フツーの焼肉屋にしか見えないけど... まさかの〝正体〟に8.7万人驚がく&感動「懐かし~」「嬉しい」
2024年9月7日(土)8時0分 Jタウンネット
突然だが、まずはこちらの写真をご覧いただきたい。
こちらは、石川県在住のXユーザー「HGS model」さん(@ModelHgs)こと東雄一さんが、2024年8月31日に投稿した写真だ。
壁の所々がひび割れた建物。その一階部分には、「焼肉山ちゃん」の看板と暖簾が掲げられている。
錆のあるトタン板の庇や、建物の前に停車したいかにも地元企業のものらしき社用車なども相まって、どこかノスタルジックな雰囲気が漂う焼肉店だ。
きっと中はちょっと煙っぽくて、前を通るだけでお腹がすく匂いが漂ってくるに違いない。多くの地元民が、この店を行きつけにしているんだろうなあ——何も知らなければ、きっとそう信じて疑わない人は多いだろう。
しかし、写真にはこんなハッシュタグとコメントが添えられている。
「#本物に見えたらリポスト
※写ってる空以外模型です」
えっ......これ、全部模型!?
きっかけは「お店のおばあちゃん」との約束
Jタウンネット記者は9月2日、投稿写真の焼肉店の「正体」について、改めて東さんに話を聞いた。
投稿にある通り、写真に写っているものは建物はもちろん、車や電柱、果ては背景の松の木まで、全て模型だ。
モデルとなっているのは、金沢市粟ヶ崎町に実在する焼肉店「焼肉山ちゃん」。東さん自身、20代の頃から通っているという。
そんな同店のおばあちゃんと、自身の趣味であるジオラマの話題で盛り上がり、「このお店のジオラマも作る!」と約束したのが制作のきっかけだった。
「それから月日が経ち、コロナ禍で創業50年を迎えた焼肉山ちゃんもお店を続けるかどうかって状況と聞き作り上げました。撮影は2023年3月に、自然光にてリアルな風景で撮影しようと思い野外で行いました」(東さん)
結果、思いのほか自然な雰囲気を醸し出せたと、東さんも満足の一枚になったという。
「長年営業してきた焼肉山ちゃんの歴史や雰囲気を大切に」
建屋の制作にあたっては、主にプラ板や木材をメインに壁材としてスチレンボード等を使って組み立て、それに塗装などを施して経年劣化した雰囲気を演出。
内部の細かな備品などは、3Dプリンターやペーパークラフトなどを活用して作成した。
より本物に見えるように、周りに並べる小物作りにも手間を惜しまない。例えば背景の松の木は針金で幹を作るなどして、停めている営業車は市販のプラモデルをそれっぽく加工して仕上げて、それぞれ並べているという。
「長年営業してきた焼肉山ちゃんの歴史や雰囲気を大切に、出来る限り忠実に再現出来るようにこだわって頑張りました」(東さん)
なお、モデルである「焼肉山ちゃん」は2023年5月に新装リニューアル。ひび割れた壁はすでに亡くなっている。
しかし昭和レトロ感たっぷりの"旧山ちゃん"は、新店内に飾られた東さん作のジオラマ模型として、お客さんたちに愛され続けているそうだ。
「店主のおばあちゃんにも大変喜んで貰えたことが私も大変嬉しいです」(東さん)
東さんが作り上げた、リアルすぎるだけでなく心温まるストーリーまで持つジオラマに、X上では8万7000件(2日夕時点)のいいねのほか、こんな声が寄せられている。
「これ模型なの!?」
「どこにある焼肉屋さんですか?!と聞きそうになりました!!完成度高すぎですね」
「焼肉食べたくなってきます」
「おぉ!リニューアル前の山ちゃんじゃないですか 懐かし〜 本物かと思っちゃいました!」「こういう形で残していただけるって嬉しいですね」