コロナ禍でふるさと納税はどう変わった? 返礼品だけじゃない「応援」の形

9月16日(水)7時0分 マイナビニュース

新型コロナウイルス感染拡大の影響にともない、多くの業種でさまざまな影響が出ているが、ふるさと納税の返礼品やポータルサイトの取り組みにも変化が見られるという。そこで、ふるさと納税ポータルサイト「さとふる」を運営する、さとふるの坂平由貴さんに話を聞いた。
○「応援消費」を呼びかける返礼品が増加

——新型コロナウイルス感染拡大以降、返礼品のラインナップに変化はありましたか?

新型コロナウイルスの影響で多くの事業者が売上減などの影響を受けています。ふるさと納税では、複数の自治体や事業者が、売上減少に苦しむ地域の事業者の支援を目的に、通常よりも寄付額を低く設定したり、内容量を増量したりするなど、返礼品の仕様を変更する取り組みが見られました。

とくに4月の緊急事態宣言で外出自粛が呼びかけられたこともあり、事業者支援と合わせ、寄付者の「お家時間」を応援しようという動きも見られました。さとふるに登録されている返礼品の中では、「応援」「支援」がタイトルにつく返礼品が今年の3月から5月で約24倍に増加するなど、ふるさと納税を通じた「応援消費」を呼びかける動きが高まっていました。

——反対に、新型コロナの影響で出品されなくなった返礼品などはありますか?

ふるさと納税には、地域のマラソンイベントの参加券や花火大会のチケットといった体験型の返礼品がありますが、新型コロナウイルスの影響で地域のイベント開催がなくなり、返礼品提供ができなくなってしまったという事例はいくつかあるようです。

また、旅館やレストランでも新しい生活様式にのっとった対応を検討するための一時休業や、ランチタイムを一時的に休止したなどの理由で返礼品提供を取りやめたという事例もありました。
○70%以上の事業者に大きな影響が

3月末に同社が返礼品事業者を対象にアンケートを行ったところ、「新型コロナウイルスの感染拡大で事業に影響は出ていますか」という質問に対して、回答者のうち72.7%が「大きな影響が出ている(37.0%)」「どちらかといえば影響が出ている(35.7%)」と回答したという。具体的な影響としては、63.0%が「売上の減少」と回答し、減少率は順に「2割程度(23.8%)」「3割程度(22.1%)」と、非常にたくさんの返礼品事業者が影響を受けていることがわかった。

——コロナ禍の事業者への影響について、具体的な事例などはありますか?

北海道むかわ町の本ししゃもを扱う事業者が、参加を予定していた春の物産展などが約50カ所も中止となってしまい、売上が7割以上減少してしまったという事例や、滋賀県大津市の温泉旅館では3月時点で前年比7〜8割の減収となってしまったという事例も聞いています。

このほかにも、埼玉県羽生市で学校ジャージを作っている事業者が、休校により売り上げが7割減となってしまったなど、新型コロナウイルスの感染拡大により広い業種の事業者が影響を受けていることを実感しています。

——ふるさと納税を通じて、そうした事業者を応援することもできるのでしょうか?

はい。さとふるでは、返礼品を伴う寄付による応援を呼びかけるため、観光関連、花き関連事業者の返礼品を紹介する「新型コロナウイルス関連 ふるさと納税応援・支援サイト」や、コロナ禍でも試行錯誤して新しい取り組みを行っている返礼品事業者を紹介する特集などを開設していました。

また寄付者に向けても、春の自治体の景色をお届けする「自宅で楽しめる、2020年ふるさとの春」特集や、オンライン帰省時でも離れた家族と楽しい時間を過ごすことをご提案する「オンライン帰省を楽しむ ふるさと納税お礼品特集」も公開しました。

新型コロナウイルスで外出がしづらい状況の中、地域の魅力を伝えることでみなさまに地域を応援していただきつつ、お家時間を楽しんでもらいたいという想いのもと、さまざまな切り口のご紹介をしています。
○ふるさと納税で医療従事者を応援できる

——ふるさと納税を通じてできる、自治体や医療従事者などへの支援について教えてください。

まず自治体向けには、新型コロナウイルス関連の医療対策を実施する自治体の支援を目的とした「新型コロナウイルス医療対策支援寄付サイト」で、返礼品を伴わない寄付の受け付けを行っています。8月28日時点で15自治体の寄付を受け付けており、約4億3,000万円(約12,100件)の寄付が寄せられています。

本サイトでは、ふるさと納税制度を活用して掲載自治体に1,000円から1円単位で寄付することが可能で、寄付者は本サイトを通じて、新型コロナウイルス感染症の治療・感染拡大防止活動に従事する医療関係者の方などを支援できます。

また本支援に関しては、自治体から弊社への支出が発生せず、寄付決済手数料も弊社が負担します。つまり、寄付の募集に際して自治体が費用を一切負担することなく、寄付者の善意をそのまま自治体へお届けできるのです。

——これらの支援は具体的にはどのように活用されているのですか?

たとえば、本支援サイトからも寄付を募集している「大阪府新型コロナウイルス助け合い基金」では、集まった寄付の一部で、5月中旬から6月末までに新型コロナウイルス感染症に関する医療や療養に尽力された医療従事者やホテル従業員の方々に、QUOカードやメッセージカードを贈呈したそうです。大阪府のホームページでは、贈呈数や贈呈を受けた方からの声なども紹介されています。
○寄付前に上限額の確認を

今年は、これまでのような豪華な返礼品や節税だけを目的としたふるさと納税とは、様子が変わってきているようだ。

なお、ふるさと納税の控除上限額は年収や家族構成によって変わるので、例年に比べて年収が変わる可能性がある場合にはとくに注意が必要となる。厚生労働省のホームページや各ポータルサイトなどでも計算ができるので、寄付前に確認してみてほしい。

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