【医師監修】正確にわかるのはいつ? 妊娠検査薬が陽性になるタイミング

10月3日(木)18時16分 マイナビウーマン子育て

妊娠を心待ちにしている人なら、1日でも生理が遅れたら、すぐにでも妊娠検査薬で確認したくなるのでは? とはいえ使用するタイミングを誤ると正しい判定ができないことも……。妊娠検査薬はいつ検査すれば正確な判定となるのか、みていきましょう。

この記事の監修ドクター 直林奈月先生 赤心堂病院産婦人科勤務(埼玉県川越市)大学卒業後、太田西ノ内病院、高知大学医学部附属病院、船橋二和病院を経て現職。産科婦人科学会専門医、女性ヘルスケアアドバイザー、日本産科婦人科内視鏡学会腹腔鏡技術認定医

そもそも妊娠検査薬は何を「検査」しているのか

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尿を検査スティックにかけて、妊娠の可能性を調べる妊娠検査薬。このスティックで尿の中の何を確認しているのか知っていますか? 妊娠検査薬は何を検査することで妊娠反応の有無を判定しているのでしょうか。

妊娠検査薬の仕組み

受精卵が着床すると、女性の体の中ではhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンが分泌され始めます。hCGは黄体を刺激して、妊娠を維持させるエストロゲンやプロゲステロンといったホルモン分泌をサポートしたり、赤ちゃんの発育に重要な甲状腺ホルモンの分泌を促したりする働きがある、妊娠中の女性に特有のホルモンです。妊娠4週ごろから分泌され始め、妊娠8〜10週ごろが分泌量のピークとなります[*1]。 hCGは、男性や妊娠していない女性では通常、分泌されることがありません。

妊娠検査薬はこのhCGの尿中の濃度を測定し、妊娠の可能性の有無を判定します。hCGが一定以上の濃度で尿中にあれば「陽性=妊娠の可能性が高い」、一方、検出されなければ「陰性=妊娠の可能性は低い」 となります。

市販のものと医療機関の妊娠検査薬は同じ?それとも違う?

「病院で使っている妊娠検査薬は、市販のものとは違う」と思う人がいるかもしれませんが、医療機関で行う妊娠反応検査も、市販の妊娠検査薬も仕組みは同じです。尿中にhCGが一定濃度以上あるかどうかを判定しているだけで、その原理に違いはありません。そのため、市販の妊娠検査薬を正しい手順で使った結果、妊娠判定が出たという場合は、病院で検査をしても同じ結果が出ます。ただし、医療機関では、市販の妊娠検査薬よりhCGが低い濃度でも反応する種類を使用している場合もあります。この場合は、市販の妊娠検査薬よりも1週間ほど早く判定できます。

ただ医療機関では尿検査に加えて、受精卵がきちんと子宮内膜に着床しているかどうか、超音波(エコー)検査での確認も行っています。詳しい内容はこの記事の後半【妊娠検査薬が陽性でも「おめでた」とは言い切れない理由】の項で説明します。

妊娠検査薬が陽性になるタイミング

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普通は生理開始予定日の約1週間後から判定できる

妊娠検査薬は尿中のhCG濃度により妊娠の有無を判定していますが、通常の妊娠検査薬はhCGが50IU/L以上の濃度で尿の中にあるとき、陽性を表示します。 さきほども説明したように、妊娠検査の指標となるhCGは妊娠4週ごろから徐々に分泌が始まり、 妊娠5週ごろになると妊娠検査薬の判定に十分な量のhCGが分泌されるといわれています。 妊娠5週というと、元々の生理開始予定日のおよそ1週間後にあたります。そこで一般的な市販の妊娠検査薬は「生理予定日の約1週間後から」の使用が推奨されています。そのタイミングであれば、妊娠が成立していると妊娠検査薬がほぼ確実に陽性を示します。

「早期妊娠検査薬」ではそれより早い時期から判定可能

中には通常の妊娠検査薬よりも1週間ほど早く、妊娠反応が検査できる検査薬もあります。hCGが分泌され始めてまもない妊娠4週(元々の生理開始予定日)ごろから使用できる、そのような妊娠検査薬のことを「早期妊娠検査薬」と呼んでいます。さきほど紹介した、医療機関で使用されていることもある、市販のものよりhCGが低い濃度でも判定可能な妊娠検査薬は早期妊娠検査薬の一種です。

通常の妊娠検査薬は尿中のhCGの濃度が50IU/L程度から判定可能であるのに対し、早期妊娠検査薬は25IU/L程度から判定できるようになっています。より低いhCG濃度のとき、つまりより早い時期でも妊娠反応の検査が可能なのです。

早期妊娠検査薬は、日本製のものは薬剤師のいる薬局・ドラッグストアで購入可能です(ただし、取り扱っていなかったり、在庫切れの場合もあるので、購入する場合は事前に問合せておくと良いでしょう) 。また、アメリカやヨーロッパで市販されているものを個人輸入することも可能ですが、日本語の説明書がついていない場合もあります。説明書の使用方法をよく確認して使うようにしましょう。

妊娠していても陽性にならないことがある?

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落ち着いて、適切なタイミングで検査しよう

このように妊娠検査薬は、種類によって検査可能な時期が異なります。正しい検査結果を得るためには、推奨された使用可能時期を守って検査することが大切です。

妊娠しているかどうかを早く知りたいがために、通常の妊娠検査薬を生理開始予定日に使用するフライング検査を行うこともあるでしょう。hCGは生理開始予定日頃から徐々に分泌され始めるので、中にはフライング検査でも妊娠反応が陽性になることもあります。

しかし、排卵日にずれが生じているなどした場合、生理開始予定日ではまだ妊娠判定に十分な量のhCGが分泌されておらず、本当は妊娠しているのにそのタイミングでは検査結果が陰性になってしまう可能性もありえます。

妊娠を望んでいて、生理予定日を過ぎているのに生理が来なければ、すぐにでも妊娠検査薬を使いたくなるかもしれません。しかし検査に適した時期でないと正確な結果が出ないこともあります。はやる気持ちを抑えつつ、落ち着いて適切なタイミングを待って妊娠検査薬を使用したほうが良いでしょう。

なお、生理開始予定日に妊娠検査薬を使用してみて陰性であったとしても、その後、やはり生理が来ないのであれば、1週間後に再検査してみましょう。

妊娠検査薬が陽性でも「おめでた」とは言い切れない理由

妊娠検査薬は着床の有無がわかるだけ

めでたく妊娠検査薬が陽性を示しても「妊娠だ! “おめでた”だ!」と手放しで喜ぶのは、まだ避けたほうがよいでしょう。なぜなら異所性妊娠(子宮外妊娠)など、その後正常に赤ちゃんが育っていける妊娠ではない状態の可能性もあるからです。

異所性妊娠とは受精卵が卵管、卵巣、腹膜、子宮頸管など、本来着床するはずの子宮体部内膜以外の場所に着床することです。以前は「子宮外妊娠」と呼ばれていましたが、子宮頸管など、必ずしも「子宮外」とは言えない部分の妊娠も含まれていたため、名称をあらため「異所性妊娠」と呼ばれるようになりました。異所性妊娠は自然妊娠の約1〜2%に発生するといわれています[*2]。

hCGの濃度が一定以上になっているにもかかわらず、経腟超音波検査を行っても胎嚢が子宮(体部)内に確認できない場合は異所性妊娠が疑われます。

異所性妊娠は、受精卵の着床した場所によっては、少量の性器出血や起こったり治まったりする下腹部痛が起こることもあれば(症状がない場合もあります)、多量の出血とともに急激な下腹部痛が起きて、出血多量により命に危険が及ぶ場合もあります。妊娠反応が陽性であるが、子宮内の妊娠を確認できていない場合、 出血量が多い場合や、腹痛がひどい場合には、夜間や時間外であっても医療機関をすぐに受診しましょう。

陽性が出たら、医療機関を受診しよう

また異所性妊娠以外にも、胎盤の一部である絨毛に異常が生じる絨毛性疾患やhCG産生腫瘍などによってhCGが分泌された結果、妊娠検査薬が妊娠反応を示すこともあります。

妊娠検査薬が陽性を示すことは、妊娠を待ち望んでいる人にとってはとくに飛び上がるほどうれしいことと思います。しかし、まずは喜びをぐっとこらえ、その結果が果たして正常な妊娠よるものなのかどうか、医療機関を受診して診断してもらいましょう。喜ぶのはその後でも遅くありません。

まとめ

市販の妊娠検査薬の多くは、生理開始予定日の1週間後からの使用が推奨されています。すぐにでも検査したくなる気持ちはわかりますが、検査に適した時期でないと正しく結果が出ないこともあります。落ち着いて適切なタイミングを待ってから試してみるのがおすすめです。また、検査薬が陽性=正常妊娠の確定ではないことも忘れずに。正しい時期と使用方法で検査した結果、妊娠反応が陽性になったときは、産婦人科を受診してきちんと検査してもらいましょう。

(文:山本尚恵/監修:直林奈月先生)

※画像はイメージです

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