハイボール」1166円。2杯分の量です

 癖になる、ハマる激辛の鯛料理に合うお酒は何かを聞くと「月奄好(イェンハオ/月奄は本来1つの漢字。月偏に奄。以下同じ)ハイボールですね。辛さを少し和らげてくれますよ」と小林さん。ということで、速攻で注文! 中国紅茶、梅干し、レモンをバーボンで漬け込んだものと(写真右上)、炭酸水、氷の入ったコップがやってきます。なので好きなバランスでお酒を割って味わいます。薄めが好きなら炭酸水追加注文も可能です。

 実際、スープに浸した麺を一口、そしてこのハイボールを飲むと、口の中がリセット! しかも爽やかな後味に。香りもいいし、口当たりも抜群です。辛さを中和してくれるなんて。この料理を頼む際は、「月奄好(イェンハオ)ハイボール」はマストでオーダーすべきです!

 ちなみに、この鯛のお頭料理がお店で一番辛い料理なのか聞くと「いえいえ、もっと辛い料理がありますよ」とニッコリ微笑む小林さん。上には上があるんですね。どんな料理なのかは、店に行ってからのお楽しみに。

 全身汗だく。でもどこか爽快感を感じる、いい汗をかいてなんとか完食! しかし辛さも旨さもすごかった! この夏、ワンランク上の刺激と旨み、そして発汗を追求するなら、湖南料理とハイボールがオススメですよ。

(取材・文◎石澤理香子)

●SHOP INFO

店名:香辣里(シャンラーリー)

住:東京都世田谷区太子堂4-23-11 GEMS三軒茶屋 7F
TEL:03-6450-8791
営:11:30〜15:00、18:00〜24:00、土・日・祝11:30〜24:00(LO各30分前)
休:なし

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