人類はどんどん頭が悪くなっていることが判明! 各国で止まらない知能指数低下の謎

9月22日(月)12時0分 tocana

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 歴史上に燦然と輝く"知の巨人"はひとまず置いておくにしても、社会全体を考えれば我々は過去の人間よりも現在の人間のほうが平均の知能が高いはずだと考えているのではないだろうか。確かについこの前までは......と、今後は過去形で語らなければならないかもしれないという、ちょっと驚かされるニュースが話題を集めている。

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■江戸時代よりも人間の知能が低下

 アムステルダム大学の心理学者、ジャン・テ・ナイジェヌス教授が昨年に発表した論文は世の「進歩的」な人々に大きなショックを与えるものであった。ナイジェヌス教授の研究によれば、現代人はヴィクトリア朝の時代よりも知能指数が14ポイント低下しているというのだ。

 イギリスでヴィクトリア女王が在位したのは1837年から1901年で、日本でいえば江戸時代後期から明治時代後期である。日本が最初にイギリスとの国交をはじめた時代でもある。20世紀の半ばから今日まで特に日本では相次ぐ先端技術の開発があり、近年ではIT分野を中心にめざましいテクノロジーの進化を遂げているにも関わらず我々の知能が下がっているという話は、まさに晴天の霹靂ではないだろうか。

 この知能低下を招いた大きな理由のひとつとして、ナイジェヌス教授は現代に近づけば近づくほど、聡明な女性の生涯出産数が下がる傾向にあることを指摘している。つまり聡明な母親のもとで育てられる子供が減っていることが、社会全体の知能指数を下げていると考えられているのだ。

 また、ナイジェヌス教授が行った別の研究では、イギリスで1980年と2008年に14歳の知的優秀な生徒を対象にして行われた反応時間(リアクションタイム)のテストを調査分析している。指示されたボタンを素早く押すなどの人間の反応時間は、頭の回転の速さや、機転を利かせる能力に深く関係しているということだが、2008年の14歳は、26年前の14歳よりも鈍くなっているという、これもまた残念な調査結果が出ている。

 追い撃ちをかけるように、ベルギーにあるブリュッセル自由大学のマイケル・ウッドレイ氏の研究でも、人間の反応時間が昔に比べて遅くなってきているという、同じような研究結果が発表されている。


■各国で止まらない知能低下

 これまでの通説では、先進国の国民の知能指数は上がり続けるという「フリン効果」説が主流であった。ニュージーランド、オタゴ大学のジェームズ・フリンが唱えたこの「フリン効果」とは、先進国の知能の向上は改善された栄養状態、生活環境、教育という社会インフラの向上に比例しているとする説である。

 しかし、先に挙げたナイジェヌス教授の研究の他にも、現実のデータとしてイギリス、デンマーク、オーストラリアで行われているIQテスト(知能テスト)のスコアが1950年代から下降を続けていることや、デンマークで兵役適性検査として実施されているIQテストのスコアが、1998年以降1.5ポイント低下しているというような事実が続々と明らかになってきている。

 これらの知能の低下傾向が長期的なものか、一時的なものなのかについては議論が分かれているが、研究者の中には、人類の知能のピークは既に過ぎてしまったのだと考えている人もいるようだ。これまで人類にバラ色の未来を約束していた「フリン効果」は先進国では既に終わりつつあり、知能は横ばいどころか低下しつつあると考えている研究者もいる。我々人類はこのまま徐々に「おバカ」になっていくのだろうか......。

 ハートフォード大学の研究によれば、今後人口が増えるほどに平均知能は下がり、2110年には8ポイント以上の知能低下が見込まれるという。またアルスター大学の心理学者、リチャード・リン氏は1950年から2000年の間に世界の平均知能指数は1ポイント下がったことを導き出し、これに基づけば2050年までにさらに1.3ポイント下降すると予測している。


■平均知能の低下は知能の"二極化"問題か

 笑うに笑えないブラックコメディとして評価の高い2006年のアメリカ映画『26世紀青年(Idiocracy)』は、500年間の冷凍冬眠から目覚めた主人公が体験する、平均知能が極めて低下した「おバカ」な社会の中での生活がコミカルでシリアス(!?)に描かれている興味深いエンタテインメント作品だ。この500年で知的な人々が子作りを制限していた一方、知能の低い人間たちが無計画に子供を作り続けた結果、社会の構成員の平均知能が恐ろしく低下し、社会は非効率かつ混乱を極めた様相を呈しているというのが物語の設定である。選挙で選ばれた大統領は元プロレスラーで現役AV男優という凄まじさだ。見方を変えればなんだか楽しそうな世界のようにも思えてくるのだが......。

 しかし、「フリン効果」を唱えたジェームズ・フリン博士自身は現在の実情にそう悲観的ではないようだ。「知能低下が"フリン効果"の終焉によるものなら、IQスコアは横ばいで安定するはずであるし、仮にこのまま低下を続けたとしても医療の充実と技術の進歩で出生率に歯止めがかかり、問題はおのずと解決するでしょう」と、語ってはいるのだが...。

 社会の平均知能の低下はつまり、知能の二極化という形で問題化してくるのだろう。しかし近年のめざましいIT技術の進歩、インターネットの充実ぶりが、利用者全員の情報収集能力を自動的に、かつ飛躍的に高めたことも事実だ。知識やスキルの獲得など、広い意味での知的能力の向上を図るのかどうかは、結局のところは個々人の人生観次第だろうか。
(文=仲田しんじ)

tocana

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