東北大・東京書籍・ACCESS・日本MS「デジタル教科書」実証研究で連携
2017年9月29日(金)12時3分 リセマム
文部科学省による「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議の最終まとめが2016年12月16日に提出され、2020年よりデジタル教科書の導入が順次進んでいくと予想されている。しかし、デジタル教科書を用いた学習場面において、積極的に学習履歴を取得・蓄積し、その学習履歴の分析により、教員が学習履歴データを活用したきめ細やかな指導を行う取組みは、まだ行われていないという。
そこで4者は、デジタル教科書の操作時に得られる学習履歴データを収集・分析・活用する意義は非常に大きいと考え、実証研究を行うことにした。東北大学大学院情報科学研究科の堀田龍也教授の監修のもと、すでに学習者用デジタル教材を導入している荒川区立第三峡田小学校と第三中学校において、デジタル教科書のプロトタイプを用いて、学習履歴データの収集と分析を行う。
学習履歴データの収集では、東京書籍のデジタル教科書(プロトタイプ)コンテンツが搭載された、ACCESSのデジタル教科書・教材用ビューア「Lentrance Reader(レントランス リーダー)」を機能拡張し、学習者用デジタル教科書の学習履歴データの効果的な取得方法について研究する。また、学習履歴データが蓄積されるようになると、そのデータ量は膨大なものになることから、データの安全な蓄積方法について研究する。
学習履歴データの分析では、蓄積された学習履歴データを活用し、学習者ひとりひとりに最適化された指導を行うために必要なデータ分析手法やレポート形式を研究する。これらのデータ分析やレポート作成の自動化によって、教員の負担軽減を実現させるねらい。
実証研究の実施期間は、2017年10月〜2018年3月末。成果は2018年4月を目途に発表を予定している。