新潟県で百日咳が増加、都内も増加傾向か…患者の多くは小中学生

2018年9月21日(金)17時15分 リセマム

東京都 百日咳の流行状況(2018年)百日咳報告数の推移

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新潟県は2018年9月6日、上越管内で百日咳の増加について注意喚起を行った。8月には患者報告数40件となり、患者の多くは小中学生だという。東京都品川区でも第37週(2018年9月10日〜16日)に百日咳の報告が4件あり、都内で増加が見られるという。

 新潟県の上越保健所管内百日咳届出数を見ると、3月は1件、6月は1件、7月は4件、8月は40件と大幅に患者報告が増加。新潟県における直近の第37週(2018年9月10日〜16日)の届出数は15件あり、内訳は三条管内2件、糸魚川管内1件、上越管内12件となっている。年齢別では、10歳未満(乳幼児)が6件、10歳未満(学童)が3件、10歳代が4件、30歳代が1件、70歳代が1件だった。

 東京都品川区においても、第37週に百日咳の報告が4件あった。都内では百日咳の報告が増えており、東京都感染症情報センターのWebサイトにて「百日咳の流行状況」などの情報を提供している。東京都全体では、第37週は報告数73件。2018年第1週からの累計では1,155件にのぼり、年齢別では5〜9歳がもっとも多く、ついで10〜19歳と、幼児から小中学生、高校生程度の年齢層に多いことがわかる。

 国立感染症研究所によると、百日咳とは、特有のけいれん性の咳発作(痙咳発作)を特徴とする急性気道感染症。生後6か月以下の乳児では死に至る危険性も高い感染症だが、ワクチンの普及により各国で百日咳の発生数は激減しているという。一方で、ワクチン接種を行っていない人や、接種後年数が経過し、免疫が減退した人の発病は日本でも見られ、世界各国で多くの流行が発生している。

 百日咳には飛沫・接触により感染する。具体的な症状は、7〜10日程度の潜伏期間を経て、風邪症状がみられ、徐々に咳が強くなる。その後、短い咳が連続的に起こり、咳の最後に大きく息を吸い込み、痰を出しておさまるという症状を繰り返す。治療では抗菌薬の投与を行う。

 発症後1〜2週間のカタル期は感染力が強いが、診断時にはカタル期が終了していることが多い。成人では咳が長期間続くが、比較的軽い症状で経過することが多く、受診・診断が遅れることがあるという。飛沫感染予防に手洗い・咳エチケットを励行するとともに、気になる症状があれば、早めの受診を心掛けたい。

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