『餃子の王将』と『大阪王将』の「天津飯」はどっちがウマい? 何がどう違うのか食べ比べて旨さの秘密に迫る!

2022年9月18日(日)10時47分 食楽web


『餃子の王将』と『大阪王将』の人気メニュー「天津飯」はどう違う? | 食楽web

『餃子の王将』と『大阪王将』といえば、ルーツを等しくする餃子が名物の町中華チェーン。筆者はどちらの店にも食べに行きますが、頼むのはたいてい「餃子定食」か「チャーハン&餃子」、「ラーメン&餃子」。しかしある日、とある投票型サイトで公開されていた両店の人気メニューランキングを見ていたら、『餃子の王将』も『大阪王将』も1位は餃子で、次いで2位は「天津飯」だったのです。

 ちょっと意外じゃないですか? 1位が餃子なのはわかります。しかし町中華の定番である炒飯やラーメンを差し置いて「天津飯」が2位とは! 筆者はかなり昔に『餃子の王将』の天津飯を食べて美味しかった印象はあるんですが、具体的な味を思い出せません。そして『大阪王将』の天津飯は未体験。そこで今回は『餃子の王将』と『大阪王将』の「天津飯」を改めて食べ比べて、その味や美味しさの方向性を検証しようと思います。

 なお、ご飯の上に餡かけカニ玉をのせた「天津飯」のルーツは中国の天津ではなく、日本。カニ玉は広東料理の「芙蓉蟹(フーヨーハイ)」がヒントになっているようですが、これを「天津飯」に仕立て上げたのは、実は大阪の中華料理屋さんが最初だと言われています(諸説あり)。ともあれ『餃子の王将』も『大阪王将』も共に関西発祥の店なので、「天津飯」にも相当なこだわりがありそうです。というわけで、まずは『餃子の王将』に行って、天津飯を食べてみたいと思います。

とろっとろの餡が絶品! 『餃子の王将』の天津飯


JR中央線ほか荻窪駅西口にある『餃子の王将』

 到着したのは東京・荻窪にある『餃子の王将』。着席してメニューを開くと、通常の「天津飯」(510円)に加え、「極王天津飯」(693円)というメニューもありました。“極王(ごくおう)”とは、餃子の王将が厳選したこだわりの食材を使用し、調理工程までこだわったプレミアムな料理シリーズです。

 通常の「天津飯」でも、タレを「甘酢、塩ダレ、京風ダレ」の3つから選択できたり、ナチュラルチーズをトッピング(189円)するオススメの食べ方が書かれていたりと、細かな配慮が伝わってきます。天津飯の人気ぶりと店の力の入れ具合がわかりますね。ちなみにタレを選べるのは東日本の店舗だけ。西日本は京風ダレ一択のようです。


餃子の王将のメニュー

 せっかくなので、普通の「天津飯」とプレミアムな「極王天津飯」の両方を頼み、さらにトッピングのナチュラルチーズを別皿でもらうことに。タレは発祥の味である“京風ダレ”をチョイスし、待つことしばし。最初に登場したのは、通常の「天津飯」(561円)です。


『餃子の王将』の「天津飯」(561円)

 お皿にこんもり盛られた天津飯。淡黄色の玉子は半熟で、とろとろオムレツのようなビジュアルです。大ぶりのカニ身の赤色とネギの緑色との対比が絶妙な見目麗しさで、それをコーティングする京風ダレ(餡)がツヤツヤと光り輝いています。まず、その京風ダレをひと口。とろみがしっかり強めで、天つゆを彷彿させるさっぱりしたダシの風味が広がります。もう餡だけでご飯が食べられそうな美味しさです。

 そして玉子とカニ身、ご飯と餡を一緒にレンゲですくって食べてみると、口中が一気に「ウマい」でいっぱいになります。粒立ち感あるお米がとろとろ玉子&餡と一体となって、ものすごく優しくてやわらかな味わいです。玉子のまろやかな味、薄味のダシの塩梅も完璧。こんなに美味しかったっけ? と思わず感激してしまいました。


半熟オムレツのような玉子の火の入れ方が絶妙です!

 正直、たった561円の天津飯で、ここまで奥深い食感&味わいはスゴいのひと言。これまであまり食べなかったことが悔やまれます。ちなみに、トッピングのチーズを合わせると、さらにコクとまろみがプラスされて、めちゃくちゃ美味しい。いやー、最高です。

 感慨にふけっていたら、続けて「極王天津飯」(693円)が運ばれてきました。メニュー表の解説によれば、特製醤油ダレにこだわりタマゴを使い、さらにダブル玉子仕立てで作ったと書いてあります。


『餃子の王将』の「極王天津飯」(693円)

 画像をご覧いただければわかるように、「極王天津飯」は中央の天津飯の玉子のオレンジ色が濃くてタレの量も多く、明らかに普通の天津飯とは異なるビジュアルです。また、タレにも玉子が浮いており、具材もカニ身に加えてエビも入ってものすごく贅沢な雰囲気です。

 いざ食べてみると、玉子が多層的で存在感たっぷり。食べごたえがあって実に旨し。やっぱり通常の天津飯とはひと味もふた味も違います。しかし、玉子の美味しさとは別に気になったのは、特製醤油ダレのとろみがゆるいこと。食べ進むと、そのゆるさ故にタレがシャバシャバになり、玉子やごはん粒がスープの海に溶け込んで雑炊のようになっていくのです。


タレが多くとろみが弱いので、時間が経つうちにサラサラのスープ状になって雑炊のように

 これは好みによるとは思いますが、筆者は普通の「天津飯」のほうがダンゼン好きです。例えば、「欧風カレーが食べたい」と思っている時にスープカレーが出てきたらどうでしょう? 美味しいけどなんか違うんだよなぁ、と思いませんか? それと似ていて、「極王天津飯」の場合、“スープ天津飯”に近いのです(個体差もあるとは思いますが…)。しかも特製醤油ダレの味が割と濃いめで量も多いので、途中でちょっと食べ飽きてしまいました。

 そんなわけで、『餃子の王将』で得られた知見としては、普通の「天津飯」こそが至高、そこにチーズをトッピングしたらさらなる幸せが訪れる、ということでした。そして翌日、向かったのはライバル店の『大阪王将』です。

大阪王将の美しい「天津飯」はシンプルさが秀逸


『大阪王将』浜田山店

 入店してさっそくメニュー表を開いて「天津飯」を探します。見つけたのは「ふわとろ天津飯」(500円)。『餃子の王将』より61円も安い! そのほか天津飯のアレンジメニューとして「ふわとろ麻婆天津飯」(790円)があったので、この2つをオーダーしてみました。価格的には単品の「四川麻婆豆腐」(700円)が天津飯にのっているだけあって、さすがに高いですね。

 まず登場したのは、「ふわとろ天津飯」。運ばれてくるなり、思わず「おおっ」と心の中で声が出ました。満月のようにまんまるでなんとも美しいじゃありませんか!


大阪王将の「ふわとろ天津飯」500円

 カニ身が入った『餃子の王将』と違い、具材は玉子のみというシンプルさですが、たっぷりの餡に浮かぶまんまる玉子でかなりのインパクトです。レンゲを入れてみても、やはり具材はなく、玉子とご飯だけ。なんという潔さ!

 しかし天津飯といえばカニ玉だと思っていたので、カニなしってアリなのか…? と怪訝に思いつつ食べてみると、これが予想のはるか上を行くウマさ。しかもれっきとした天津飯の味。餡のとろみ具合は『餃子の王将』より緩めですが、甘すぎずしょっぱすぎず、旨味がしっかり染み込んでいます。

 なによりも玉子部分がめちゃくちゃ美味しい。そして分厚い! 一見すると薄焼き玉子で覆われているように見えますが、厚みが3センチくらいあるでしょうか。しかも商品名通りのふわとろ具合!


玉子たっぷりで、中のたまごはふわふわで分厚い! なんでも『大阪王将』独自の秘密素材を加えることでふわとろにできるんだとか…

 白いごはんの上には白ゴマが散らしてあって、小さな粒なのに、ゴマの風味が際立ち、食感もほどよいアクセントになっています。カニもなければネギもなく、ただ卵とゴマとご飯だけ。シンプルですが、そんなことを微塵も感じさせないくらい、玉子のふっくら具合といい、餡の美味しさといい、めちゃくちゃイイ! これがたった500円とは…正直スゴいです。

 ちなみに、店内のポスターによれば、毎月18日はこの美味しい玉子がダブルになるそうです。なんという太っ腹!


ただでさえ量の多い玉子部分が、毎月18日に2倍になるそうです(食楽web)

 天津飯を夢中でかっこんでいると、もう1品の「麻婆天津飯」が運ばれてきました。先ほどのシンプルな「ふわとろ天津飯」の餡の代わりに、四川麻婆豆腐がたっぷりかかっています。豆腐とひき肉が加わって、めちゃくちゃボリューミーです。


大阪王将の「麻婆天津飯」790円

 食べてみると、この四川麻婆豆腐がかなり美味しい。山椒が効いていて、スパイシー。まろやかな天津飯との相性もバッチリです。しかもこの麻婆豆腐、『餃子の王将』の「極王天津飯」のタレようにシャバシャバのスープ状ではないので、ご飯を侵食せず、ご飯と麻婆豆腐として食べることもできます。


「四川麻婆豆腐」を単品で頼むより「麻婆天津飯」はおトク!

 ちなみに、「四川麻婆豆腐」(700円)、「天津飯」(500円)を単品でそれぞれ頼むと1200円になりますが、「麻婆天津飯」なら790円で両方味わえるので、ある意味おトクです。

 というわけで、『餃子の王将』、『大阪王将』の両店の天津飯を食べてみて、どちらも家庭では実現できない卵のふわとろ感とタレの美味しさに感激し、なおかつ両者ともに500円台というリーズナブルな価格で、ものすごく満足感の高い味と量でした。

 結論として、どちらが美味しいかは人それぞれの好みではあると思いますが、個人的には『餃子の王将』の“ザ・王道”といった趣の「天津飯」+チーズトッピングが斬新で美味しくて、どハマりしそうな予感です。そして『大阪王将』は玉子がめちゃくちゃ美味しいので、18日に行ってダブル玉子の天津飯を試してみたいと思います。みなさんはどっちがお好きですか?

(撮影・文◎土原亜子)

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