夏バテよりも恐ろしい「9月バテ」 その深刻な症状

9月2日(月)11時0分 NEWSポストセブン

気付かないうちに深刻化

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 猛暑が続く真夏のうちは熱中症など体調管理に気をつけていても、「少し涼しくなってきたな」と感じ始めるとつい安心してしまうもの。しかし、これからの時期も注意が必要だ。油断をしていると重篤な病気につながる危険がある。夏バテよりも恐ろしい「9月バテ」とは?


 昨年、猛暑対策を万全に行なっていたという60代のA氏は、秋口を迎えると、妙な体の不調を感じるようになった。


「夏の間は寝ている間もクーラーをつけ、日中はあまり外出しないように心がけていました。おかげで夏バテすることもなく、快適な夏を過ごせていたんです。でも夏が終わってしばらくすると何だか疲れが抜けないなと思うようになって……」


 その後、A氏は慢性疲労だと思い、定年してから働いていたアルバイトを休み、家で日々を過ごしていた。


「ある日ろれつが回らなくなってしまって。さすがにおかしいと思った妻が病院に連れて行ってくれたのですが、脳梗塞の初期症状だと言われ、仰天しました」


 温暖化の影響で35℃を超す猛暑日が連日続く近年は、至る所で熱中症対策が喚起され、外出や運動を控えてエアコンの効いた室内で過ごす人が多くなった。しかしその結果、かえって9月に入り体調を崩す人が増えているという。これがいわゆる“9月バテ”だ。


 八木山すずきクリニック院長の鈴木雅貴氏が指摘する。


「主な原因は自律神経の乱れです。薄着で冷房をガンガンかけて、冷たい物を口にするといった夏の生活スタイルを9月以降も続けることによる『体の冷え』が一番大きい。また、9月に入ると朝昼夜の寒暖差が激しくなりますが、気温差が5℃を超える頃になると次第に体が温度変化に対応するのが難しくなってくる。これに加えて秋雨前線や台風による気圧の変化も自律神経の乱れにつながり、体調不良を引き起こすのです」


◆血管・内臓に深刻なダメージ


 症状としてはまず、「体がだるい」、「食欲がない」、「よく眠れない」といったものから、「頭痛・肩こり」、「めまい」、「便秘・下痢」、「微熱が続く」、「風邪がなかなか治らない」など様々だ。


 夏バテも自律神経の乱れによって体調不良が起こるメカニズムは同じだが、夏は暑さが原因なのに対し、9月以降は気温差や気圧の変化、夏の冷房疲れの蓄積による自律神経の乱れが原因という違いがある。そのため、夏バテは暑さが和らげば体調が回復することが多いが、9月バテはより症状が重症化しやすい。


「冷えたビールのガブ飲みや冷房のつけっぱなしを続けることで、血管や内臓は深刻なダメージを蓄積している。9月バテはそれが秋口になって噴出するのです」(日本老年精神医学会専門医で横浜相原病院院長の吉田勝明氏)


 胃腸などの内臓機能や血管の拡張・収縮、発汗による体温調節をすべて担う自律神経が乱れてしまうと、内臓機能や血管がダメージを受け、より重い病気にかかりやすくなるのだという。特に男性は女性よりも冷房の温度を低くする傾向にあるので、ダメージを受けやすい。


「とりわけ高齢になると体温調節機能が衰えていたり、免疫力が低下していることが多いので注意が必要です。この時期は持病が悪化して、亡くなる人も多い」(秋津医院院長の秋津壽男氏)


 動脈硬化や糖尿病などの持病を悪化させ、脳梗塞や心筋梗塞を引き起こしたり、胃潰瘍や逆流性食道炎、肺炎などにかかりやすくなる可能性もある。


 前出・A氏の例も血管にダメージを受けたまま放置していたことで起こってしまった脳梗塞だったということだ。


※週刊ポスト2019年9月13日号

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