妻が60歳以上で無職だと「第3号被保険者」と「夫の社会保険の扶養」から外されるのでしょうか?

2024年9月6日(金)18時30分 All About

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、第3号被保険者について、専門家が解説します。

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。
今回は、第3号被保険者についてです。

Q:妻が60歳以上で無職だと「第3号被保険者」と「夫の社会保険の扶養」から外されるのでしょうか?

「妻が60歳以上で無職だと『第3号被保険者』と『夫の社会保険の扶養』から外されるのでしょうか? 『第3号被保険者』と『夫の社会保険の扶養』は同じことだと思っておりましたが」(匿名希望)

A:妻が60歳以上で無職、夫が会社員で在職中なら、夫の健康保険の扶養には入れますが、国民年金の第3号被保険者からは外れます

社会保険には「年金保険」と「健康保険」があります。夫の社会保険の扶養に入る」場合、扶養されている人は国民年金では「第3号被保険者」として取り扱われ、健康保険では「被扶養者配偶者」として取り扱われます。
どちらも「生計同一が必要であること」と「扶養される配偶者の年収130万円未満(60歳以上の配偶者は年収180万円未満)」という要件の共通点がありますが、年齢要件が異なります。
「第3号被保険者」とは厚生年金保険に加入している被保険者に扶養されている20歳以上60歳未満の配偶者に限られます。扶養される配偶者が60歳以上となると自動的に「国民年金の第3号被保険者」から外れるため、年金の扶養からは外れることになります。
一方で「夫の健康保険の被扶養配偶者」には年齢要件はありませんので、扶養される配偶者が60歳以上になっても、引き続き健康保険の扶養に入れます。
ご質問の件ですが、「第3号被保険者」と「夫の社会保険の扶養」は違い、「第3号被保険者」とは「夫の社会保険の扶養」に入った場合の国民年金保険上での取り扱われ方ということです。
質問者さんのように、60歳以上で無職の場合は、国民保険の第3号被保険者からは外れますが、健康保険の扶養には入ったままとなります。
文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)
銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。
(文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士))

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