山手線に出没する「目も鼻もない少年」!目が合うとニタッと笑う…“霊の入り口駅”とは!?

2024年9月8日(日)7時0分 tocana

【シリーズ】鉄怪探偵一銀の鉄道怪談報告書・山手線


■目も鼻もなく、口元だけが笑っている


「また出たそうですよ。山手線の謎の男の子が」


 鉄道ファンの星野さんから報告が入った。山手線に男の子の幽霊が現れるというのだ。


 早速事情を聞くために筆者・鉄怪探偵一銀は山手線のホームへ向かった。東京の山手線といえば1周約1時間の環状線。終着駅がなく終日回り続けているため、たとえばくりぃむしちゅーの2人は売れない芸人時代、暑さをしのぐためにずっと山手線に乗り続けていたという話もある。つい寝てしまい、気がつくと1時間以上経っていて1周してしまっていた……、という話も多い。


「つまり、山手線っていうのはある種『無限ループ』でもあるんですよ」と、星野さん。無限ループは抜け出せない結界ともいえるだろう。


「噂によると、鉄道が大好きだった子供が、いつも写真を撮りにきていたそうなんですよ。最初は乗るのが好きだったのに、親にカメラを買ってもらったら撮るのが好きになる。よくあることですよ。ある日、この山手線のとある駅の端のほうで写真を撮っていたら、カメラのレンズを落としちゃったそうで。レンズは5万円くらいしますからね。怒られる! と咄嗟に思ったんでしょう。レンズを拾うためにパッと飛び降りちゃったんですね。そうしたらそこに電車がやってきて轢かれてしまったという…」


 どうやら、その電車事故で亡くなった子供がこの山手線の車内に出るようだ。その子は、満員電車では見かけないが、深夜近くになると現れる。首から大きなカメラを提げているそうだ。


「最初は、全然気にしていないんですけれど、なんでこんな時間に小学校低学年くらいの男の子がいるんだ? と皆思うようです。席が空いても座らないので不思議だなと思って見ていると、目が合うそうですよ。ニターっと笑ったその時、『ああ、この子、口しかないんだな』と気づくらしいのです。目や鼻は見えない。口元だけが笑っている感じ。想像するだけで怖いですよね。だけど目をそらしてもう一度見ると、男の子は消えているそうです」


■男の子が出現するエリアは


 こうした幽霊談は多い。酒に酔っているからと自分に暗示をかけて、見なかったことにしようと思うと見えなくなる、ともいうし。しかし、深夜にだけ出現するのだろうか? 星野さんは答えた。「白昼にも閑散としている時間帯ってあるでしょう? そんなときに見たという話も聞きますよ」。


 いや、その子供は深夜や閑散としているときだけではなく、満員電車の時間帯にもいるかもしれない。その子は電車が大好きだったのだから、事故で亡くなった後もずっと一緒に乗っているのではないか、と私は感じたのである。


「目撃されるのは、田端駅、日暮里駅あたりだそうですよ…京浜東北線と重なる駅あるでしょう、秋葉原もですね。なぜかはわかりませんが、あの辺りの駅を通過するときに見かけるんだそうです。無限ループの霊の入り口なのかもしれませんねえ。同じく歴史の深い路線も並んで走っている、ということは」。星野さんは静かに話した。


 もしかすると、男の子は青い京浜東北線を写真に収めたいから出てくるのかもしれない。普段は山手線の中に住んでいるけれど…。


 


※当記事は2018年の記事を再編集して掲載しています。

tocana

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