地球上には存在しない鉱物が隕石の中に閉じ込められていた。新たに発見された宇宙鉱物(米研究

9月9日(月)20時30分 カラパイア

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Museums Victoria/CC BY 4.0

 70年前に発見された隕石の中に、地球外の鉱物が閉じ込められていた。その鉱物は地球上では自然に形成されることがない、文字通りの宇宙鉱物だという。

 その隕石は、1951年、探鉱者のホットスポットとして知られている、オーストラリア、ビクトリア州ウェダーバーン付近で発見されたウェダーバーン隕石だ。

 大きさはレモンくらいで、重さは210グラム。赤と黒でまだら模様をしており、研究者の好奇心を大いに刺激し、これまで幾多の分析を受けてきた。

 そして今回、「エドスコッタイト(edscottite)」と名付けられた宇宙鉱物が新たに発見されたのだ。

・ウェダーバーン隕石に含まれていた未知の鉱物

 ウェダーバーン隕石の中には、金や鉄のほか、カマサイト、シュライバーサイト、テーナイト、トロイライトといった珍しい鉱物が含まれており、次々と発見されてきた。

 しかし、なんどもなんども削られた結果、今では元々の大きさの3分の1程度にまですり減ってしまい、現在ではビクトリア博物館によって大切に保管されている。

 今回新たに発見され「エドスコッタイト(edscottite)」と名付けられた未知の鉱物も、そのようなウェダーバーン隕石に含まれていたものだ。

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Museums Victoria/CC BY 4.0

 その名は、第一発見者であり、化学成分を分析した宇宙化学者エドワード・R・D・スコットにちなんだもの。


・地球上には存在しない珍しい鉱物

 鉱物は化学成分と結晶構造で定義される。たとえば、ダイヤモンドとグラファイトはどちらも炭素でできているが、結晶構造が異なるので互いに区別される。

 1970年代当時、鉄原子と炭素原子で構成されていることまではわかったが、結晶構造までは解明されなかった。

 だが、このほど、米カリフォルニア工科大学のマ・チー氏らが電子顕微鏡と電子プローブで解析し、エドスコッタイトの結晶構造を解明することに成功。これによって、新しい鉱物であると認定された。

 地球上では自然に形成されることがない、非常に珍しい鉱物だそうだ。

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Museums Victoria/CC BY 4.0

・初期太陽系の名残り

 マ氏によると、ウェダーバーン隕石は「何らかの理由でコースから地球へ向かって押し出された」小惑星が起源である可能性が高いという。

 小惑星自体は、初期太陽系に他の天体と衝突した小さな惑星の破片だろうとのことだ。エドスコッタイトはウェダーバーン隕石のようなニッケルを豊富に含む鉄の隕石がゆっくりと冷える過程で形成されたと推測される。

 「どんな鉱物にも声があって、その物語を語ってくれます」とマ氏は話す。

 「新しく見つかる地球外鉱物は、それぞれが特徴的な形成環境を表しており、原始太陽系星雲や小惑星、月や火星といった場所で生じているプロセスの手がかりを与えてくれます。」

 マ氏らは、今後他の隕石にもエドスコッタイトが含まれていないか調査を進める予定だそうだ。

 この研究は『American Mineralogist』(8月28日付)に掲載された。

References:museumvictoria / express.co.uk / sciencealert/ written by hiroching / edited by parumo

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