ホンダ「N−BOX」を自腹で買って1年間乗ってみた!

9月4日(水)11時30分 週プレNEWS

ホンダ「N−BOX」は国内新車販売台数23ヵ月連続トップ!
ホンダ「N−BOX」は国内新車販売台数23ヵ月連続トップ!

8月6日に日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が発表した今年7月の車名別新車販売台数によると、N−BOXがぶっちぎりのトップ!

てなわけで、1年前にN−BOXを購入した小沢コージが人気の秘密を語る。

* * *

■売れに売れているホンダN−BOX!

しばらくこのクルマ以外いらんな。自腹で買った途端そう思い、1年後もその気持ちが続いている。そう、今も想定外の猛威で売れ続けている、軽スーパーハイトワゴンにして、オザワの愛車であるホンダN−BOXのことだ!

とにかくその売れっぷりは異様なレベルだ。N−BOXは初代が2011年に登場。翌年、軽カテゴリーで年間販売2位となり、その後は軽年販でほぼ1位! それだけじゃない。よりスゴいのは、17年9月に早めのフルモデルチェンジを敢行し、登場した2代目N−BOXだ。

基本コンセプトは変わらず正常進化しただけなのに、17〜18年は登録車まで含む全乗用車カテゴリーで2年連続販売1位に輝いた。つまり、トヨタ・プリウスや日産ノートまで超えた。しかも、今年上半期も売れ行きびんびん。シリーズ過去最高となる13万台超を売り、ぶっちぎりの1位だ。

ついでに直近7月も2位に約1万台差をつけて月販1位! おかげで2代目が登場してから23ヵ月連続で1位を記録し、オマケに累計200万台突破も79ヵ月で達成し、ホンダ車最速である!

しかもN−BOXの真のスゴさは、ウサイン・ボルトもビックリの後半の伸びにある! 普通クルマは"新車効果"といって、発売直後6ヵ月はよく売れる。しかしどんな人気車でも1年たてばその効果は薄れてしまう。ところが、N−BOXは違う。新車直後も売れるがそこからまた伸びるのだ。

実際に半期で最も売れたのは2年後の今年なのだから驚く。そのカラクリをホンダの担当エンジニアは、「お客さまに聞くと口コミなんです。近所の人が乗っていた、みたいな理由で買っていただけている」と語っている。

だが、もともとオザワは新型を買うつもりはなかった。初代も扱いやすいし、安けりゃそっちでいい。そう思い中古価格を調べてみたら軒並み100万円超え! 人気のクルマは中古も高い。

だったら新型で一番安いヤツでいい。世代が新しい分、下取りも絶対いいはずだし、先進安全のHonda SENSINGも標準だしとディーラーに向かった。そして昨年7月末に発注、2ヵ月待って納車されたのが車両本体価格138万5640円で諸経費込みで約160万円のホンダN−BOX「G Honda SENSING プラチナホワイト」だ。

人気車ゆえ値引きは数万円で、家族にラクさせてもしょうがないと片側電動スライドドアすらないグレードに。ただし、安全性能は落とせないとオプションでサイドエアバッグのみつけた。

しかし、ここは今猛省中で左側スライドドアはちゃんと閉めないと半ドアになりやすく、電動のがいいし、セット装備の助手席USB電源もないと不便だ。シガーライターから取ると足元からケーブルが絡まって非常に邪魔くさい。ほぼ10万円高だがHonda SENSING G・Lにすればよかった。

ちなみにナンバーは東京2020オリパラ記念の白プレートにした。発注時にディーラーに頼むのもいいが、お値段は2万〜3万円。しかし納車後に自分で交換手続きをすれば東京なら実費わずか7000円。発注から数週間かかったが、まったくもって簡単だった!

そんなN−BOX、1年間乗ったら人気の秘密がジワジワ伝わってきた。断言できるのは、とにかく麻薬的にラクなクルマなのだ。

走りがいいとか、スタイルがいいみたいなクルマ好きする話じゃない。日常的に実感する、どうでもいい部分が、目が覚めるほどラク。いわばビジネススーツからジャージに着替えて生活どころか仕事場まで行けちゃう。ユニクロのフリースを初めて着たことを思い出した。そんな感じだ。

基本的なことだがN−BOXは前列がベンチシートでリアはスライドドア。おかげで運転席から助手席に移って左ドアから降りるのもラクだし、壁際の駐車場も乗り降りしやすい。特にオザワ宅は、右壁ギリギリに止めないと降りられないウナギの寝床のような駐車場なのでホントにラクだ。今まで腰を曲げて運転席から助手席に移動していた自分を考えるといったいなんだったんだ!って思うほど。

座面も微妙に高めで、身長176cmのオザワからすると乗り降りしやすい。ココはオンナ子供を優先したライバル、ダイハツ・タントとの微妙な違いでもある。同時にシート自体も軽の割に座り心地がよろしく、その手が充実してない兄弟車N−VANにしなくてよかったとつくづく実感中。

さらに当たり前な話、全幅1.48mボディもホントラク。最近軽を日常的に使っていなかったオザワだが、ボディが小さいとここまで気楽なのかとガク然とする。もしやこれは自分が高齢オッサン化したせいもかもしれないが。

■マジ軽くさくないN−BOX!

N−BOXの優位点は乗っていて軽コンプレックスをほとんど抱かせないことだ。見た目的にホンダマークがデカく、わかりやすくホンダブランドを主張するだけでなく、N−BOXはウエストラインを高くすることでグラスエリアを小さくし、バスっぽく見えない工夫がされている。

ライバルは、どれも真四角な作業車デザインではあるが、微妙にN−BOXは乗用車っぽいのだ。乗っている人にはこういうところが重要である。

室内長&高共にクラストップ。子供は立って着替えられ、オザワはパソコン作業もできる!
室内長&高共にクラストップ。子供は立って着替えられ、オザワはパソコン作業もできる!

一方、内装のクオリティは明らかに高い。もちろん高級車みたいなソフトパッドや本革シートなどは一切使ってないが、樹脂クオリティが高く、なおかつデザインがいい!

ここは新型になったダイハツ・タントやスズキ・スペーシアとの大きな違いで、特にタントと比べてプラスチックのペキペキ感がない。ドア内張りの湾曲も登録車のフィットやヴェゼルあたりの技術がぶっ込まれており、明らかに乗用車感覚だ。

実際、助手席に人を乗せると口をそろえて言うのが「最近の軽ってこんなに広いの!」と、「普通のクルマと変わんない」。でも違うのだ。N−BOXは軽スーパーハイトワゴン特有の室内の高さがあればこそ軽でも狭く感じないのと、外観およびインテリアクオリティが高いから白ナンバーのフィットやトヨタ・アクアあたりに負けない感じが出せるのだ。

これこそがN−BOXの真のスゴさで、バカ売れの最大の秘密は軽以外の客、つまり、登録車からの乗り換え客を見事に奪っているってわけ。軽マーケットだけの狭い勝負をしていないのだ!

イマドキのダウンサイジングブームの裏には、ドライバーの高齢化と、「軽で十分!」と思う人が増えていることが挙げられる。しかし、トヨタからスズキ、ダイハツへの移行はなかなか踏み切れないという。やはりブランド的に都落ちのイメージがあるし、確かに軽ならでの微妙な安っぽさを感じる。

ところがN−BOXは違う。実際に乗ってみると手で触れる部分、つまりパーシブドクオリティが登録車並みに高い。

走りの性能にもいえることで、N−BOXは初代でも全然悪くなかった乗り心地、静粛性を2代目でさらに高くした上に、エンジン性能を上げている。オザワが買ったベーシックグレードのノンターボ車の性能もスゴい。

普通、初代から2代目へのフルモデルチェンジで、ボディは変えてもエンジンには手を入れないもの。だが、N−BOXは、この2代目にフルチェンジするタイミングでエンジンを完全新作にし、新しいボアストローク比と可変バルブタイミングのi−VTECをぶっ込んだ。その結果、ノンターボ軽では破格のpsの高出力とNmの高トルクを獲得!

ノンターボで58psの高出力と65Nmの高トルクは完璧クラストップ! 高速でも韋駄天!
ノンターボで58psの高出力と65Nmの高トルクは完璧クラストップ! 高速でも韋駄天!

2代目N−BOXはよほどのスピード狂でもない限り、ノンターボでも十分だ。ヘタなリッターカーのエンジン以上にギンギンだからだ。アクセルベタ踏みじゃないと流れに乗れないってことは全然ないし、それは3名乗車+スキー荷物を満載した状態でも変わらなかった。

さらに驚きは実燃費。遠出時こそ多少落ちたが、春から夏にかけ、エアコン入れっぱなしで2800km走って平均実燃費18.0km/リットル。マジでハイブリッドいらずよ!

実燃費がマジハンパないN−BOX。というか良好すぎ。真夏直前に2800km走って平均18.0㎞/リットルを記録した!
実燃費がマジハンパないN−BOX。というか良好すぎ。真夏直前に2800km走って平均18.0㎞/リットルを記録した!

むろん、タイヤサイズから来るハンドリングの甘さやブレーキの剛性感不足は多少ある。しかし、全般的には街中から高速まで目からウロコが落ちるほどラクで、Honda SENSINGの追従オートクルーズやレーンキープアシストがリアルに高速で使えるのもいい。

まさに走るジャージ。スーツのような堅苦しさはまったくなく、それでいて走り、質感、安全、使い勝手は登録車に劣るどころか一部超えているという規格外の軽。こりゃ売れるわな〜って感じよ。

●小沢コージ 
1966年生まれ、神奈川県出身。青山学院大学卒業後、本田技研工業に就職。90年に自動車誌の編集者に。著書に『マクラーレンホンダが世界を制する!』(宝島社新書)など多数。TBSラジオ『週刊自動車批評』レギュラー出演中。日本&世界カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

取材・文/小沢コージ 撮影/本田雄士

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