医学部の不正入試、男女差別廃止など提言…昭和大学

2019年9月17日(火)17時45分 リセマム

昭和大学

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昭和大学は2019年9月13日、医学部の不正入試に関して第三者委員会による最終調査報告書を公表した。性別や年齢による差別、現役生や一浪生への加点、同窓生親族への優遇などの事実を認め、「差別的取扱いの廃止」などを提言している。

 医学部医学科の不正入試をめぐっては、東京医科大学で発覚後、文部科学省が医学部医学科を置くすべての大学を対象に緊急調査を実施。昭和大学については、同窓生の親族に対する優遇、現役・一浪受験生に対する加点が「不適切な事案」と指摘されていた。

 昭和大学は、2018年11月に外部有識者を構成員とする第三者委員会を設置。過去の入学試験を検証し、2019年1月に中間調査報告書、8月に最終調査報告書にまとめている。

 9月13日に公表された最終調査報告書によると、第三者委員会では2013年度から2018年度入試において、繰上げ合格者が男性に多く、女性は極めて少ないという事実を確認。大学側はヒアリング調査に対して「偶然の結果」と説明しているが、報告書では「男女差が生ずる合理的理由を見出すことができない」と考察している。

 このほか、一定の年齢以上(特に22歳以上)の受験生に対する不当な扱い、同窓生の親族への優遇、現役・一浪受験生への加点についても確認。検証結果から、「現役・一浪加点の廃止」「同窓優遇の廃止」「繰上げ合格における公平な取扱いの徹底と繰上げ合格の透明化」「その他差別的取扱いの廃止」「入学選抜に関するガバナンス体制の構築」の5点を提言。「年齢、性別、社会的身分などによる差別的取扱いと疑われる行為は一切廃止すべきと考える」などと記している。

 2019年度入試については検証の結果、不透明な繰上げ合格、現役・一浪受験生に対する加点、同窓生親族の優先合格などがなく、「公正かつ妥当な方法によって入学者の選抜が行われた」と結論づけた。2019年度入試結果をみると、性差による合格率の違いは存在せず、むしろ二次試験において女性の合格率が男性を大きく上回っている実態にあるという。

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