仁王像の口からハチの大群が! 文化財ゆえ駆除難しく...住職も頭抱える

2019年8月29日(木)6時0分 Jタウンネット

當麻(たいま)寺(奈良県葛城市)にある仁王像。仁王門(東大門)で阿形・吽形が睨みを利かせるが、その阿形像が大変なことになっている。


阿形像を悩ませる正体は「ハチ」だ。


口を閉じた吽形像には何事もないのに対し、阿形像の開いた口からはハチが入り込み、顔周りを飛び交っている。半透明の目からはうごめくハチの様子が見え、少々不気味だ。


その様子を撮影したツイッターユーザーの江村あるめ(@amamiz)さんは「仁王像の中でできた蜂蜜にはすごいパワーが宿っていそう」などとしてこの動画を投稿。他のユーザーからは、


「なんだか...仁王像が少し可哀想ですね」
「蜜には凄いパワーが宿っていそうですが、絵面は最悪ですな」



といった声が寄せられている。


この状態は今に始まったことではなく、何年も前から続いている。ハチへの注意を促す紙が付近に貼ってあるとはいえ、参拝客の安全を思えば駆除したほうが良いと思われる。そうはいかない理由でもあるのだろうか...。


Jタウンネットは2019年8月28日、當麻寺西南院の住職に話を聞いた。


「頭の中にハチミツがあるようです」


 

當麻寺は、真言宗寺院の西南院と中の坊、浄土宗寺院の奥院と護念院が、1年ごとに交代で住職を兼ねる。今年は西南院の番だ。


西南院の住職によれば、阿形像の中にハチの巣があるのは事実とのこと。何年前からかははっきり分からないが、「4、5年、もっと前です」とのことだ。口やそれ以外の穴から入ってきて、中で巣作りしてしまったようだ。


「頭の中にハチミツがあるようなんですよ。ミツを集めて帰ってきて、お客さんがおっしゃるように周りに飛んでいるという感じになってます。大群で来てるとかではないんですが」



と話している。


仁王像は「木造金剛力士立像」として葛城市の指定文化財になっている。現在は葛城市と奈良県の文化財保存課と相談し、一番良い方法を検討中だという。


一時は殺虫剤の煙を焚いたりもしたが、仏像の劣化にもつながるため良い方法ではないと判断したようだ。ハチ駆除の業者にも来てもらったが、解決には至らず。根本から解決するには中の巣を出さなければいけないが、


「阿形像を解体・修理するにはすごく費用もかかってきますし、大きな仏さんですので出すのもちょっと大変ですので...」



とのこと。


そこであがっているのがハチの侵入経路を断つ方法だ。口などの穴をふさぐというが、


「仏さんですので表から見えるようにフタはできず、口だけじゃなく他からも入っているようなので。方法を検討している最中です」



対応を間違えれば阿形像にとっても取り返しのつかないことになるため、最善の方法を検討しているという。


いろいろと手を尽くし、決して放置しているわけではないことが判明したが、阿形像がハチから解放されるのはまだ先になりそうだ。

Jタウンネット

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