大坂なおみ、9.5億円の巨額契約へ…日米どっちに住んだら税金はお得になる?

9月19日(水)9時50分 弁護士ドットコム

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テニスの全米オープンで優勝した大坂なおみ選手(20)が、アディダス社と年間650万ポンド(約9億4486万円)で契約更新すると英タイムズ紙に報じられ、話題になっている。


スポーツ報知によると、今年12月に切れる契約は数十万ドル(数千万円)程度だったが、アディダス社が全米オープン優勝賞金の380万ドル(約4億2180万円)の倍額を提示することで、契約更新にこぎつけたようだ。


大坂選手は今年すでに賞金約6億4300万円を稼いでいるそうだが、もし来年も活躍して、今年と同じくらいの賞金を稼いだ場合、税金問題はどうなるのだろうか。日米どちらに住んだ方が節税になるのだろうか。福留聡税理士に聞いた。


●米国在住の大坂選手、納税の仕組み

前提として、大坂選手は、日米両国の国籍があり、アメリカ・フロリダ州に住んでいる。この前提が変わらない場合、税金はどうなるのか。


「まず、日米の仕組みについて説明しましょう。


日本は、居住者(日本国内に「住所」があるか又は現在まで引き続いて1年以上「居所」がある個人)は、所得が生じた場所が国の内外を問わず、そのすべての所得について日本において所得税を納める義務がありますが、非居住者(居住者以外の個人)は、日本国内で生じた所得(国内源泉所得)に限って所得税を納める義務があります。


これに対して、米国は、米国市民(米国籍を保有)、米国居住者(一般的に米国での滞在日数が直近3年間で183日以上の方及び永住権所有者)等の場合に所得税を納める義務があります」


大坂選手の場合はどうなるのか。


「大坂選手は、米国において、所得が生じた場所が国の内外を問わず、そのすべての所得について所得税を納める義務があり、日本では、日本国内で生じた所得(国内源泉所得)に限って所得税を納める義務があります」


●米国に居住していた方が節税に

では、大坂選手は来年も今年同様に活躍した場合、課税額はどうなるのか。


「大坂選手が、来年、スポンサー契約収入と賞金の合計で約15億8786万円(約1430万米国ドル)を稼ぎ、収入はスポンサー契約収入と賞金のみで、経費等標準控除以外の控除項目がないと仮定した場合、連邦税は課税所得50万米国ドル超の税率(150,689.50米国ドル+37%)が適用されますので、150,689.5米国ドル+37%×(1430万米国ドル-50万米国ドル-標準控除12,000米国ドル)=5,252,249.5米国ドル(約5億8300万円)です。


なお、フロリダ州税は、所得に対する州税は課していません」


もし大坂選手が日本に本拠地を移した場合、金額はどうなるのか。


「日本に本拠地を移した場合(出身の大阪府大阪市に転居を仮定)、収入は賞金のみで経費等基礎控除以外の控除項目がないと仮定した場合、賞金は事業所得となり、所得税は、所得金額4000万円を超える場合、税率45%と4,796,000円の控除となりますので、(15億8786万円-基礎控除380,000円)×45%−4,796,000円=7億957万円になり、住民税は10%ですので、府民税及び市民税合計で(15億8786万円-基礎控除330,000円)×10%−税額控除2,500円+均等割5,300円=1億5875万5800円になり、合計で8億6832万5800円となり、米国に居住するほうが約2億8532万円税金が節約されます。


なお、大坂選手は米国籍も保有していますので、日本に本拠地を移した場合、米国でもそのすべての所得について所得税を申告の上、日本でも課税される所得は、二重課税を排除する外国税額控除を適用して一定額が米国の所得税額から控除されます」


【取材協力税理士】


福留 聡 (日本・米国ワシントン州)公認会計士、(日本・米国)税理士、行政書士


監査法人で上場企業の監査業務等を経験後、IPO支援、決算支援、IFRS導入支援、日米の法人の税務顧問等を行っている。本、雑誌、DVD等で約50の出版をしており、代表的な著作として『7つのステップでわかる税効果会計実務入門』がある。


事務所名 : 福留聡税理士事務所、福留聡国際会計アドバイザリー株式会社、有限責任開花監査法人


事務所URL:http://www.cpasatoshifukudome.biz/


(弁護士ドットコムニュース)

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