強盗が嫌がる《4つの対策》。ひとり暮らしなら「〈ひとり〉と思わせない工夫」も。新紙幣交換詐欺、ディープフェイクなど、新しい手口も次々と

2024年9月24日(火)12時29分 婦人公論.jp


(イラスト:高橋ポルチーナ)

高齢者を狙った強盗や投資詐欺などのニュースが話題になる昨今、いつ自分が標的になるかわかりません。狙われない、被害にあわないために、日頃から準備できることを伝授します(構成=村瀬素子 イラスト=高橋ポルチーナ)

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<前編よりつづく>

強盗がイヤがる4つの対策を徹底


詐欺と同じくらい、シニア女性、特にひとり暮らしの人にとって怖いのが強盗だと思います。

近年の強盗には大きく分けて2タイプあり、1つは特殊詐欺と同じく組織化され、指示役、実行役など役割を分担して犯行に及ぶパターンです。実行役は、闇バイトで集められた、いわば素人。もう1つは、経済的に困窮している人が、日銭欲しさに民家に侵入するケースです。

昨今は未成年や外国人が犯罪に加わることも増え、手口が稚拙で凶悪化する傾向にあります。「うちは田舎の古い家だし、お金もないから大丈夫」といったのんびりした感覚でいると、危険を回避できません。

地方では、鍵をかけず戸を開けっ放しのお宅も多く見受けられます。「ご近所もみんなそうだから」とおっしゃいますが、近頃は人口の少ない山間部を狙う事件が多発しており、油断は禁物。戸締まりは防犯の基本です。夜、窓を開けて寝るのも危険。窓やベランダからも侵入されます。マンションの高層階であっても必ず施錠をしましょう。

ひとり暮らしの人は、〈ひとり〉と思わせない工夫も大切。表札は名字のみ。あるいは別居する家族の名も連名でのせる。男ものの靴を見える場所に置くなど、〈複数で暮らしているアピール〉をするとよいでしょう。

なお、防犯の観点から言うと、個人情報をさらすSNSの投稿は危険がいっぱい。

「近所のカフェです」と位置情報がついた写真をアップすると、自宅を特定されるリスクがあります。「沖縄にいます」といった旅行の投稿は、今わが家は留守です、と犯罪者に教えているようなもの。投稿する場合は、帰宅後に過去形で伝えましょう。


●ひとり暮らし女性こそ、心得たい「防犯10ヵ条」

また、空き巣や強盗犯に狙われないためには、「この家、侵入しにくそう」と思わせることが一番です。犯罪者は、事前に下見をします。彼らが敬遠するのは、手入れが行き届いた家。

庭がきれいに整えられ、ゴミや枯れ葉が落ちていない。そういう整った家は、スキがなく、セキュリティがしっかりしているという印象を与えるのです。

加えて、犯罪者の侵入を防ぐには、「泥棒が嫌う4つのこと」を強化するのが効果的。それは「音」「光」「時間」「人の目」です。

犯罪者の心理としては、目撃されたくない、さっさとお金をとって逃げたい、です。それを阻むのが音と光。具体的な方法としては、窓を開けたら音が鳴る防犯アラームや防犯ブザーを設置する、玄関などに人感センサー付きのライトを取り付けるのもよいでしょう。

実は、侵入する時間が5分を超えると、約7割の犯罪者が諦めるというデータがあります。簡単に侵入できないように、ドアに補助錠を取り付ける、防犯フィルムで窓ガラスを強化するようにしましょう。

そして彼らが警戒するのが人の目です。インターホンカメラや防犯カメラの設置が有効ですが、ダミーのカメラや「防犯カメラ作動中」のステッカーを貼るだけでも効果があります。

こうした対策は泥棒に「防犯意識が高い家」とアピールすることにもなり、狙われる確率を下げるのです。ただし残念ながら、空き巣強盗を100%防ぐことはできません。

ですから万一の事態に備え、私がおすすめしているのが、「捨て金」を用意すること。侵入した際に何も盗むものがないと、腹いせに放火したり、危害を加えたりする犯罪者もいます。被害を最小限に食い止めるため、5000円から3万円程度の現金を、物色されやすい引き出しなどに入れておくのです。

そして強盗と鉢合わせしたら、命を守ることを最優先にしてください。スマホを持って屋外やトイレに逃げ、通報して警察の到着を待ちましょう。

テレビ電話に映る孫は偽物?


社会の事象に応じて、新たな手口の詐欺がどんどん生まれています。今まさに発生しているのが、「新紙幣交換」詐欺。

7月に新紙幣が発行されましたが、実在する銀行協会や銀行の職員を名乗り電話をかけてきて「旧札が使えなくなります。新札に交換しますから、旧札を指定の口座に振り込んでください」と言ってくる。こういう電話やメールがきたら、絶対に無視してください。旧札は使えます!

もう1つ、今後増えると予想されるのが、ディープフェイクを使ったオレオレ詐欺。テレビ電話などで、子や孫が窮状を訴えてくるのですが、その声や顔は、SNSなどに投稿された動画を加工した偽物です。

すでにアメリカではディープフェイクを使用したオレオレ詐欺が多発。日本にも浸透してくると思いますので、注意してください。

現在は誰が被害にあってもおかしくない時代です。常に「これは詐欺かもしれない」「泥棒が家に入ってくるかもしれない」という危機感と防犯意識をもって暮らすことが身を守ることに繋がります。心配性なぐらいがちょうどいいのです。

婦人公論.jp

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