「ロマサガ」シリーズの思い出 ドラクエ、FFには人気で一歩劣るものの熱烈なファンが多い理由
2018年9月11日(火)12時45分 キャリコネニュース
1992年にスクウェアから発売された『ロマンシング サ・ガ』。スーファミ用のRPGとしてリリースされた本作は、ロマサガとの略称で多くのゲーマーに愛されることとなる。
明確な目的なしにやたらと戦闘すると、どんどん敵のレベルが上がっていき、味方の戦力不足に悩まされるバランス。「はい」「いいえ」ではなく「ゆずってくれ!」「ころしてでもうばいとる!」という選び甲斐のある選択肢。
何より、ロマサガと言えばこの人、河津秋敏氏入魂のストーリー展開など、いわゆる日本のRPG二大巨塔であるFF、ドラクエに次いで知名度の高いRPG。それがロマサガシリーズなのだ。(文:松本ミゾレ)
「ロマサガ好きって言うと、男子から驚かれた」という声も先日、ガールズちゃんねるにて「ロマサガシリーズが好きな方」というトピックが登場した。現在このトピックを立てた人物は、ロマサガ3をプレイ中だという。トピックには、過去にロマサガを遊んだことのある人々の書き込みが多数寄せられている。
掲示板の性質上ほとんどは女性による書き込みと思われるが、ロマサガ好きに性別なんて全く関係ない。いくつかシリーズをプレイしたことのあるユーザーの琴線に触れた声を紹介していきたい。
「ロマサガ好きって言うと、男子から驚かれた。 自由度はあったけど、選択肢で変わる展開が良かった」
「ロマサガ2、友人が『進まなくなった』『フィールド歩くだけで怖い』って言っててデータ見せてもらったら、七英雄ぞろぞろいて、装備も技も弱くて、でも雑魚敵にキマイラやトウテツが出てた。 普通のRPGと違うんだよー」
「ロマサガ1の魔の島に連れてったおじいちゃん、『思い残すことは何もない』て言ってて少しして戻るといないのは死んじゃったのかなぁと子供ながらに悲しくなってた」
「ジュエルビースト怖すぎる」
と、こういった具合に「ああ、ちゃんとプレイしてるなぁ」と思える書き込みが結構多かった。トピックのタイトルの都合上、ロマサガシリーズに限って紹介したんだけど、以降発売される『サガフロンティア』、『サガフロンティア2』、『アンリミテッドサガ』についての書き込みもチラホラ。
サガシリーズの地味で目立たないながらもファンを根強く惹きつける魅力を再確認した思いだ。
サガシリーズを特徴づけているイラスト、音楽、シナリオ性ロマサガに限らず、サガシリーズはなぜ一部のファンに熱烈に支持されるのだろうか。これはもう、サガシリーズのファンであれば誰しもがすぐにその理由について思い当たることだろう。
ずばり、シリーズの多くのタイトルでキャラクターデザインを手がけ、美麗なイラストを手がけている小林智美氏の存在感あってのことだと僕は考えている。ドット絵で表現されたキャラクターの、いわゆる高解像度版を小林氏のイラストが担うわけだが、これが世界観にマッチしていて、非常によく馴染んでいるのだ。
次に音楽。一部タイトルを除き、伊藤賢治氏が長年担当している。サガシリーズには耳に残るかっこいいサウンドが異常に多いが、こういったナンバーは俗にイトケンサウンドとしてファンに重宝されている。
そしてやはり、冒頭でも触れたが、シナリオを河津秋敏氏がこだわり抜いて用意している点も見逃せないところだ。ゲームのキモはCGやら人気声優を揃えるところではなく、あくまでの話のスジにある。そのスジが、それこそ作品によっては年表単位で細かく書き込まれているのが河津氏の手がけるシナリオの特徴だ。
シナリオに破綻がないことで、世界観は維持される。世界観が維持されることで小林氏のイラストにもますます魅力が高まる。そうして肉付けされた作品世界に、イトケンサウンドが加わって、そうしてサガになるのだ。
まだサガシリーズに触れたことがないという方は、今からでも遅くない。どのタイトルでもいいので、プレイしてみてもらいたい。今だと『サガ スカーレット グレイス 緋色の野望』はオススメだ。PPS4やPC、スマートフォンなど複数環境に対応しているので、かなり遊びやすい上に、サガらしさも健在だ。