中高生の通学時の自転車事故…9年連続ワースト1位はどこ?
2023年9月11日(月)16時15分 リセマム
調査は、交通事故総合分析センター(ITARDA)から提供を受けた2022年1月〜12月の事故データを自転車の安全利用促進委員会メンバーで、日本シェアサイクル協会会長/自転車政策・計画推進機構理事長の古倉宗治氏監修により、調査・分析。9月21日から始まる「秋の全国交通安全運動」にあわせて結果を公開した。
2022年通学時の事故件数は、2021年に比べ、中学生はやや増加・高校生は減少している。コロナ禍の外出制限等により、もっとも落ち込んでいた2020年と比べると2021年以降、徐々に緩和されたことにより、増加傾向になっている。全国の1万人あたりの事故件数は、中学生が4.90件(2020年4.19件)、高校生が22.38件(2020年19.50件)と、活動的な日々に戻ることができた一方で、自転車事故も増えてしまう結果となった。
都道府県別では、2021年に比べ、1万人当たりの自転車事故件数で、9年連続ワースト1位の「群馬県」は、自転車事故件数が中学生・高校生ともに減少した。
中学生の1万人当たりの通学時自転車事故件数ワースト3は、1位「群馬県」、2位「香川県」、3位「佐賀県」。高校生では1位の「群馬県」に続き、2位「静岡県」、3位「徳島県」となった。
また、通学時に中高生が加害者になった場合の自転車事故では、全体の約2割(中学生20.1%、高校生19.7%)が自転車側(中高生)の加害事故であることがわかった。
都道府県別の加害者割合ランキングでは、東京都(中学生56.4%、高校生49.1%)や栃木県(中学生50.0%、高校生37.6%)は、中学生、高校生ともに加害者割合が高いことが明らかになった。
さらに、通学自転車事故の相手方は中高生ともに8割強が自動車であること、2023年4月よりヘルメット着用の努力義務化がはじまったが、中学生の3割、高校生の9割が着用していないことが明らかになった。自転車乗用中の死亡事故は、約6割が頭部に致命傷を負っており、ヘルメットを着用していなかった方の致死率(死傷者のうち死者の割合)は、着用者に比べ約2倍も高くなっているという。頭部損傷、死亡事故を防ぐためにヘルメット着用の促進が急務だとしている。
自転車事故が実際に発生している個所では、圧倒的に「交差点」が危険であり、ついで「歩道」「車道」となっている。事故の自転車側の人的要因(ミス)では、発見の遅れ(認知ミス)が半数以上で、双方が直角に交錯することが多い交差点は事故比率が高くなることに繋がっている(中学生70.7%、高校生71.2%)。