【医師監修】双極性障害5つの症状のチェックリスト

9月17日(日)8時0分 マイナビウーマン

【医師監修】双極性障害5つの症状のチェックリスト

写真を拡大

双極性障害は激しい気分の波に振り回される病気です。脳に原因があり、薬の服用で改善も可能ですが、放置すれば入院し仕事を失うことも。「ⅰ型とⅱ型の違いは?」、「遺伝するの?」、「家族の接し方は?」、「治るの?」など、気になる情報をお伝えします。





この記事の監修ドクター

森若奈 先生

精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、日本医師会認定産業医。精神単科病院、総合病院、クリニック、産業医等様々な場での経験を活かし、現在は予防医学や早期介入にも力を入れている。

女医+(じょいぷらす)所属。

双極性障害とは?双極性障害の症状

気分の波が激しく、自分でも疲れ果ててしまう・・・もしかして性格の問題ではなく、双極性障害かも知れません。
激しい気分の波は性格じゃなく障害かも双極性障害は、少し前まで躁うつ病と呼ばれていました。名前通り、躁とうつを繰り返す病気です。周囲からは「気分の波が激しい性格」ととらえられてしまうこともありますが、双極性障害は治療が必要な脳の病気です。世界的には100人に1人、日本国内では500人に1人が発症する病気で、20代から30代前後で発症しやすいことが分かっています。はじめはうつ病と診断され、途中で双極性障害だと判明するパターンも少なくありません。
ⅰ型? それともⅱ型? 双極性障害のタイプはふたつ双極性障害はⅰ型とⅱ型に分類されます。

ⅰ型:躁状態とうつ状態を繰り返す

ⅱ型:軽い躁状態とうつ状態を繰り返す

ふたつの違いは、躁状態のときの程度です。うつ状態のときの程度に違いはありません。症状が重いとⅰ型、比較的軽いのがⅱ型と診断されると思われることもあるようですが、単純に症状の重い、軽いだけではタイプを決めることはできません。有効な薬も違うので、自分で勝手に「私の症状はたいしたことがないからⅱ型に違いない」と思い込むのは危険です。専門家にきちんと診察を受け、診断を下してもらいましょう。
躁モードの時の症状は? 双極性障害の言動躁モードに切り替わった時、対人関係でトラブルを起こし確率が非常に高いので注意が必要です。とにかくエネルギーを持て余している状態で、本人は万能感に囚われ、周りの人間を攻撃的で見下す傾向があります。暴れて暴力事件まで起こすケースもあります。
・気分の異常な高揚躁モードになると、自分の欠点、落ち度は見えなくなります。突然気分が高揚し、「自分にできないことはない」と根拠のない自信が溢れ出します。自分のことを神の生まれ変わり、ものすごい成功者、何かを成し遂げる人間だ・・・など、自尊心を肥大させます。そのため、周りの人間に対し「遅い!のろい!」などと苛立つことも多くあります。
・寝食を惜しんで動き回る躁モードに切り替わると、睡眠時間と食事量が極端に減る傾向があります。どんなに動き回っても疲れを感じることはなく、ずっと何かをしています。じっとしていても頭の中は目まぐるしく動き、アイディアが次々に思いつきます。ただ、ひとつのことを突き詰めて考えることができず、まとまりのないイメージが湧き出ているだけの状態です。話をしていても話題があちこちに飛び、会話が成立しません。
・周りのことを考えずに一方的に激しくしゃべる躁状態になると、黙っていることができません。相手が迷惑していてもおかまいなしにしゃべり続け、何度注意されてもおしゃべりをやめることができません。多弁は、双極性障害の典型的な症状のひとつです。相手の反応は見ていません。ただひたすら話し続けるので、周りの人間はうんざりしてしまいます。授業中でも仕事中でも、状況に関わらず話し続けます。
・本来の目的を達成できない躁状態になると、注意力が著しくダウンします。集中力が高まる、と感じているのは本人だけで、頭の中も行動もすぐに脇道に逸れるので、関係ないことばかり考え、余計な行動ばかりしてしまいます。単純な仕事もやり遂げることができず、ミスを連発します。ただし本人は自分ほど仕事ができる人間はいない、周りは無能だと思い込んでいるので、トラブルも絶えません。
・快楽的な行動に走る躁状態の時は仕事を辞めたり、巨額の借金を背負ってしまったり、社会的に問題のある行為を行ってしまうなど、欲望のままに行動してしまう確率が高いです。着る予定もないのに高価なドレスを購入、不特定多数の異性と性的な行為をする、高級車を買う・・・など、問題行為を繰り返します。
うつ状態になった時の双極性障害の症状は??双極性障害の患者さんは、うつモードに入って初めて受診するケースが大半です。躁状態の時は万能感に包まれているので、自分で異常に気づくことはできません。
・抑うつ気分が強く、理由もなく涙が出ることも・・・何か具体的な理由もないのに、涙が流れていたらうつの症状かも知れません。周りから見ても明らかにおかしいほど、気分が落ち込み、塞ぎ込んだ気持ちになります。
・何に対しても興味を失ううつ状態の時は、普段熱中する趣味に対しても関心を持つことができません。例えばクラシック鑑賞が趣味なのに、音楽を聴いただけで頭が痛くなり、音を耳に入れるのが煩わしくなります。
・食欲と睡眠の異常うつモードに入ると、食欲と睡眠に異常が出ます。ほとんど食べなかったりありえないほど大量に食べたり、まともではない食事の仕方が続きます。睡眠に関しても、不眠状態に陥る患者さんと、1日中寝てばかりいる患者さんに分かれます。不眠と睡眠過多を繰り返すケースもあります。
・思考力、集中力が落ちるうつのスイッチが入るとあらゆることにやる気がなくなり、思考力、集中力もダウンします。まとまったことを考えることもできず、行動する気力もなくなります。何もしていないのに疲れやすく、ずっとため息をついているような状態が続きます。
・無価値観に囚われる躁状態の時とは真逆で、急に自信を喪失します。自分ほど価値がない人間はいない、と思い込み、妄想めいた罪責感を抱くようになります。「世界経済が停滞しているのは私のせいだ」など、普通ではない発言をすることも。自分を責めるあまり、自殺念慮が湧き、実際に自殺未遂を起こすこともあります。
何が原因で双極性障害になるの? 治るの?

双極性障害を治すのは難しいものの、状態を落ち着かせることは可能です。放置しトラブル続きの人生を送るより、治療する道を選びましょう。
遺伝もある? 双極性障害の原因とは双極性障害についてはまだ分からないことが多く、はっきりとした原因も解明されていません。遺伝しやすい病気で、患者さんの子どもは10倍発症リスクが高くなると言われています。発病に至らないまでも、激しい気分の波に疲れる症状が遺伝することもあります。双子の場合、二卵性より一卵性の方が2倍から3倍、発症率が高くなります。
双極性障害の治療双極性障害は予防療法を行うことで、再発を防ぎやすくなります。もし発症しても症状は軽く済み、取り返しがつかない言動に走ることが減ります。放置すれば確実に再発します。症状を繰り返すうちに、普通の精神状態でいる時間がどんどん短くなる傾向があります。財産も職も家族も失い、孤独に陥る可能性が十分にあります。早い段階で自分の障害を認識し、治療に取り組む必要があります。
治療方法と薬について双極性障害の治療法のメインは薬物療法です。気分安定剤は躁状態にもうつ状態にも効くので、よく処方されます。抗精神病薬と一緒に服用すると、躁モードに入りにくくなります。症状が落ち着いても、長期にわたって飲み続けることが大切です。

薬物治療と並行し、自分の病気を正しく理解するための心理教育、物事を肯定的に捉える癖をつける認知療法も行われます。その他、規則正しい生活を身につけるための社会リズム療法も有効な治療法のひとつです。
家族の接し方は? 双極性障害の家族のケア方法

双極性障害は、家族に迷惑をかけてしまうこともある病気です。双極性障害の患者の家族は、正しいサポート方法を知り、適切にケアしてあげる必要があります。医師から患者の家族に家族療法を勧められることも。本人のせいではなく障害のせいでおかしなことになっていること、治療すれば必ず良くなることを繰り返し伝えてあげましょう。
家族の困った症状に振り回されている時の相談先双極性障害の症状は、躁の時もうつの時も、顕著に現れます。家族の言動に異常なところがある、と気づいた場合、普段通っている病院に相談しましょう。特定の通院先がない時は、保健所や精神保健福祉センターでも無料で相談を受け付けています。自治体の連絡先をチェックして下さい。普段から家族の言動をメモしておくと、役に立ちます。
双極性障害での入院警察騒動まで発展し、ようやく入院させることができた・・・なんてケースが目立ちます。ちなみに、本人を騙して病院に連れていくことはマイナスの影響しかありません。逆恨みされることもあるので、あくまでも納得の上で受診させるようにして下さい。消えたい、と言う気持ちが強く自殺することが頭から離れないような状態、躁状態が4日以上続いている状態だと、入院するよう指示されることがあります。
ⅱ型は衝動的な行動が多いので注意が必要道端やお店で暴れ回ったり、派手な言動が目立つⅰ型双極性障害の患者は、即入院するパターンが少なくありません。ただ、ⅱ型は症状が軽い、と考えるのは間違いです。ⅱ型は躁モードに入っても逸脱行動はそう多くありませんが、衝動性が高いことが特徴です。比較的症状が落ち着いている時、衝動的に自殺をはかるケースも多いので、油断禁物です。
まとめ

躁モードとうつモードを繰り返す双極性障害は、本人も家族も心身が疲弊する大変な病気です。病気が原因で家族や仕事、財産を失うこともあります。ただ、薬を服用すれば症状が安定し、奇抜な言動が出る機会を減らすことができます。思い当たる症状がある場合は、まずは病院で何型か診断してもらい、薬物療法に取り組みましょう。

マイナビウーマン

この記事が気に入ったらいいね!しよう

医師をもっと詳しく

PUSH通知

緊急速報ニュース

緊急度や重要度の高いニュースが発生した際にすぐにプッシュ通知を送ります。
通知設定一覧からいつでも解除ができますのでお気軽にご登録ください。

通知設定一覧

BIGLOBE
トップへ