あなたの老後資金、不足額はいくらくらい?

9月21日(土)21時5分 All About

老後の家計収支を計算したことがありますか? 今の生活水準を維持するだけでも、不足額が5000万円を超えることも珍しくありません。自分の老後の収支を計算してみましょう!

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第二の人生はのんびりしたいと思い描いているはずですが……

老後の家計収支を計算したことがありますか?

今の生活水準を維持するだけでも、不足額が5000万円を超えることも珍しくありません。自分の老後の収支を計算してみましょう!

皆さんはどんな第二の人生を過ごしたいですか?

多くの人が、ゆとりある生活をのんびり過ごしたい、あるいは現役時代にはできなかったことをしてみたいなど、多くの希望や夢を思い描いています。

そして、親や祖父母が貯蓄や退職金・年金などで、お金に困ることがない生活をしてきた後ろ姿を見て育ったので、自分たちも望む老後を過ごせると考えています。

現実的には残念ながらその希望は、ほとんどの人の場合、叶えることはできません。どうしてでしょうか? ひと言でいえば、当時と今とでは、環境が180度変わったからです。

親世代と現役世代の「老後」の違い

祖父母が現役でがんばっていた時代は、日本の高度経済成長期でした。ベビーブームで人口も増加の一途を辿りました。

幼かった日本の経済も、子どもが大人に成長するごとく、ぐんぐんと身長が伸びるように発展してきました。その過程で、国の経済力や企業の株価は上がり、会社の資産も個人の家計の蓄えも増え、「1億総中流社会」と呼ばれた時代を経たのです。

手に職をつけて年功序列制度の中で、コツコツ働いていれば給与も右肩上がりで毎年増え、そのお金を銀行や郵便局に預けておくだけで、今では考えられないような高い金利によって自動的に増えていきました。

年金をはじめとする社会保障制度も、当時の人口構造のもとでバランス良く成り立っていました。老後も現役時代の所得に対して、多くの年金で支えられていた時代でした。

老後の人生を取り巻く環境について、両親たちの時代を振り返ってみました。では現在はどうでしょうか?

●給料は思うように上がらない

●税金や社会保険料の負担は毎年重たくなる

●物価や教育費などはどんどん上がっていく

●預貯金をしても超低金利で財産は増えない

●年金は少子高齢社会になり負担は増えて給付は減っていく

●企業の終身雇用制度は崩壊し、弱肉強食の成果主義の中で心と体を犠牲にしながらの仕事をいつまで続けなければならない

●退職金もそれまで会社が存続しているかどうか分からない

このように昔と今とでは、私たちを取り巻く環境は大きく変わりました。皆さんも身に染みて実感しているところですね。

未来はどうなる? 一般の会社員の家計だと65〜70歳で資金ショート

では、今と未来とではどう変わるでしょう? 未曾有の少子高齢社会・人口減少社会に突入していくことを考えるとゾッとします。

私はファイナンシャル・プランナーとして、毎年多くの家計の将来(未来家計簿)を、相談者の方の話や希望を聞きながら分析・作成します。

実際にそうやって未来の家計簿を作ってみると分かるのですが、一般の会社員の家計を例にしても、ほとんどの場合、定年後の65歳や70歳までに資金ショート、つまり貯蓄が底を尽きます。

そうなると希望どおりの生活を続けるために、誰かにお金を借り続けながら生活をするか、多くのことを諦めて、心細い年金の範囲の中で人生をやりくりしていくこととなります。

将来のことを考えるのがイヤになってしまいそうですが、逆にしっかりと将来と向き合い、今から準備をしていくことで未来はガラリと変わります。

将来もらえる年金額を計算してみよう!

2019年8月に厚生労働省が5年ごとに実施している公的年金の財政検証の結果を発表しました。残念ながら前回2014年の検証時より、年金財政(年金負担と給付)が厳しくなる内容でした。

今、30〜40代の人の場合だと、年金を受給できるのは20〜30年以上先のことなので、今回の年金財政検証の年金の状態よりさらに厳しくなっていくことも十分に想定されます。

とはいえ、ご自身がもらえる年金について、大まかなイメージを知るだけでも、将来に向けての対策をする上でヒントになるでしょう。まずは大まかな将来の年金額の計算をしてみましょう。夫婦の場合は忘れずに二人分の計算をしてください。

シミュレーションサイトには日本年金機構の「ねんきんネット」やモーニングスターの「年金シミュレーション」などがあります。

計算例

●夫(会社員)
生年月日1984年7月1日生の35歳、公的年金加入期間40年間(国民年金と厚生年金)、勤めている期間の平均標準報酬額(ボーナスを含めた年収÷12カ月)は50万円(平均年収600万円)として計算。

⇒65歳から受給できる夫の国民年金と厚生年金の給付額(年額)およそ218万円
※妻が65歳になるまで年間約40万円の加給年金が追加されます。

●妻(大学卒業後5年間会社勤めの後、結婚・出産後は専業主婦)
生年月日1987年6月15日生32歳、国民年金加入期間40年間、23〜28歳までは厚生年金にも加入していた。勤めていた期間の平均標準報酬額(ボーナスを含めた年収÷12カ月)は25万円(平均年収300万円)として計算。

⇒65歳から受給できる妻の国民年金と厚生年金の給付額(年額)およそ87万円

●夫婦の合計年金給付額:218万円+87万円=305万円(月当たり約25万円)

皆さんの場合はいくらの年金がもらえるでしょうか? ぜひ計算にトライしてみてください。

※これらの年金額はあくまで現在の年金計算によります。将来の年金財政や物価水準・人口構造などにより変わることがあります。

老後の家計収支や財産状況を計算してみよう!

年金計算が終わったら、今度は使うお金を計算して老後の収支と財産状況の変化をチェックしてみましょう。

とは言っても、ここ数年の食料品などの値上げを考えると、将来の生活費がいくらになっているかを考えるのも怖くなります。

皆さんの家計で、今の生活を維持するための基本的な生活費は、だいたい1カ月いくらでやりくりできますか? 15万円? 20万円? 25万円? 30万円? 40万円?

毎月の生活費が25万円なら年間で300万円(25万円×12カ月)、30万円なら360万円(30万円×12カ月)が必要ということになります。この他に車の買換えや維持費・保険料・リフォーム・旅行なども忘れてはいけませんね。

天敵は物価上昇。年金給付開始までの期間にも注意

もらえる年金額が25万円前後で生活費が25万円とすると、家計の収支のバランスがとれて、生活は成り立つような気もしますが、天敵は物価上昇です。

公的年金は年金改定で、物価が上がってももらえる年金額はあまり増えない仕組みです。一方、生活費は物価が上昇すればその分増加していきます。当然、収支のバランスが崩れて赤字となります。

35歳の人で、現在の生活費が25万円だとすると、今後、物価の上昇率が毎年2%なら、生活費が60歳を迎える25年後には、約41万円になります。

同時に年金も上がりますが、年金制度の仕組上その上昇率は抑えられて約33万円しかもらえません(年金上昇率=物価上昇率−マクロスライド率0.9%となり、物価上昇が2%の場合、年金上昇率は1.1%)。

単純に計算しても、1カ月間で必要な生活費が41万円、給付される年金が33万円で、毎月8万円の赤字。65歳から90歳まで生きる場合は25年間での合計の赤字は2400万円(マイナス8万円×12カ月×25年間)。これは生活費だけの計算なので、リフォームや車の買換え費用などは別に必要です。

さらに60歳で定年を迎えるとすると、65歳の年金給付開始までの5年間は収入がないので、60歳時点の毎月の生活費が40万円としても、そのまま丸々赤字となり5年間の総額ではマイナス2400万円。

60〜64歳までの赤字と、65歳からの赤字総額は約4800万円になる計算です、大きいですね。

老後の赤字に、早くから準備を!

この赤字への準備として、定年までの蓄えと退職金がいくら見込めるかを計算して、それでも不足する額があれば、今からさらに財産づくりの工夫をしていく必要があります。

このことに早く気付き、将来に向けて人生の計画を立て、人生全体の入ってくるお金と使うお金の時期や金額、そして優先順位などを考えてマネーバランスをとり、無理をせず時間をかけて着々と準備をして、ハッピーな老後を迎えたいですね!
(文:平田 浩章(マネーガイド))

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