“死後格差”の無情 墓は金額で個室か相部屋かが決まる

9月27日(水)11時0分 NEWSポストセブン

「死んでしまえばみな同じ」は過去の話に

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 東京都中央区にある築地本願寺が今年11月に「合同墓」を開設、募集を始めると話題になっている。「合同墓」について、葬儀・お墓コンサルタントの吉川美津子氏が解説する。


「お墓には、屋外の墓地に墓石を建てる『一般墓』や、建物内に小さな納骨スペースを設ける『納骨堂』などがあります。


 その中でも、ご遺骨を他の人のものと一緒に納骨するタイプのお墓は『合同墓』と呼ばれます。集合で納骨するため、納骨方法が指定されたり、ご遺骨を後から取り出せないなどの制約があります。


 それでも墓を継ぐ人がいない、墓にお金をかけたくないなどの理由で選ぶ人が増えています。築地本願寺の合同墓は、有名なお寺のものであるため人気が集まると予想されます」


 いうなれば「普通の墓=一軒家」「納骨堂=マンション」「合同墓=シェアハウス」というところか。同じ合同墓でも、さらにその中に“格差”が存在する。


 築地本願寺の合同墓は、3つの価格帯(お布施)に分かれている。最も安い30万円〜の場合、遺骨は個別に袋に入れられて他人の遺骨と一緒に「合同区画」に収蔵される。しかし50万円〜だと、独立した「個別区画」に6年間保管される。さらに100万円〜の場合は、期間が32年になる。支払うお金によって“個室”か“相部屋”かが決まるのだ。


◆最強ブランド「青山霊園」


 前述の通り、高額になるのは、土地使用料と墓石代がかかる「一般墓」だ。ポータルサイト『いいお墓』『いい葬儀』などを運営する鎌倉新書のデータ(第8回お墓の消費者全国実態調査)によれば、一般墓にかかる金額の全国平均は約180万円だ。


 一般墓地は自治体運営の「公営霊園」、法人運営の「民間霊園」、境内の中に墓がある「寺院墓地」の3つに大別される。無宗旨・無宗派で入れ、かつ費用が安いことから公営霊園が人気だ。しかし都心の一等地となると話は別だ。


 大久保利通など維新の傑物から、犬養毅、池田勇人ら総理大臣経験者、国木田独歩、星新一といった文豪など歴史を彩った偉人たちの墓がズラリと並ぶ“ブランド墓地”として知られる東京・港区の「青山霊園」の土地使用料は437万〜1080万円(2017年度募集)。さらに墓石代がかかるため、総額1000万円を超えるケースはザラだ。それでも利便性とブランド力で新規募集の競争倍率は例年15倍前後になるという。


◆「コインロッカー同然」も


「納骨堂」は土地代や墓石代がかからないため、価格帯は80万〜100万円が主流。コインロッカーのような納骨スペースが並ぶ比較的簡易なタイプもあれば、ICカードをかざすと骨壺がベルトコンベアで運ばれてくる“ハイテク納骨堂”もある。


「価格は立地や施設によって差があるが、最近流行の自動搬送式の納骨堂は100万円以上かかるところが多い。納骨スペースも1人分のもの、夫婦で入れるもののほか、家単位で4〜8人分を納骨できるタイプもあります」(前出・吉川氏)


 合同墓は10万円程度のものから存在する。ただし冒頭の築地本願寺の合同墓のように、一定期間遺骨を個別保管する場合などは価格が上がる。


「これまでは合同墓といえば、身元不明者のためのお墓というイメージがあったため、抵抗感を覚える人も少なくありませんでした。


 しかし最近は墓を管理してくれる家族がいない人の有力な選択肢になっている。納骨堂、合同墓の多くは『永代供養墓』で、“お墓の面倒を見る人がいなくなっても誰にも迷惑をかけない”点が人気を集めている。田舎の墓をたたんだ人が購入する場合も多い」(吉川氏)


 合同墓の中でも最も低価格で簡素なのが「送骨」だ。


「段ボールに遺骨を入れて郵送すると、寺で供養と合葬をしてくれる。相場は3万円から10万円程度です」(同前)


 骨になった自分が郵送される……想像すると切ない気もするが、墓を継ぐ家族がいない高齢者を中心に、申し込みは増加しているという。


※週刊ポスト2017年10月6日号

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