今の時代に女子大を選ぶ価値
2019年9月3日(火)10時15分 リセマム
30年ぶりの大改革となる2020年大学入試改革。グローバル化や技術革新が進み、社会で求められる力も変化している。これから大学受験を控える高校生は、どのように未来を見据え、自分に合った大学選びを進めれば良いのだろうか。
アローコーポレーション企画・編集・発行「大学選びの新常識 2019年度版」より、高校生・受験生の親に役立つ情報を紹介する。
在学中だけでなく、女性の一生をサポートする教育がある
女性にとっての大学での4年間は、キャリアだけでなく人生をプランニングする大事な時期。女子教育に造詣の深いキャリアコンサルタントの上田晶美さんに、女子大学で学ぶ魅力を伺いました。
大学受験を迎える年頃は、一人の大人として独り立ちする大事な時期でもあります。しかし、高校までとは違った大学という教育環境に、我が子が馴染めるのか、保護者にとってはとても気になるところです。
実はいま、進学したものの大学という環境に馴染めず、早々に退学してしまう学生が増加しています。こうした流れを食い止めようと、各大学では多様な取り組みが採用されています。
なかでも、多くの女子大学が導入しているのが担任制。複数人の学生グループに対し担任教員を配置することで、学生一人ひとりに目が届き、それぞれの学生がどんな悩みを抱えているのかを把握します。これが中途退学の防止に大きく貢献しているようです。なかには授業を三回欠席すると、担任が本人に事情を聴き、場合によっては保護者に連絡を入れる、という大学もあります。
さらに、年頃の女性であるがゆえに、心のバランスを崩してしまうケースも、少なからずあるようです。そこで、女子学生の心理をよく理解しているカウンセラーや臨床心理士を学内に常駐させ、フォローしている女子大学もみられます。
カリキュラムから卒業生から学ぶ生き方
女性の社会進出が当たり前になった昨今ですが、仕事内容が男性と互角になった一方で、その環境にはいくつかの乗り越えるべき壁が存在します。それは結婚から出産、育児に至る女性特有のライフイベントです。
女子大学には、それらに備え「現代女性史」や「女性論」「ジェンダー論」といった科目が数多く設置されています。これにより、女性としての自らの立ち位置を見つめ、ライフイベントにも動じない自立した女性になるためのキャリアプランを組めるようになります。
また、これらのキャリアプランを考えるうえで、ロールモデル(行動の規範となる存在・お手本)となるOGの存在も忘れてはなりません。
近年の就職活動では、OG訪問が盛んに行われ、学生の大きな心の支えとなっています。これを単純に見ると、卒業生が多い総合大学が有利に映りますが、一概にそうとは言えません。総合大学は学生が多いぶん、就活生も多く、訪問される側が十分な時間を取って対応し切れないことも少なからずあるのです。
比較的規模が小さい女子大学では、そうなりにくい傾向があります。伝統的に家庭的な校風が根付いていることも多く、卒業生と学校、卒業生と在学生とのつながりも密接で、後輩の相談にも親身に乗ってくれます。卒業生の丁寧な対応が、自分の将来像を描く貴重な情報源となるのです。
強みを知り尽くした手厚い就職サポート
就職活動において、企業が求める能力として挙げられる「コミュニケーション能力」や「主体性」。女子大学ではこれらの能力も、学生生活の中で自然と磨かれます。女子大学では、サークル長もゼミ長もみんな女子。力仕事も自ら行わなければなりません。そこでリーダーとしての素養も磨かれますし、コミュニケーション力や主体性が身につきます。
さらに、社会人として求められるマナーも、多くの女子大学で礼儀作法やマナーが人間教育の基本と位置付けられ、常日頃から徹底されています。そうした点を高く評価し、女子大学に毎年一定の採用枠を用意している企業も少なくありません。
就職活動をはじめたとき、頼りになるのが大学の就職課です。女子大学の就職課には、女子採用を前提とした幅広い求人情報が集まります。そして就職課の職員は、優良な企業を学生それぞれの個性を見極めて紹介してくれます。職員に熱意があるからこそ、学生も力を発揮でき、それが女子大学の高い就職率として、表れているのかもしれません。
卒業後のフォロー体制も注目ポイント。女性は一度働きはじめても、結婚や出産といったライフイベントを機に、職を離れる場合があります。そうした卒業生に対して、再就職を支援している女子大学は数多くみられます。生涯にわたり、困ったときに頼れる存在になっていると、多くの卒業生が声を揃えるところです。
このように、女子大学は生涯を通して、女性を支える学びや制度に溢れています。ぜひ、みなさんも一度その中身を覗いてみてはいかがでしょうか。
<協力:アローコーポレーション>
アローコーポレーション企画・編集・発行「大学選びの新常識 2019年度版」より、高校生・受験生の親に役立つ情報を紹介する。
在学中だけでなく、女性の一生をサポートする教育がある
女性にとっての大学での4年間は、キャリアだけでなく人生をプランニングする大事な時期。女子教育に造詣の深いキャリアコンサルタントの上田晶美さんに、女子大学で学ぶ魅力を伺いました。
大学受験を迎える年頃は、一人の大人として独り立ちする大事な時期でもあります。しかし、高校までとは違った大学という教育環境に、我が子が馴染めるのか、保護者にとってはとても気になるところです。
実はいま、進学したものの大学という環境に馴染めず、早々に退学してしまう学生が増加しています。こうした流れを食い止めようと、各大学では多様な取り組みが採用されています。
なかでも、多くの女子大学が導入しているのが担任制。複数人の学生グループに対し担任教員を配置することで、学生一人ひとりに目が届き、それぞれの学生がどんな悩みを抱えているのかを把握します。これが中途退学の防止に大きく貢献しているようです。なかには授業を三回欠席すると、担任が本人に事情を聴き、場合によっては保護者に連絡を入れる、という大学もあります。
さらに、年頃の女性であるがゆえに、心のバランスを崩してしまうケースも、少なからずあるようです。そこで、女子学生の心理をよく理解しているカウンセラーや臨床心理士を学内に常駐させ、フォローしている女子大学もみられます。
カリキュラムから卒業生から学ぶ生き方
女性の社会進出が当たり前になった昨今ですが、仕事内容が男性と互角になった一方で、その環境にはいくつかの乗り越えるべき壁が存在します。それは結婚から出産、育児に至る女性特有のライフイベントです。
女子大学には、それらに備え「現代女性史」や「女性論」「ジェンダー論」といった科目が数多く設置されています。これにより、女性としての自らの立ち位置を見つめ、ライフイベントにも動じない自立した女性になるためのキャリアプランを組めるようになります。
また、これらのキャリアプランを考えるうえで、ロールモデル(行動の規範となる存在・お手本)となるOGの存在も忘れてはなりません。
近年の就職活動では、OG訪問が盛んに行われ、学生の大きな心の支えとなっています。これを単純に見ると、卒業生が多い総合大学が有利に映りますが、一概にそうとは言えません。総合大学は学生が多いぶん、就活生も多く、訪問される側が十分な時間を取って対応し切れないことも少なからずあるのです。
比較的規模が小さい女子大学では、そうなりにくい傾向があります。伝統的に家庭的な校風が根付いていることも多く、卒業生と学校、卒業生と在学生とのつながりも密接で、後輩の相談にも親身に乗ってくれます。卒業生の丁寧な対応が、自分の将来像を描く貴重な情報源となるのです。
強みを知り尽くした手厚い就職サポート
就職活動において、企業が求める能力として挙げられる「コミュニケーション能力」や「主体性」。女子大学ではこれらの能力も、学生生活の中で自然と磨かれます。女子大学では、サークル長もゼミ長もみんな女子。力仕事も自ら行わなければなりません。そこでリーダーとしての素養も磨かれますし、コミュニケーション力や主体性が身につきます。
さらに、社会人として求められるマナーも、多くの女子大学で礼儀作法やマナーが人間教育の基本と位置付けられ、常日頃から徹底されています。そうした点を高く評価し、女子大学に毎年一定の採用枠を用意している企業も少なくありません。
就職活動をはじめたとき、頼りになるのが大学の就職課です。女子大学の就職課には、女子採用を前提とした幅広い求人情報が集まります。そして就職課の職員は、優良な企業を学生それぞれの個性を見極めて紹介してくれます。職員に熱意があるからこそ、学生も力を発揮でき、それが女子大学の高い就職率として、表れているのかもしれません。
卒業後のフォロー体制も注目ポイント。女性は一度働きはじめても、結婚や出産といったライフイベントを機に、職を離れる場合があります。そうした卒業生に対して、再就職を支援している女子大学は数多くみられます。生涯にわたり、困ったときに頼れる存在になっていると、多くの卒業生が声を揃えるところです。
このように、女子大学は生涯を通して、女性を支える学びや制度に溢れています。ぜひ、みなさんも一度その中身を覗いてみてはいかがでしょうか。
<協力:アローコーポレーション>