期間限定! 『文学とビール』展で森鴎外と味わう麦酒「モリキネビール」とは?

2019年9月16日(月)10時50分 食楽web


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 明治の文豪、森鴎外が大のビール好きだったということをご存知ですか? 鴎外のビール愛が伝わるエピソードをはじめ、ビールが印象的に登場する文学作品などを紹介するコレクション展『文学とビール‐鴎外と味わう麦酒(ビール)の話』が、文京区立森鴎外記念館で開催中です。

 展覧内容は「鴎外のビール体験」「文学とビール」の2部構成。さらに今回、記念館初の試みとしてオリジナルクラフトビール「モリキネビール」がリリースされ、鴎外ファン、文学ファンはもとより、クラフトビールファンの間でも話題になっているんです。コレクション展開催期間限定の「モリキネビール」。さっそく館内のカフェで味わってきました。

「モリキネビール」はどんな味わい?

 今回『文学とビール』展開催を記念して限定醸造された「モリキネビール」を手がけたのは森鴎外生誕の地、島根県江津市にある「石見麦酒」。地元の自然の恵みを最大限に生かし、滋味豊かでバリエーションに富んだブリュワリーです。


モリキネビール800円

 萩・石見空港で採蜜されたハチミツと4種のアロマホップを組み合わせ、爽やかな苦味とスッキリとした喉ごしが特徴です。草花を愛した鴎外にちなみ、花の酵母を使用し、フルーティなニュアンスで「女性のお客さまにも大変ご好評いただいています」と、広報・上岡さん。


鴎外の書籍や関連書物などもあり、文学カフェの趣き。カフェのみの利用も可能です。10:30〜17:30(L.O.17:00)※カフェの営業時間は記念館と異なります

「モリキネビール」が味わえるのは併設の「モリキネ・カフェ」。カフェではドイツ・ロンネフェルト社の紅茶や各種ドリンクをはじめ、ドイツパンの店『タンネ』のプレッツェル、千駄木の人気店『コシヅカハム』のセミドライソーセージなどを扱ったプレートやサンドイッチなどの軽食が楽しめます。


モリキネビール+クラッカー(1袋)セット1000円。ビールのお供にちょうどいい軽さのクラッカーも美味。また、モリキネビールはミュージアムショップでも販売中。730円

大充実の展示をご紹介!

 コレクション展『文学とビール』の展示も実に興味深いものでした。

 森鴎外が陸軍軍医としてドイツに留学したのは1884年。留学生仲間らとカフェや醸造所を訪ねたり、今では日本にも定着したビールイベント「オクトーバーフェスト」に参加したことなどが留学中の『独逸日記』に綴られています。


留学中に森鴎外が誕生日祝いに贈られたビールジョッキ。帰国後も千駄木の観潮楼(現・文京区立森鴎外記念館)の書斎に大切に飾っていたそう。(画像提供:文京区立森鴎外記念館)

 当時、500mlジョッキ3杯が限界だったという鴎外は、25杯もあおるドイツ人の飲みっぷりに驚愕したことや、自ら被験者となって「ビールと利尿作用について」研究し、学会で発表したことなど、鴎外のさまざまなビール体験を知ることができます。

 また、来客をビールで迎えもてなしたり、お礼にビールを贈ったりと、森家とビールの関係にも触れることができます。


鴎外の妻志げが、鴎外の友人である耳鼻科医・賀古鶴所(かこつるど)に宛てた手紙。診療のお礼に浴衣とビールを贈ったと記されています。(画像提供:文京区立森鴎外記念館)

 鴎外と同時代の文学者たちもビールのある風景を作中に描いています。お祝いの席や晩酌シーン、酒場やカフェなど、ビールに着目して作品をひもとくと、当時の時代背景やビールの歴史(受容史)を知ることもでき、無性にビールが飲みたい衝動に駆られます。


夏目漱石『吾輩は猫である』下編では、猫がビールを飲んで酔っ払う場面も

 長引く残暑に滅入るばかりですが、やがて訪れる秋。そして秋といえば、読書の秋。文学とともにビールを味わうというのもご一興です。

(取材・文◎笹森ゆうみ)

●DATA

コレクション展「文学とビール‐鴎外と味わう麦酒(ビール)の話」

会期:開催中〜10月6日(日)
住:東京都文京区千駄木1-23-4
開館時間:10:00〜18:00(最終入館は閉館30分前)
観覧料:300円
https://moriogai-kinenkan.jp
※当記事の価格はすべて税込です

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