ドラァグショーは「癒しのプロセス」製作ペアが語る「WE’RE HERE」

2020年9月12日(土)19時0分 シネマカフェ

「WE‘RE HERE ~クイーンが街にやってくる~!」 (C)2020 Home Box Office, Inc. All Rights Reserved. HBO(R) and related channels and service marks are the property of Home Box Office, Inc. All Rights Reserved.

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大人気のドラァグクイーンが贈る「HBO」初リアリティショー「WE‘RE HERE 〜クイーンが街にやってくる!〜」がAmazon Prime Videoチャンネル「スターチャンネルEX -DRAMA & CLASSICS-」にて全話独占配信中、「BS10 スターチャンネル」にて放送中。本年度エミー賞にノミネートされた本作の製作総指揮のスティーヴ・ウォーレンとジョニー・イングラムのインタビューが到着した。

本番組は、米国でカリスマ的人気を誇る3人のドラァグクイーンが、LGBTQ+に不寛容で保守色の強い田舎町を訪れ、悩みを抱えた依頼人やその家族に一夜限りのドラァグショーをプロデュース。ショーを通じて変わっていく依頼人の姿が、観る人に一歩前に踏み出す勇気を与え、様々なバックグラウンドを持つ人々のドラァグショーに感動で毎回胸が熱くなる展開に。


きらびやかな衣装やコミカルな笑いのシーンを挟みつつも、LGBTQ+への理解や多様性、自分らしく生きる素晴らしさをドラァグショーを通じて伝え、社会的側面もしっかり収めていることから「Rotten Tomatoes」(批評家票)で100%フレッシュ、IMDBで8.0点と本国アメリカでも高評価。

エミー賞ではこれまで、一昨年は3冠、昨年は4冠と連続受賞を果たした大人気リアリティ番組「クィア・アイ」シリーズや、2009年から現在まで12シーズンの放送が続いており、本年度エミー賞にもノミネートされている長寿番組「ル・ポールのドラァグ・レース」シリーズと並び、今年初登場ながら、本年度エミー賞で作品賞にノミネート、すでにシーズン2の製作もすでに決定している。


本作の製作総指揮を務めた2人はこれまでテレビ製作経験ゼロであった、長年ハリウッドで弁護士を務めたスティーヴ・ウォーレンとマーケティング並びに宣伝業界の経歴を持つジョニー・イングラム。公私にわたってパートナーである彼らが、今回いかにしてこの番組の実現に至ったのか、毎エピソードで繰り広げられるパフォーマンスや音楽、番組成功の秘密についてインタビューで語った。

番組のアイディアがどのように生まれたか、スティーヴはジョニーと休暇で訪れたメキシコでのある1日がきっかけだったと語る。「雨の日にいつもより長い時間 TVを観て過ごしたことがあったんです。その時に自分たちが観てみたい番組、そして今この世界が必要とする番組についていろいろ考え始めたんです」。

「ジョニーと僕は政治や社会に高い関心を持っていて、“分断”が進む世界の現状を憂いていたんです。人と人が共感しあったり、つながったりすることが無くなっているよね。そこで、もしドラァグクイーンたちが小さな町を訪れたらどんな事が起こるだろう、と考えたんです」という。


また、ドラァグのアート性に注目したジョニーは、「僕らはドラァグをひとつのアートの形として捉えているんです。ドラァグへの関心は日々高まってきていて、昨年にはメットガラでも披露されたんです。ようやく然るべき評価を受けるようになってきたんです。パフォーマンスアートであるドラァグの物語的な側面にスポットライトを当てたかったんです」と語った。

番組に登場するドラァグクイーンを選んだ理由については、「直感に導かれたんです。彼ら以外のドラァグクイーンを探すことさえありませんでした」とスティーヴ。「ドラァグクイーンは3名必要だと確信していました。トップクラスのパフォーマンススキルとユニークさ、そして僕らの個人的な志向を満たす人たちがね。そして何より共感能力が高くて、アメリカ中のLGBTコミュニティとつながりを持っている人たちを求めていたんです。そうでなければこの番組は成り立たない。この3人が一緒になれば完璧だとわかっていました」。


また、本番組がその他のリアリティショーと異なった特徴の一つに、LGBTQ+に不寛容で保守的な街であえて撮影を行っている部分である。スティーヴは、「僕らが訪れる町自体が、ある種の特徴や問題を抱えた場所でもあったんです。例えば第1話に登場するゲティスバーグには南北分断の歴史がありました。ファーミントンという町は自死(自殺者)率が高いところです」と説明する。

「全米中の小さな町がそれぞれに抱えている物事があり、僕らはそれをドラァグパフォーマンスという独自の機会を通じて語ってもらうんです。ドラァグショーが街の人々の心を開く癒しのプロセスになるということ」と訪れる町、それぞれの問題とドラァグショーの関係を語ってくれた。


そのほか音楽のチョイスも「すべてジョニーのセレクト」だそう。「僕らは数多くのアーティストたちをフィーチャーしたいと考えていたんです。特にシーア・ダイアモンドという黒人トランスジェンダーアーティストはずっと前からチェックしていました。GLAADや友人で有名ソングライターのジャスティン・トランターを通じて彼女とタッグを組んで第1話を手掛けたんです。彼女も気に入ってくれたから、よかったらこの番組のテーマ曲を作ってみないかと打診してね。そこで完成したのが『I Am America』というわけです。この番組のテーマ曲で最初の2話のクレジット部分でも流れています」。

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