ガンプラファン絶賛「画期的」な転売ヤー対策 編み出したおもちゃ屋に聞いた

9月8日(水)6時0分 キャリコネニュース

ガンプラ棚の画像

手頃な価格で楽しめないとホビーは衰退する。しかし、対策に決定打はなく、メーカーや小売店が、さまざまな模索を続けているのが現状だ。そんな中、とあるおもちゃ屋の転売対策が「画期的だ」として、称賛を呼んでいる。(取材・文:箕輪 健伸)

その対策とは……?

その驚きの「対策」が、ネット民に知れわたったのは8月19日、「おもちゃのミッキー」のツイートがきっかけだった。本文は「ガンプラ少量ですが入荷しました」とする、何の変哲もない入荷宣伝ツイート。しかし、転売ヤーに苦しまされているファンたちは、そこに写りこんでいる一文を見逃さなかった。

その告知文には「当店では転売対策として、ガンプラ等一部の品薄商品をお買い上げのお客様にご購入時に内装開封と一部ランナーのカットをお願いいたしております」と記してあった。

ネット上のガンプラファンたちは、これに一斉に反応。「目からウロコ」「これは天才」「素晴らしい!全国に広まれ」などと、賞賛の声をあげた。

この「ランナー」とは、プラモデルのパーツ同士を繋げる「枠」のことをいう。なぜ、カットすることが転売対策になるのか?

ガンプラファン歴35年の50代男性は「プラモデルを自作するなら、パーツは遅かれ早かれランナーから切り離します。自分のように、実際に作る人にとっては、ランナーをカットすることに何の抵抗もありません」と語る。

しかし、転売屋にとっては別だ。内袋を開け、ランナーをカットすれば、その時点で「中古」になる。商品を直接確認できないネット通販で、誰がどんな風に扱ったかわからない中古品を高値で購入するのは、心理的にハードルが高い。

目先の売上より「常連のお客さん」が大事

愛知県名古屋市にある「おもちゃのミッキー」の店長・前田博さんは、この対策に乗り出したきっかけを次のように語る。

「見たことのないお客様が、特定の商品があるかどうかを聞いて、ないとわかると会話もせずにサッと帰ってしまう。これが悲しくて、対策を始めました」

「私たちは、常連のお客様を大切にしてきました。転売目的と思われる方に先に買われてしまって、常連のお客様に『その商品はもうありません』と言うことも辛かった」

目当ての商品が手に入らないなら、自作ホビーとしての魅力は下がっていく。常連の期待に添えない店は、ファンからも見放されていく。店としても対策を打ち出す必要があったのだろう。

「ただ、転売目的と思われるようなお客様であっても、こちらから『買わないで』とは言えません。そうしたことから、スタッフや常連のお客様とともに、この方法を考えました」

買うのが転売ヤーでも、目先の売上は変わらない。しかし、いつ来ても目当ての商品がない店だと、ファンの足は次第に遠のいていく。そして、移り気な転売ヤーが去ってしまえば、後には誰も残らない。

「うちは、目先の売り上げだけではなく、どれだけお店のファンを増やせるかを重視しています。そういった意味で、常連のお客さんに欲しいものを買ってもらえる工夫をする必要がありました」

実施前には悩んだことも

今回、おもちゃのミッキーの対策は多くの賞賛を受けたが、実は批判の声も覚悟していたという。それは、こんな理由からだ。

「プラモデルを買ってもすぐに作らないで置いておく、"積みプラ"が好きなお客さんもいます。そういった方のなかには、ランナーをカットすることはもちろん、箱を開けるのも嫌だという人も少なくありません。キレイなまま保存しておきたいという気持ちは、私にも理解できます。そういった方から反発を受けてしまうのではないかと悩みながらのスタートでした」

しかし、そうした心配も今のところ杞憂に終わっている。おもちゃのミッキーの転売対策は、99%以上のお客さんから好意的に受け止められているという。

前田さんは、転売をする人に対して、「転売自体は法律違反でもありませんし、止められません。ただ、本当に欲しい人が買えなくなるような極端な買い占めや、高額転売はやめてほしいです。今回の対策が、その一つのきっかけになれば嬉しいですね」と話していた。

最近は、買い占められて高値転売されている商品について、メーカー側がタイミングよく「追加生産」を発表するケースも出てきた。こんな風に対策が積み重なっていけば、転売ヤーもいつか音を上げるかもしれない。

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