高濃度の二酸化炭素が局所的に発生するエアポケット「マズク(MAZUKU)」その致死的空間を煙で可視化した映像

8月31日(土)22時30分 カラパイア

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 火山の噴火活動や淡水湖沼噴出などの自然災害が原因で、濃度の非常に高い二酸化炭素が局所的に発生するエアポケットがある。それが、「マズク(MAZUKU)」と呼ばれる致死的空間だ。

 散発性で捉え難い自然現象とされるマズクは、無色無臭であることからも、そのほとんどが記録として未だ十分には残されていないが、YouTubeに公開されている動画には、発煙筒を使ってその場所を可視化した様子が収められている。

 これにより、地元の人々は潜在的な危険性を含むマズクを目の当たりにすることができたようだ。
・スワヒリ語で「邪悪な風」を意味するMAZUKU

 地質学上、マズク(MAZUKU)とは二酸化炭素の濃度が高いエアポケットで、生物にとって致死的となる場所を意味する。

 空気より重い二酸化炭素が、地面に近い空間に蓄積するとマズクが発生し、低霧のように地面を抱え込む形で広がっていく。

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 しかしマズクは無色無臭のため、人間の嗅覚や視覚によって検出することが不可とされ、マズクに近付いた人や動物が命を落とすという事例が発生している。


・マズクは火山活動や淡水湖沼噴出など自然災害に関連

 マズクは、火山活動や淡水湖沼噴出によってできる自然災害に関連して発生するとされている。

 火山噴火では、有害なガスが地球の地殻から大気中に放出される。一方、淡水湖沼噴出では、ガスは湖や沼の深部で発生し、表面に向かって急速に沸騰する。

 散発性で捉え難い自然現象とされているため、ほとんどの場合マズクの記録は残されていないそうだが、過去の事例からマズクが発生する周辺には住民に警告が促されている。

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・マズクの致死的空間で生物は窒息

 マズクは、二酸化炭素濃度がかなり高い状態で長期間のガスが放出され続けない限り、地元の原生植物にはほとんどもしくは全く影響を及ぼさないようだが、一般的にはガスの組成と濃度に応じて発生する地域の生物に様々な影響を与えるとされている。

 二酸化炭素が充満したマズクのエアポケットに入り込んでしまうと、人間や動物は窒息死してしまう。マズクは、目に見えない致死的空間なのだ。

 YouTubeの動画では、発煙筒を使ってマズクを可視化した様子が公開された。

Mazuku - Deadly CO2 pockets

 マズクの発生するエリアは、ちょうど小さな子供たちの身長ほどであり、煙によってその低さや程度がわかる。それだけに、普段目に見えないマズクの潜在的な危険性が特定され、実験を見ていた子供たちからもその緊張が伝わってくる。

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・局所的に発生するマズクが持つ莫大な破壊力

 数少ないが、ネット上には過去に発生したマズクの報告例もいくつか挙げられている。これらを見ても、局所的に発生するマズクが広範囲にわたって犠牲を引き起こすには十分であることがうかがい知れる。

 1986年、アフリカのカメルーン共和国北西部にあるニオス湖で湖水爆発が起こった。ニオス湖は火口湖で湖底の地下にはマグマ溜まりがあり、湖水中に二酸化炭素を放出している。

 この湖の爆発により、大量の二酸化炭素雲が発生。近隣村落の住民1800人及び3500頭もの家畜が犠牲となった。

 また、コンゴ民主共和国とルワンダの国境にあるキブ湖も、ニオス湖同様、二酸化炭素で飽和していることが確認されている世界で3つの湖のうちの1つで、メタン爆発や津波、マズクなどが繰り返し発生する大きな湖だ。

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jackmac34/pixabay

 この湖の近辺では、毎年100人ほどが死亡しているという。そのほとんどが湖で泳いでいる最中に窒息状態になり溺死するというものだそうだが、その原因は空気中のマズクだと言われており、地元住民らには湖には近付かないようにとの警告がなされている。

 更に、米カリフォルニア州にある火山だったマンモスマウンテンからは、現在でも危険なガスが発生しており、2006年にはマズクが多くの木々を壊滅させた他3人のスキーパトロール隊員を死亡させたことも報告されている。

References:YouTubeなど / written by Scarlet / edited by parumo

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