【医師監修】妊娠の確率を上げる方法はある? 正しいタイミングと、押さえておきたい年齢の壁

9月30日(月)19時40分 マイナビウーマン子育て

妊娠したいと思ってもなかなか上手くいかないと、タイミングが合っているのか、体や年齢に問題があるのかなどが気になりますよね。今回は、妊娠の確率を高めるタイミングの取り方や、年齢と妊娠率の関係、不妊症を疑った場合の対処方法などをまとめて紹介します。

この記事の監修ドクター 産婦人科専門医 齊藤英和先生 梅ヶ丘産婦人科勤務、国立成育医療研究センター臨床研究員、神戸元町夢クリニック顧問、浅田レディースクリニック顧問、近畿大学先端技術総合研究所客員教授、1 more baby 応援団理事、ウイメンズヘルスリテラシー協会理事。山形大学医学部卒業後、同大学、国立成育医療研究センターを経て現職。日本産科婦人科学会産婦人科専門医、日本生殖医学会生殖専門医、医学博士

妊娠する仕組みと妊娠率

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そもそも避妊せずにセックスをしても、すぐには妊娠しないことも多いものです。まずは妊娠が成立するタイミングと避妊せずに性交渉した場合、どのくらいの割合で妊娠すると言われているのかを紹介します。

妊娠する仕組み

妊娠は、卵子と精子が出合って受精卵となり、子宮内に着床しなければ成立しません。卵子はおよそひと月に1度、卵巣から1つ排卵されますが、その排卵したタイミングで卵子が精子と出合わなければ、妊娠に向けてのスタートが切れないのです。なぜなら、精子の女性の体内での寿命は約72時間と言われていますが、卵子の寿命は約24時間ととても短く、排卵した卵子は排卵後10数時間しか受精できないとも言われています[*1, 2]。卵子の寿命が尽きるまでに、精子は卵子にたどり着く必要があります。 妊娠の確率を上げたい場合は、この排卵のタイミングで避妊をせずにセックスできているかが、とても重要になります。

意外と低い妊娠する率

ただし、タイミングが合っていても妊娠する率は意外と低く、30歳で20%、35歳で10%程度と言われています[*2]。これは、卵巣や子宮に問題のない女性が、タイミング(排卵日前後の意)に合わせて性交渉を行った場合の数値。避妊せずにセックスをしているのに、半年程度、妊娠しないのは不思議ではありません。 もちろんセックスの回数が少なかったり、夫婦の年齢が上がれば、時間はもっとかかる場合も考えられます。

セックスの回数と妊娠率

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セックスの回数と妊娠する率は正比例しないと言われています[*2]が、妊娠を望んでいるのに月に1〜2回は少ないかもしれません。タイミング(排卵日前後)を意識してセックスすることに抵抗がある場合は、2人の生活に合わせたセックス頻度を見直して、しばらく様子を見てみましょう。

週2〜3回以上ならタイミングは逃しにくい

さきほど紹介したように、精子の寿命は72時間と言われています。この精子の寿命から考えると、週に2〜3回以上セックスをしているなら、子宮内に常に精子が存在することになるため、排卵のタイミングは逃しにくいでしょう。ただし、この頻度である程度試してみても妊娠しない場合は、女性・男性ともに、妊娠しづらい不妊要因があるかもしれません。専門医の受診を考えるのも、妊娠率を上げる近道でしょう。受診時期の目安は、このあと紹介する「不妊症を疑ったらいつ受診すればいいの?」の項を参照してください。

排卵日を狙ったタイミング法を試してみる

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仕事や生活環境などにより週2〜3回以上のセックスが難しい場合は、「タイミング法」を試してみましょう。 タイミング法とは、排卵日の少し前から排卵日までに性交渉があると妊娠しやすいと言われていることから、排卵日を予想して性交のタイミングを合わせる方法のことです。

セックスは排卵日の2日前から

生理(月経)開始の14日前の「前後数日」が、排卵が起こる期間。逆から数えると、生理周期が28日の人は、生理開始から14日目あたりに排卵します。この排卵する時期が妊娠しやすい期間です。この排卵期に複数回、性交渉を行います(例えば、生理周期が32日の場合は、生理から18日あたりに排卵する計算)。

タイミング法では予想した排卵日の2日前〜排卵日までに性交渉があると妊娠しやすいと言われています[*3]。ただし、生理にズレがあるように排卵日もズレは生じます。そのため、この時期に1回の性交渉があるだけでは妊娠率は上がらないでしょう。予想した排卵日の前後数日に複数回タイミングを取ることが、妊娠率を上げるポイントです。

排卵日予測検査薬で“事前に”排卵日を予測する

排卵日を特定するために、排卵日予測検査薬(排卵検査薬)を使う方法もあります。一般的に排卵検査薬は、尿の中に含まれる黄体形成ホルモン(LHホルモン)の濃度を測定し、排卵日を予測します。検査薬の陽性反応が出たとしても、1回ではなく複数回タイミングを取ると、妊娠率が上がるでしょう。

基礎体温で体の状態をチェックする

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基礎体温「だけ」で排卵日を正確に予測するのは難しいのですが、そもそも排卵がおきているのかどうか(基礎体温が二相にわかれているか)、体温の動きにおかしいところはないか(低温期が長すぎる/高温期が短すぎる)などは、基礎体温を記録しておくことでチェックすることができます。また、排卵検査薬を使うときも基礎体温チェックを併用することが勧められています。

タイミング法を試す際は、その前に基礎体温の測定も習慣にしておけると、排卵含めた体調の変化に早めに気づくことができるでしょう。

妊娠を望むなら年齢の壁もチェック

ライフスタイルや社会環境の変化により晩婚化と晩産化が進行し、高齢出産は増加傾向にあります。出生時の母親の平均年齢は、2015年では、第1子で30.7歳、第2子で32.5歳、第3子が33.5歳でしたが、30年前(1985年)と比較すると第1子で4.0歳、第2子で3.4歳、第3子で2.1歳、それぞれ上昇しています[*4]。このように出産時の年齢は年を追うごとに高くなっていますが、年齢と妊娠率にはどんな関係があるのでしょうか。

妊娠する力は35歳前後から急激に低下する

女性は30歳を過ぎると自然に妊娠する可能性が徐々に低下し始め、およそ35歳を過ぎると急激に低下すると言われています[*5]。これは加齢とともに、卵子も歳をとるからです。卵子が老化すると妊娠する力は下がります。

また、年齢が上がるにつれて不妊の頻度は上がります。25歳〜29歳では8.9%、30〜34歳では14.6%、35〜39歳21.9%、40〜44歳では28.9%が不妊であるという報告[*6]もあります。

なお、男性も年齢を重ねると、精子の数や運動率が低下することがわかっています。

不妊症を疑ったらいつ受診すればいいの?

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妊娠を望むカップルが1年を経過した時点で妊娠していなかったら、不妊症の検査を受けることが推奨されています。とくに35才以上で「生理の異常がある」「性感染症や骨盤腹膜炎にかかったことがある」「子宮筋腫・子宮内膜症がある」などの不妊のリスク因子がある場合、あるいはリスク因子がなくても40才以上の場合、 3カ月程度タイミングを取っても妊娠しない場合には、産婦人科もしくは不妊治療専門医を受診したほうがよいとされています[*7]。

不妊症のおもな原因

不妊症は、おもに以下のような原因があります。

女性側の不妊原因

女性側の原因としては、排卵がうまくいかない排卵障害、卵管がふさがるなどして卵管に卵子がうまく取り込まれなくなるケース、子宮筋腫や子宮内膜ポリープ、先天奇形などで着床しづらい子宮環境であるケース、子宮頸管炎などの頸管に問題があり精子が子宮内にたどり着きにくいケース、精子を異物として攻撃してしまう抗精子抗体を産生している場合などが考えられています。また、検査をしても明らかな原因が見つからない場合もあります。

男性側の不妊原因

男性側の原因としては、射精がうまくいかない性機能障害と、精子の数や運動率が悪く受精しづらいケース、無精子症が考えられています。

不妊の期間が続いていたら、「いつ受診すればいいの?」で紹介した期間を目安に、男性、女性ともに、不妊原因の有無を医療機関で診てもらいましょう。原因が特定できれば、その原因に合わせた治療ができる場合もあります。また、高度な不妊治療へとステップアップすべきなのかなど、妊娠するための方法を夫婦2人でよく話し合うことも大切です。

近くの産婦人科で診てもらえる場合もありますし、どの医療機関が良いのか決めかねる場合は、まず不妊専門相談センターに相談してみる方法もあります。不妊専門相談センターは、各自治体が設置していて、不妊に悩む夫婦が、専門的な事柄や心の悩みなどについて医師・助産師等の専門家に相談したり、診療機関ごとの不妊治療の実施状況などに関する情報提供を受けることができます。

まとめ

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いかがでしたか。避妊せずに性交渉をした場合、とくに不妊のリスクがない人でもすぐに妊娠する確率は意外と高くないということがおわかりいただけたと思います。30代前半くらいまでであれば、排卵などを過度に気にしてストレスを感じたり、夫婦間で気持ちのすれ違いを起こすよりは、半年妊娠しなくてもおかしくないことを踏まえて、できるだけ定期的で充実したセックスライフを目指すことが、妊娠率を高める方法かもしれません。

ただし、だからといってのんびりと待ってばかりいると、年齢が上がってしまいます。加齢とともに不妊のリスクが上がることも説明しました。自身の体調でとくに思い当たる不妊リスクがない場合は1年間を目安に、35歳以上でなんらかの不妊リスクがある人や、40歳以上の人は3ヶ月間を目安にタイミング法を試みて、それでもうまく行かない場合は一度受診して、調べてもらうようにしましょう。

(文:オノカヨ/監修:齊藤英和先生)

※画像はイメージです

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