悪魔と契約したカトリック団体が実在 ー バチカンを悩ませる「ヘラルズ・オブ・ゴスペル」の謎の儀式と暴走とは?

8月31日(木)7時30分 tocana

イメージ画像は、「Wikimedia Commons」より

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 伝統の復活をもくろむ信徒たちの一派が、教皇の死を願い、悪魔と手を結んでいた! バチカン発のスキャンダルを、海外メディア「THE DAILY BEAST」などが報じている。


■現代に受け継がれる悪魔祓い

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 悪魔祓い(エクソシズム)——中世世界、またはフィクションの世界を思い起こさせる概念が、バチカンでは今なお現実味を伴って通用している。

 前教皇ベネディクト16世は、若かりし頃にこの役目に従事していたと風聞が立ち、現教皇フランシスコについても、同様のうわさが流れたことがある。これらは全て大衆の興味が先走ってしまったもので、根も葉もないデマにすぎないといえる。

 もっとも、フランシスコは、悪魔祓いの存在と有効性に関しては、公式の声明を通じて肯定している。バチカンが推奨する悪魔祓いとは、医学的な治療と並行した、精神の疾患を癒すための穏当なものだ。

 ところが近年、公式に許しを受けた司祭たちが行うこれらの儀式とは別に、一部の信徒らのグループが独自の手法によって、危険な悪魔祓いに臨んでいるそうだ。その背景には、かつてバチカンの改革に強硬に反対した、ある有力者の姿が浮かび上がってくる。


■カルト集団“ヘラルズ・オブ・ゴスペル”が誕生

 ブラジル出身のプラニオ・コリアデ・オリベイラ博士は、24歳の若さで政治家となり、その後は数々の運動団体の代表を務める、地元の名士である。

「この公会議は主イエス・キリストの死に並ぶほどに嘆かわしい、歴史の転換点となりましょう」(プラニオ・コリアデ・オリベイラ博士)

 1960年代、教会の近代化をめざした第2バチカン公会議の事前部会において抗議を表明した博士は、カトリックの伝統を重んじる保守派としても有名だった。

 やがて1995年に彼が世を去ると、彼が創設したカトリック系団体「伝統、家族、財産(TPF)」は分裂し、そのうちのひとつが前述の悪魔祓いに手を染めてゆく。

 新たに「ヘラルズ・オブ・ゴスペル」と名付けられた団体は、ブラジル人司祭、ヨハン・スコナミグリオ・クラ・ディアスに率いられ、歪んだ崇拝の機運を高めていった。

 博士の生涯を研究している社会学者によれば、同団体は、偶像としてのプラニオ博士、その母ルシア、そしてディアスが三位一体をなす、隠密裏なカルト集団に他ならないという。


■掟に背く悪魔との対話

 では、具体的に彼らが行っている儀式はどのようなものなのか?

 悪魔祓いの権威であるガブリエル・アモース神父は、その任に当たる者の挫折について、以下のように語っている。

「エスソシストの災いとは、好奇心に走り、儀式の上で禁じられた質問をおこなって自らを見失うこと、ないし偽りの主として内在する悪魔との対話をとりもつことである」(ガブリエル・アモース神父)

「ヘラルズ・オブ・ゴスペル」が実施する“悪魔祓い”とは、あろうことか、ここに例示された悪魔との対話に根ざすものであった。ディアスの命令によって用意された、儀式の立会人の証言を書きとめた資料には、悪魔の王サタンとのやりとりの一部始終が残されていた。

 その要点は、故プラニオ博士が「インターネットへの接続を妨げるため、人々のパソコンを破壊して」おり、さらに「気候の変動を司り、温暖化を促すこともできる全能の存在となった」という突拍子もないものだ。加えて、悪魔は大西洋への隕石の墜落による北アメリカの消滅を警告しつつ、バチカンの現状についても言及した。

「バチカン? そりゃあ俺のものさ、俺のだ!」

 悪魔はエクソシストに向かってうそぶいた。

「教皇(フランシスコ)ときたら、俺のやってほしいことは全部やってくれる、あいつは馬鹿なのさ! あいつは何でも俺に従う。あいつは俺の栄光で、進んで俺に尽くしてくれる。あいつは俺にかしずいていやがる」

 それから悪魔は、「ヘラルズ・オブ・ゴスペル」の構成員に促され、教皇は外遊の途上ではなく、バチカンで命を失うことを予言した。「教皇は転落死する」と、資料の写しはその死に方にいたるまで、つぶさに物語っていた。


■下される苦汁の決断

 本年6月、この問題が現地のジャーナリスト、アンドレア・トーニエリ氏の手によって報じられると、ディアスは「ヘラルズ・オブ・ゴスペル」の代表の座を退いた。さりながら、トーニエリ氏によれば、ディアスは相談役のような形で団体への関与を続けているという。

「この役割を離れるとしても、わが神父としての使命を主の御前でなげうつことはできず——私がそれを望むこともあり得ない」(ディアス司祭)

 ディアスは離任状に、自らの考えをしたためた。

「私は精霊たちが授けた特別な能力の守護者となり、主のお造りになった生ける手本として、諸君らを導き続けよう」(ディアス司祭)

 開かれた教会を嫌う「ヘラルズ・オブ・ゴスペル」のメンバーは、悪魔の言葉に溜飲を下げていたのだろうが、バチカンの調査を軽視することはできない。

 当局は同団体に破門を下すことも可能だが、その決定は団体の活動を地下に潜り込ませる恐れがある。ひょっとすると当局の処分は、構成員らを教会に復帰させることで悪魔への共感を捨て去ってもらうという、寛大なものに留まらざるを得ないのかもしれない。

 教会の権力中枢に敵意を抱く、道ならぬ信徒たちを前にして、バチカンは大きな試練に直面している。
(文=Forest)


※イメージ画像は、「Wikimedia Commons」より

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