通学時の自転車事故、コロナ禍で減少…都道府県別ワースト1は?

2021年9月14日(火)10時15分 リセマム

自転車事故・交通事故の推移

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自転車の安全利用促進委員会は2021年9月10日、全国都道府県別の中高校生の通学時における自転車事故発生件数について調査・分析結果を発表した。コロナ禍で事故件数は大幅に減少したが、一部の都道府県で増加。ワースト1は、中学生が「香川県」、高校生が「群馬県」だった。

 調査は、交通事故総合分析センターITARDAから提供を受けた2020年(1月〜12月)の事故データについて、自転車の安全利用促進委員会のメンバーで、自転車駐車場整備センター自転車総合研究所所長の古倉宗治氏の監修のもと調査・分析。9月21日から「秋の全国交通安全運動」が始まるのにあわせて結果を報告した。

 2020年の事故データは、新型コロナウイルス感染拡大によりさまざまな影響を受けていると考えられ、通学時の自転車事故件数は中学生19.8%減、高校生19.5%減と、中高ともに前年より2割程度減少した。2020年の自転車事故全体では、前年に比べて15.9%減少している。

 その一方で、都道府県別データでは、約2割の都道府県で前年より1万人あたりの事故件数が増加。中学生では約3割、高校生では約2割が、前年より1万人あたりの自転車事故件数が増えている。

 ランキングにすると、中学生のワースト3は1位「香川県」、2位「群馬県」、3位「徳島県」。1万人あたりの事故件数は、香川県21.66、群馬県21.39、徳島県16.08。香川県は前年より18.6%事故が増え、ワースト1となっている。ワースト3の徳島県も前年より9.6%事故が増加している。

 高校生のワースト3は、1位「群馬県」、2位「静岡県」、3位「宮崎県」。1万人あたりの事故件数は、群馬県88.11、静岡県58.06、宮崎県33.01。いずれも前年より事故件数が減少しているが、ランキングに変動はなく、群馬県は調査開始から7年連続のワースト1となった。

 また、自転車通学中の中高生が加害者になった場合の事故を調査したところ、通学時の事故全体で中学生20.3%、高校生19.3%が自転車側の加害事故となっていた。全国計では、前年を上回っている都道府県が中学生で22道府県(47%)、高校生で29都道府県(62%)にのぼった。

 都道府県別にみると、高校生では自転車側の一当率(加害者になる率)が40.2%で「兵庫県」がワースト1になっており、自転車側が加害者となる事故は約2.5人に1人。中学生では、「高知県」と「沖縄県」が同率の50.0%でワースト1であった。

 調査を監修した古倉氏は「通学時の事故全体の約2割が自転車側の加害事故となっています。事故の加害者になった場合、多額の損害賠償が必要となるケースもありますし、何より生徒自身のその後の人生に精神面を含めて大きく影響してしまいます。昨今では自転車保険の義務化の自治体も多くなってきていますが、加入率は全国で59.2%です。自転車は自動車同様“車両”なので、加害者になってしまったときのリスクも考えて自分が自転車保険に入っているか・保障内容は十分か、今一度確認するようにしましょう」とコメントしている。

リセマム

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